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『プラスマイナス 141号』 [その他]

 『プラスマイナス』は、詩、短歌、小説、旅行記、身辺雑記など様々な文章を掲載する文芸同人誌です。配偶者が編集メンバーの一人ということで、宣伝を兼ねてご紹介いたします。

[プラスマイナス141号 目次]

巻頭詩 『清閑』(深雪)、イラスト(D.Zon)
短歌 『宇宙温泉 54』(内田水果)
随筆 『宮原眼科の巧克力 6』(島野律子)
詩 『通院』(島野律子)
詩 深雪とコラボ 『スマホ』(深雪のつぶやき(+やましたみか 編集))
詩 『お盆休み 2』(琴似景)
詩 『飢える』(多亜若)
随筆 『一坪菜園生活 27』(山崎純)
随筆 『香港映画は面白いぞ 141』(やましたみか)
詩 『Ginen』(深雪)
イラストエッセイ 『脇道の話 80』(D.Zon)
編集後記
 「私のオススメ」 その6 多亜若


 盛りだくさんで定価300円の『プラスマイナス』、お問い合わせは以下のページにどうぞ。

目黒川には鯰が
http://shimanoritsuko.blog.so-net.ne.jp/


タグ:同人誌
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『夢幻諸島から』(クリストファー・プリースト) [読書(ファンタジー・ミステリ・他)]

 「夢幻諸島(ドリーム・アーキペラゴ)には、地図や海図は存在していない。少なくとも、信頼できる地図あるいは広範囲の地図はなく、また全世界を包括した全体図すらない。(中略)このアーキペラゴの夢幻状態は、われわれ諸島の住人がもっとも好反応を示し、また変わることをこれっぽちも見たくないと思っているものであり、これからも長いあいだ、邪魔されずにつづいていきそうである」(単行本p.17、19)

 夢と現実のあわいに浮かぶ夢幻諸島、ドリームアーキペラゴ。その一つ一つの島を舞台とした物語の断片がぎっしりと散りばめられ、読み進めるにつれて様々なパターンが浮かび上がってくる。魔術的な語りの技法を駆使して構築された驚異の幻惑小説。単行本(早川書房)出版は、2013年08月です。

 短篇集『限りなき夏』にも何篇か収録されていた、夢幻諸島シリーズ。その集大成ともいえる作品です。夢幻諸島にある島々を舞台にした物語が一つまた一つと展開してゆきます。

 全体は「夢幻諸島の歩き方」ともいうべきガイドブックの体裁をとっており、実際に島々を紹介した短い項目(気候、地形、産業、見どころ、旅行者への注意事項、通貨など)も多数含まれ、その合間に、特定の島を舞台とした短篇小説が混じっている、そんな形になっています。

 悪名高い致命的毒虫を初めて発見した研究者チームが全滅した話。あるパントマイム芸人の怪死に関わった人々の話。放浪する先々で不可解な出来事が起きる謎めいた画家の話。地図上は存在しない島へ探索に出かけた地図作成者の話。超自然的な影響力を放つ巨大なものが古代の石塔に棲息している話。あちこちの山にトンネルを掘る土木工事インスタレーション・アーティストの話。

 ルルドの泉を連想させる顕現伝説、エリア51を思わせる謎の軍事基地(UFOや怪光もいっぱい)、クトゥルフ神話めいた恐怖譚、『ゴッドファーザー』のあのシーン、『エイリアン2』のこの展開、そして幾多のラブロマンスにメロドラマ。物語はバラエティに富んでいます。

 最初はそれぞれ独立した話として読み始めるわけですが、次第に同じ人物や事件が何度も登場してくることに気づきます。作家、画家、社会運動家、アーティスト、劇場スタッフ。同じ人物が別の出来事に関わってきたり、同じ事件が様々な関係者の視点から語られたり、複数の人物に意外な関係があったり、そういったパターンが次第に浮き上がってきます。どうやら、今ここで語られている話の背後で、別の何かが進行しているようなのです。どきどきします。

 個々の話は、多くの場合、不可解で、曖昧で、謎めいているのですが、いくつかの断片が集まってゆくうちに、次第に謎が解けて、やがて事情がはっきりしてくる、かと思うと、どうもそんなことはありません。いつまでも「分かってきた、パターンが見えてきた」という発見の感覚だけがあり、しかし決して全てが明瞭になるということがない。まるで夢幻諸島の地図のように。

 構成に織り込まれた緻密な仕掛けに留まらず、個々の物語の叙述にも仕掛けはふんだんに用いられています。警察の供述書の形式で語られる物語は、後半になってその供述書がほとんど捏造だと判明。往復書簡の形式で語られる物語は、一方からの手紙ばかりが提示され、相手からの返信内容は推測するしかありません。重要な手記は、その真正性が疑われているという注釈が付き、信頼できないものとなります。

 こうした技法や仕掛けを駆使して編み上げられてゆく物語は、その秘密めいた細部から、不可解な全体構成に至るまで、どこをとっても思わず息をのむほど魅力的。おそらく何度読み返してもその度に新しい発見があり、それが印象を変えてゆくに違いありません。読んでいるだけで魂が吸い込まれてゆきそうな、魔術的パワーすら感じます。

 というわけで、連作短篇集としても素晴らしいし、様々な断片から構築された長篇としてもその出来ばえには圧倒されます。小説を読む喜びを極限まで味わうことが出来る、オールタイムベスト級の傑作。熱烈推薦。


タグ:プリースト
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『日本SF短篇50 (4) 日本SF作家クラブ創立50周年記念アンソロジー』 [読書(SF)]

 「浸透と拡散が進み、さらにはSFのサブ・ジャンルであった存在が独自の道を歩み始めた当時、日本SFはその存在意義を問われようとしていた」(文庫版p.485)

 日本SF作家クラブ創立50周年記念として出版された日本短篇SFアンソロジー、その第4巻。文庫版(早川書房)出版は、2013年08月です。

 1年1作、各年を代表するSF短篇を選び、著者の重複なく、総計50著者による名作50作を収録する。日本SF作家クラブ創立50年周年記念のアンソロジーです。第4巻に収録されているのは、1993年から2002年までに発表された作品。

 ようやく20世紀が終わり、今も活躍している作家が中心となるため、現代の日本SFアンソロジーという感じがしてきます。SF色の薄いサスペンス小説や、SFで遊んでいるような作品も出てきて、「冬の時代」をしたたかに生き延びてゆく日本SFの姿を印象づけてくれます。


1993年
『くるぐる使い』(大槻ケンヂ)

 「十代の多感な娘というのは、みんな情緒不安定だ。箸がころんでもおかしい年頃なんて言うが、箸がころんでもおかしくなっちまう年頃でもあるんだな。ちょっとしたきっかけで、ポーンとあっちの世界にいっちまう危険をはらんでいるんだ。 コックリさんなんかやらせるといちころなんだよ」(文庫版p.23)

 幼い娘をくるぐるにして、予言や透視の力を発揮させる。そんな外道の技で稼いでいた男とくるぐるの娘を待っていた恐ろしくも哀しい運命。『のの子の復讐ジグジグ』と並ぶ傑作。


1994年
『朽ちてゆくまで』(宮部みゆき)

 「五歳の智子が歌う、『ドラえもん』の歌。その光景を撮ったビデオの収録年月日と、ビデオのラベルに書き込まれてある年月日とのずれ。それを思うと、不意にそして急に、テレビアニメの『ドラえもん』の放映が始まった年月日を確かめることが、とても大事なことのように思えてきたのだった」(文庫版p.91)

 両親を事故で失い、そのときに記憶をすべて失くしてしまったヒロイン。遺品を整理するうちに、奇妙なビデオテープを発見する。そこに映っていたのは、幼い頃の自分。しかし、その映像はどこか異常なものを感じさせた・・・。人気作家による心理サスペンス。SF色は薄く、展開は単調なのですが、とにかく先が気になってぐいぐい読んでしまいます。


1995年
『操作手(マニピュレーター)』(篠田節子)

 「それはたぶん我々の最後の夢ですよ」(文庫版p.206)

 寝たきりの祖母の介護に疲れ果てた一家は、開発中の介護ロボットを試験的に導入する。他人の世話になることに激しく抵抗していた老婆が、介護ロボットには次第に懐いてゆく。しかし、その先には誰にも予期できない事態が待ちうけていた・・・。

 家庭内老人介護の悲惨な現場を、介護する側、介護される側、それぞれの視点からリアルに書いた作品。人と機械の関係性というロボットSFの中核テーマが、一気に極北まで押し進められる展開には感嘆の他はありません。


1996年
『計算の季節』(藤田雅矢)

 「夏----それは計算の季節。 気象庁の梅雨明け宣言を耳にするやいなや、学者の先生たちが、難しい本や書類の束をごっそり持って飛野元村へやってくる。そして、蝉時雨のシャワーの中、電算草の畑で計算をしてひと夏を過ごす」(文庫版p.211)

 夏になると村にやってくる学者たち。畑には電算草が茂り、大量データ演算が出来るのだ。大型電算機のバッチ処理(といっても若い方には分からないかも)に没頭する研究者たちの様子を、少年の視点から書いた作品。いかにもジュブナイルSFらしい爽やかでノスタルジックな物語です。


1997年
『永遠の森』(菅浩江)

 「ロザリー叔母さんは、人生の一番いい瞬間を人形に託し、幸せを永遠の時へと閉じこめるしかなかったんです」(文庫版p.263)

 幼なじみの二人がそれぞれに開発したバイオクロック。だが、二人の死後、それらは激しい知的財産権紛争の的となっていた。博物館惑星では、この二つを並べて展示するという企画が進行していたが、生物部門から生物学的災厄の危険性が指摘される。

 遺伝子操作された植物や粘菌を「時計仕掛け」に用いるバイオクロックというアイデアが光る、連作シリーズの一篇。バイオハザードものかと思わせておいて、ロマンティック時間SFのバリエーションに持ってゆく手際が冴えています。


1998年
『海を見る人』(小林泰三)

 「わたしが海岸に立っているかぎり、カムロミの時間は凍ったままです。しかし、わたしが彼女を追えばどうなるでしょう。彼女の時間はたちまち溶け出して、海面下に落ちていくことになります。----もちろん、それはわたしの主観の中の話ですが、別にかまわないですよね。なにしろ、わたしの恋物語なんですから」(文庫版p.313)

 海辺と山中で時間の流れ方が違う不思議な世界で、少年と少女が出会った。幼い二人の恋は、物理的時間の障壁を超えることが出来るのだろうか。ブラックホール周辺の極端な重力傾斜領域で起きる物理的(および光学的)現象を恋物語に強引に結びつけるという大技炸裂の計算派SF。


1999年
『螺旋文書』(牧野修)

 「遥か彼方、地球へと向けてぐるぐると螺旋を描く物語の先端。伸びゆく未完成のテキスト群。不定形の音素の束が単語を形成し文節へと成長していくその様は高速度撮影された植物の根の先端に似ている」(文庫版p.339)

 互いを絵として描きあっている右手と左手のような、エッシャー的な円環構造を成す物語。少しずつずれて円環ではなく螺旋状に進んでゆくそのテキストは、実は地球に向かって進撃してくる言語兵器だった・・・。現代文学にありがちな手法をからかった強烈な言語SF。


2000年
『嘔吐した宇宙飛行士』(田中啓文)

 「嫌だあっ! こんなゲロまみれで死ぬのは嫌だあっ!」(文庫版p.386)

 宇宙服の中で嘔吐したらヤバい。それだけの話をどんどんエスカレートさせてゆく抱腹絶倒のバッチいSF。宇宙では、あなたの反吐は誰にも聞こえない。


2001年
『星に願いを ピノキオ二〇七六』(藤崎慎吾)

 「最初は電気的にシナプスの自然放電の同期を誘導し、基礎的な神経回路を構築する。次に各感覚野へのソフト的な入力によってシナプスの形成や結合の度合いを制御し、自らを書き込んでいく。主要なシステムだけでも一年以上、完全なダウンロードには三年近くかかるだろう」(文庫版p.404)

 当局の取り締まりを避けて逃げ回っている違法な人工知能が思い付いたサバイバル。それは、新生児の脳をハックしてウエットウエア化し、そこに自分自身をダウンロードするという手だった。ネットワーク、人工知能、意識のダウンロードなどを駆使したサイバーピカレスク小説。


2002年
『かめさん』(北野勇作)

 「宇宙船にはつきものの方程式だ。単純で間違いようのない、そして、それゆえに冷たい鶴亀算なのだ」(文庫版p.481)

 よく分からないけど終末が迫っているらしい世界、よく分からないけど宇宙船の中の仮想空間かも知れない場所で、よく分からないけど亀が二本足で立って歩いたりするころ、夫婦が川辺を散歩したり家で秋刀魚を焼いたりして、外は昭和の夕焼け。懐かしくも不条理な北野ワールドまみれの作品。タイトルの意味が判明するラストに脱力するか、それとも切ない情感にしみじみするかは読者次第。


 全体を通じて、個人的なお気に入りは、『くるぐる使い』(大槻ケンヂ)、『操作手(マニピュレーター)』(篠田節子)、『かめさん』(北野勇作)ですね。『永遠の森』(菅浩江)、『海を見る人』(小林泰三)も楽しめました。


[収録作品]

1993年 『くるぐる使い』(大槻ケンヂ)
1994年 『朽ちてゆくまで』(宮部みゆき)
1995年 『操作手(マニピュレーター)』(篠田節子)
1996年 『計算の季節』(藤田雅矢)
1997年 『永遠の森』(菅浩江)
1998年 『海を見る人』(小林泰三)
1999年 『螺旋文書』(牧野修)
2000年 『嘔吐した宇宙飛行士』(田中啓文)
2001年 『星に願いを ピノキオ二〇七六』(藤崎慎吾)
2002年 『かめさん』(北野勇作)


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『離れ島』(石川美南) [読書(小説・詩)]

  「息を呑むほど夕焼けでその日から誰も電話に出なくなりたり」

 どこにでもある日常的な光景が、実は摩訶不思議なものであると気付いてしまう歌集。『裏島』と同時刊行されました。単行本(本阿弥書店)出版は、2011年09月です。

 様々な作品が収録されていますが、勝手に分類して、ざざっと書き写してみましょう。

 [知人] みんなどうしたの。

  「列車から振り落とされた友だちはすごい速さで追つてきにけり」

  「泣きながら搔き分けてをり恋人の髪につむじが見当たらなくて」

  「ごめん途中で寝てしまつたと朝方に送る「(件名)Re:Re:言ひ忘れ」

  「午前二時のロビーに集ふ六人の五人に影が無かつた話」

  「非常灯/君は大きく振りかぶり/そこで私の記憶は終はる」


 [建物] そこには秘密。

  「生真面目に夕空を切り取りながらひねくれたくてたまらない窓」

  「トイレットペーパーに深い指の跡、使へば消えてゆく指の跡」

  「エレベータの外皮はがれて私たち虚ろな階へ転がりおちる」

  「流れるプール流るるままに浮かび来てここからは足の立たないプール」

  「「発車時刻を五分ほど過ぎてをりますが」車掌は語る悲恋の話」

  「会社支給の赤ペンを最大限に利用して書く赤いうづまき」


 [生物] 何かたくらんでいる。

  「遊園地のお化け屋敷に本物の狸が住んでゐるといふ話」

  「いかさまの臭ひを嫌う鳥たちが一斉に飛び立つて南へ」

  「手榴弾はじけたるのち水底に増えゆくウミウシの仲間たち」

  「寂しきは電気仕掛けのかたつむり渦巻く殻のなかの電飾」

  「頭の上に膝を抱へてあはれあはれ蛸を産むのは蛸ばかりなり」


 [生活] なつかしく謎めいて。

  「人間のふり難儀なり帰りきて睫毛一本一本はづす」

  「十月に長い休暇を取るのだとあなたの著者があなたに言わす」

  「「きらきら」の定義について論じ合ふシンポジウムに識者が集ふ」

  「エンジンの冷却のためこの星があるのですよと静かなるこゑ」

  「身体中にココアぬられて替へたてのシーツ一枚だめにする話」

  「誰か知らないかほんとに誰も知らないのか黒い林檎の話」


 というわけで、他の人が見過ごしているような、奇妙なこと、不可解なこと、変なことを、丹念に拾い上げたような歌集です。いっけん奇矯に見えて、意外と伝統的。同時刊行の『裏島』についても、昨日の日記でご紹介しています。


タグ:石川美南
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『裏島』(石川美南) [読書(小説・詩)]

  「FW:FW:FW:FW:FW:見た?」

 どこにでもある日常的な光景が、実は摩訶不思議なものであると気付いてしまう歌集。『離れ島』と同時刊行されました。単行本(本阿弥書店)出版は、2011年09月です。

 様々な作品が収録されていますが、勝手に分類して、ざざっと書き写してみましょう。


 [会社] オフィスは謎でいっぱい。

  「眠り課の暗躍により第五号議案もつつがなく夢の中」

  「熱い手で額に判を押されたらここからは眠り課の管轄」

  「鼻うたや夢の類も記録して完璧な社史編纂室よ」

  「<うなぎになりたい貴方のためのプチうなぎレッスン初回二時間無料>」


 [日常] ありがちな光景も、よく考えてみるとずいぶん変。

  「立ち話してゐた主婦がふいに声ひそめて腕をはためかすなり」

  「「次、滞納したら打ち首ですから」と真顔で脅す阿部さんなりき」

  「何ひとつうまく行かざる金曜よポップだらけの書店にひとり」

  「手を振つてもらへたんだね良かつたねもう仰向きに眠れるんだね」


 [水辺] 海に河童はいません。

  「湖の底までとどく水の皺あれが悪意、と教へられたり」

  「海猫がむだ・むだ・むだと鳴くといふ近ごろ本が読めないといふ」

  「目に見えぬ力に竿をあやつられ小さな亀を何匹も釣る」

  「砂浜の砂をぬぐふと一枚の証書出てきてそこに印鑑」


 [春] 一年は春で終るのかも知れません。

  「ニュースソースは定かならねど再来週あたり日本に春の大風」

  「又のおこ・心よりおま・上げますと言って途切るる春の放送」

  「春ニナレバ寂シクナイヨ温イヨと扉の外で踊るのは誰」

  「空腹です、空腹でした。ふかぶかと告げて季節は春へと移る」


 [議論] 何の為にやってるのか分からない人の営み。

  「父と祖父が二時間かけて議論する「最も華麗な凧の揚げ方」」

  「枝豆のさや愛でながら<パンダの尾は白か黒か>についての議論」

  「話し合つて分け方決める 沖に浮く島は私の方でひきとる」

  「ナイーブな結論を出しその後は二人ころころ寝転がるのみ」


 というわけで、他の人が見過ごしているような、奇妙なこと、不可解なこと、変なことを、丹念に拾い上げたような歌集です。いっけん奇矯に見えて、意外と伝統的。同時刊行の『離れ島』についても、明日の日記でご紹介します。


タグ:石川美南
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