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『人ぐらむ人』(MWnoズ、高橋萌登) [ダンス]

 2023年12月16日は、夫婦で神奈川県立青少年センター「スタジオ HIKARI」に行って高橋萌登さんを含むMWnoズの公演を鑑賞しました。「MWnoズ」は、「Von・noズ」の上村有紀さんと久保佳絵さん、そして高橋萌登さん3名がつくったグループです。


[キャスト他]

作・演出・振付: 高橋萌登、上村有紀、久保佳絵
出演: 高橋萌登、上村有紀、久保佳絵、金森温代、中谷友紀


 以前に『エンカウント・エンカ』を観た北千住BUoYと似た雰囲気(舞台中央に柱があるなど)のスタジオ HIKARIで、5名の出演者がたわいもない会話を交わしつつがんがん踊ります。振付は高橋萌登さんの単独作品ではないかと思うほど高橋萌登。

 正直、会話劇にはそれほど感銘を受けませんでしたが(個人的には高橋萌登さんがキノコと会話するシーンが好き)、何よりダンスのかっこよさが印象的。最初と最後の群舞には感激しました。





タグ:高橋萌登
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『踊るうた3』(勅使川原三郎、佐東利穂子) [ダンス]

 2023年12月9日は、夫婦でKARAS APPARATUSに行って勅使川原三郎さんの公演を鑑賞しました。私たちにとっては今年最後のアップデイトダンスです。

 古今東西いろいろな歌を踊るというか可視化する『踊るうた』のシリーズ第三弾ということで、今作でもスーダラ節からオペラまで、民謡からラテンまで、様々な歌がぶっ続けに流れるなか、佐東利穂子さんが踊ります。

 ノンストップで踊り続けるので、観客としても途中でだんだん不安になってきて、さすがに一時間この調子で踊り続けるのは無理だろう、そろそろ勅使川原さんと交代した方が、など思うわけです。しかし本当に最初から最後までソロで踊り通してくれました。体力精神力ともにすごい。

 終演後の挨拶によると、これから本作はアップデイトを重ねてゆき、勅使川原さんがソロで踊る回や二人で踊る回も入ってくるそうで、うーん、今年最後と決めていた気持ちが揺らぎます。どのように変わってゆくか、KARAS APPARATUSに何度も足を運べる方は、ぜひ確かめてほしいと思います。





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『プラスマイナス 182号』 [その他]

 『プラスマイナス』は、詩、短歌、小説、旅行記、身辺雑記など様々な文章を掲載する文芸同人誌です。配偶者が編集メンバーの一人ということで、宣伝を兼ねてご紹介いたします。


[プラスマイナス182号 目次]
――――――――――――――――――――――――――――
巻頭詩 『潮 より』(深雪)、イラスト(D.Zon)
川柳  『冬の前の傘』(島野律子)
エッセイ『中国ドラマの Me Too 後』(島野律子)
詩   『潮』(深雪)
詩   『薬』(多亜若)
詩   『木漏れ日』(琴似景)
詩   『猟の夜まで』(島野律子)
エッセイ『香港映画は面白いぞ 182』(やましたみか)
イラストエッセイ 『脇道の話 121』(D.Zon)
編集後記
 「おべんとうのはなし」 その3 琴似景
――――――――――――――――――――――――――――

 盛りだくさんで定価300円の『プラスマイナス』、お問い合わせはX(Twitter) @shimanoritsukoまでDMでどうぞ。





タグ:同人誌
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『ノクターン』(Co.山田うん) [ダンス]

 2023年12月2日は、夫婦で世田谷パブリックシアターに行って山田うんさんの新作公演を鑑賞しました。10名の出演者による70分の作品です。


[キャスト他]

演出・振付: 山田うん
音楽: ヲノサトル
衣装: 飯嶋久美子
美術装置: 鈴木義明(f926)
出演: 飯森沙百合、木原浩太、黒田勇、須﨑汐理、田中朝子、西山友貴、仁田晶凱、望月寛斗、山崎眞結、吉﨑裕哉


 シンプルな大道具(ポテトチップの輪郭線だけ取り出したようなオブジェ)いくつかと黒を基調にした衣装(最初は全員が同じユニフォームを着ているように思えるが、だんだん全員がそれぞれ異なる衣装だということが判ってくる)と、心地よい音楽。

 それぞれにレベルが高い要素が美しいダンスと調和して気持ちよく観ることが出来る完成度の高い舞台となっています。常に舞台上に何名か出演者がいて踊っており、単調にならないよう配置が工夫されていて、飽きがきません。舞台中を全員全力疾走大旋回するような激しいシーンはなく、ゆるやかに始まって穏やかに終わった印象が強い。2019年『プレリュード』の土美牛(ドビュッシー)を連想させる、そういう方向の山田うん作品もしみじみ良いです。





タグ:山田うん
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『忘れられるためのメソッド』(小川三郎) [読書(小説・詩)]

――――
そうは言っても
やっぱり私は
馬がいい。

パイプをくわえて青空の下を
走ることなく
ゆっくり歩く
まじめな顔した馬がいい

片目はつぶれていても構わない。
歯も抜けていて構わない。
だけど耳は
ピンと立っていて
私という馬がいるだけで
ただそれだけで
天気が変わってしまうくらいの
馬がいい。

明日はもう春か。
――――
『もの思う葦』より




 小川三郎さんの最新詩集。
 単行本(七月堂)出版は2023年11月です。




――――
みんな私が
もう死んでいると言った。
みんな私のことを
ちゃんと理解していると言った。

私は服を脱いでしまいたい。
服をぜんぶ脱いでしまいたい。

今年の夏
私はたくさん
笑いすらしたのだ。
――――
『ベンチ』より




――――
線路は机の端まで伸びたあと
机の裏へと消えていた。
教師が私の机を見おろし
なにか
ひどいことを言った。

それからもう四十年も
生きてきたのだけれど
私は誰かにあれと同じ苦しみを
与えることができただろうか。
――――
『机』より




――――
ある日
傘がなくなっていた。
真っ青に晴れた日だった。
みんな気がついていたが
口にする者は誰もいなかった。

その日の夜
余所の国で争いがあり
大勢人が殺されたと
ニュースが短く伝えていた。

次の日
傘は傘立てに戻っていた。
――――
『傘』より




――――
狂うべきものが狂わないときにだけ
意味を失う言葉があり
だからいくら狂おしくても
きらめくものはきらめいていたし
静かに過ぎ去っていくものは
私たちの胸を満たしていった。
樹上のひとは目を細めて
私たちを見下ろしている。

そして死が
理由なく訪れることを
それをほんとうにできることを
私たちは木の上に向かって
何度も何度も願ったのだ。
――――
『樹上』より





タグ:小川三郎
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