SSブログ
読書(オカルト) ブログトップ
前の5件 | -

『ヌシ 神か妖怪か』(伊藤龍平) [読書(オカルト)]

――――
 これらのヌシたちは、いずれも人知では測れない強大な霊力を持ち、その場所に君臨している。ヌシが自分のテリトリーを離れることはめったにないので、その場所に近づかなければ危害を加えられることはない。しかしながら、ヌシの棲む場所が人の生活圏と重なる場合は緊張関係が生まれる。人が生きるのに水が必要不可欠である以上、ヌシの棲む水域と無縁でいるのは難しい。われわれの先祖はヌシとつかず離れずの関係を保ちながら、日々を過ごしてきた。ヌシとともに歴史を紡いできたのだ。
 本書は、ありそうでなかったヌシについての本である。こんにち、民俗学関連の事典類で「ヌシ」が立項されているものは皆無に近い。龍や蛇、河童を論じた本や、水の神や山の神を論じた本は多く、それらのなかでヌシについてふれられることはある。また、特定の地域のヌシ伝承を対象とした論文もある。しかし、どういうわけか、日本のヌシ伝承を総括的に取り上げた本はないようだ。
――――
単行本p.6


 同じ場所に棲んで長い歳月を生き抜き、強い霊力を持つに至った特別な個体。主に池や沼など淀んだ水に潜む謎多き「ヌシ」たち。妖怪とも神とも違う、怪異存在としてのその独特な位置づけを探る一冊。単行本(笠間書院)出版は2021年8月です。


 ネットで発生する怪異譚をテーマにした『ネットロア』、台湾における怪談の流布をテーマとした『現代台湾鬼譚』の著者による、妖怪とも神とも違う、どうやら日本特有の怪異存在らしい「ヌシ」についての研究考察をまとめた最新作です。ちなみに私が読んだことのある旧作の紹介はこちら。


2018年10月04日の日記
『何かが後をついてくる』
https://babahide.blog.ss-blog.jp/2018-10-04

2016年05月16日の日記
『ネットロア ウェブ時代の「ハナシ」の伝承』
https://babahide.blog.ss-blog.jp/2016-05-16

2014年02月06日の日記
『現代台湾鬼譚 海を渡った「学校の怪談」』
https://babahide.blog.ss-blog.jp/2014-02-06




〔目次〕
序 ヌシと日本人
第一章 英雄とヌシ
第二章 神・妖怪とヌシ
第三章 ヌシとのつきあい方
第四章 ヌシの種類
第五章 ヌシの行動学
第六章 ヌシの社会
第七章 ヌシVSヌシ
第八章 ヌシが人になる
第九章 人がヌシになる
第十章 文学のなかのヌシ
第十一章 現代のヌシ
後書 ヌシの棲む国




第一章 英雄とヌシ
第二章 神・妖怪とヌシ
第三章 ヌシとのつきあい方
――――
 ヌシはヌシとして生まれるのではない。悠久の時を超えていくことによって、少しずつ少しずつ、生物はヌシへと変化していくのだ。
 このことは、ヌシが、生の延長線上にある存在であることを示している。生物が死んだのちにヌシになることもあるが、そうした例はまれである。たいがいは、死というプロセスを経ずに、ただ長く生き続けることによって、生物はヌシ化する。生きものは、生きつづけることによって、べつの何かになるのである。そして、いったんヌシ化したのちは、英雄に退治される以外に死ぬことはない。ヌシとは、生物でありながら生死を超越した存在なのだ。
――――
単行本p.23

 淀んだ場所に長く棲み、そこから離れようとしない。巨大化など身体的な特徴と尋常でない能力を持っている。人身御供を要求したり、英雄に退治されたり。伝承にあらわれるヌシの姿を俯瞰し、ヌシとは何かを考えるための出発点を明らかにします。




第四章 ヌシの種類
第五章 ヌシの行動学
――――
 すでに述べたように、河川沼沢に潜む水棲のヌシが圧倒的に多く、次いで深山幽谷に潜む陸棲のヌシ、そして、古城廃屋に棲むヌシと続く。そのほかはバリエーションに乏しい。
――――
単行本p.72

 蛇、龍、ウナギ、コイ、ナマズ、カニ、カメ、ヤマメ、イワナ、アユ、カエル、トカゲ、サンショウウオ、クモ、牛……。各地に残る伝承のなかでヌシの正体とされた様々な動物をならべ、襲う・さらう・祟る・毒を吐く・昇天する・修行する・子孫を残すなど、その行動パターンを分類します。その上で民俗学的になぜなのかを考察してゆきます。




第六章 ヌシの社会
第七章 ヌシVSヌシ
――――
 ここで注目されるのは、どうやらヌシにはヌシの社会があるらしい、ということである。この手紙の文面は、人間世界の礼状とほぼ同じ。お歳暮やお中元の贈答もしているのではないだろうか。ひとつ所に蟠っているのが、ヌシをヌシたらしめている条件だと先に書いたが、そのじつ、遠方の河川沼沢のヌシとも、頻繁に連絡を取りあっていた。
――――
単行本p.117

 手紙のやり取り、ご贈答の交換、ときに秘密の地下水脈を通って互いのテリトリーを行き来するなど、ヌシにはヌシの付き合いがあるらしい。ときにはヌシ同士で争ったり、大規模な戦争に発展したり、さらには人間に助太刀を求めたりする。意外に人間くさいヌシたちの社会生活について考察します。




第八章 ヌシが人になる
第九章 人がヌシになる
――――
 ヌシが人の姿になるということは、一面では、人間界へと取り込まれることを意味している。さらにいえば、ヌシが人語を話すこと自体、人間界のフレームに入れられているともいえよう。これは人がヌシ=自然を統御できるようになったことの表れである。人とコミュニケーションを取り始めた瞬間から、神性の矮小化が始まっているのである。
――――
単行本p.160

 人間が環境破壊を企てたとき、天変地異を起こして懲らしめるようなヌシばかりではない。人の姿に化けてお願いをしたり交渉を試みるヌシもいる。ヒトに化けて結婚するヌシもいる。逆に絶望して死んだ人間や禁忌をおかした人間がヌシになるパターンもある。人間とヌシの距離が近づくことをどう解釈すればよいのだろうか。




第十章 文学のなかのヌシ
第十一章 現代のヌシ
――――
 要するに、領域侵犯をした人類にたいする警告で、ここにヌシの発想が見られる。宇宙は、20世紀に見いだされた新たなヌシの棲みかだった。留意すべきは二点。ひとつは、ヌシが警告する相手が、地球人類全体となっていること。宇宙時代になって、話もスケールアップしたのだ。もうひとつは、ナメゴンそのものはヌシではないこと。この場合、劇中に一度も姿を現さない宇宙人こそがヌシで、ナメゴンはミサキ(神の使い)の立ち位置にある。
――――
単行本p.219

 文学作品に登場するヌシ、未確認動物UMAとして語られるヌシ、怪獣や宇宙人の姿をかりて人類に警告を与えるヌシ。古くから神話伝承のなかで語られてきたヌシは、今も様々な形で新たに語り継がれているのだ。





nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:

『オカルトの美術 現代の神秘にまつわるヴィジュアル資料集』(S.エリザベス:著、井上舞:翻訳) [読書(オカルト)]

――――
「最古の魔術は『芸術』と称されることも多い」とオカルティストで儀式的魔術師でもある作家アラン・ムーアは述べている。「魔術と同様、芸術はシンボルや言葉、イメージを操り、意識に変化をもたらす技法なのだ」
 そうであるならば、芸術の創作は、魔術的行為にほかならない。
――――
単行本p.7


 隠された智恵、万物の根源、超越的存在。世界の真理を探究する営為はまた、つねに芸術と共にあった。オカルティズムの様々なテーマ(占星術、錬金術、魔術、カバラ、神智学、神秘主義、魔女、心霊主義など)をもとに創作された様々な作品を集め、芸術的インスピレーションの源としてのオカルト文化を視覚的に明らかにする一冊。単行本(青幻舎)出版は2021年3月です。


――――
 各章では、神秘の芸術を鮮やかに、そしてわかりやすく紹介するとともに、ビジュアル面でも楽しめるよう、霊的信仰や魔術の技法、神話や幻想的な体験から触発され創造された作品を選りすぐり掲載している。本書で目にするイメージや情報が、有名無名の芸術家や作品を網羅し、飽くなきインスピレーションの源となって、読者の皆さんの好奇心をかき立て、感覚を呼び覚まし、自分なりの実践を始めるきっかけになることを願っている。
――――
単行本p.10


〔目次〕

第1章 宇宙
I 真の形:アートに見る神聖幾何学
II 星を見上げる:アートに描かれた占星術と十二宮
III 元素のイメージとインスピレーション
IV 錬金術と芸術の精神

第2章 神
V 神聖と不死の存在 芸術に見る神の表現
VI 芸術の源泉としてのカバラ
VII アートに表れた神智学の思想
VIII 神秘主義の伝統と芸術

第3章 実践者
IX 霊薬、迫害、力:芸術に見る魔女とその魔力
X 心霊芸術と心霊主義
XI ひらめきと神聖なるインスピレーションの象徴:芸術のなかの占い
XII 儀式の魔術:芸術の精神を呼び覚ますもの




第1章 宇宙
――――
 かつて占星術師や錬金術師たちは、観察や実験、理論を通して宇宙を探ろうとしたが、それはこの世界を理解しようとする芸術家たちも同じだった。星座や黄道にあこがれ、人生の変化や運命、宿命を定める大いなる宇宙の内にあるこの世界に魅了され、ごく小さな原子から膨大な銀河まで、あらゆるものに隠されたパターンや霊的な真理を追求してきた。(中略)続く章では、錬金術、神聖幾何学、元素や黄道など、太古の昔から変遷を続けてきたさまざまな概念や、カール・セーガンがいうところの「偉大な謎」に博識の学者たちがいかに迫り、分析し、理解を試みてきたのか、その「思考」を見ていく。
――――
単行本p.15

 この世界はどのように作られているのか。幾何学に秘められた神秘、占星術、第五元素、錬金術などをテーマとする芸術作品を紹介してゆきます。


第2章 神
――――
 カバラの奥義や、神秘学の概念や体系を受け継ぐ学問、神智学の英知や教義といったものはすべて、これらの問いへの答えを見出そうとする試みなのだ。そしてその傍らには芸術家たちがいて、深遠なる思想の領域に刺激を受け、神秘の伝統を通して見たものを視覚的な形で表現してきたのである。
――――
単行本p.88

 隠された真理を明らかにしたいという情熱。不死なる者、カバラ、神智学、神秘主義をテーマとする芸術作品を紹介してゆきます。


第3章 実践者
――――
 それを見たいと願う者にとって、魔術の歴史や超自然の哲学に隠された暗号を解く鍵は、さまざまな芸術作品の中に描かれた、神秘の技を実践しようと試みる謎めいた姿に見出すことができる。儀式を行い、事物を変化させ、真理と意味を見抜き、創造という道、あるいは行為に踏み出そうとする預言者、幻視者、魔女、魔術師、心霊術者、霊媒師たちの姿や、盛儀に式典、彼らの手にする道具といったものは、何世紀にもわたって、芸術家たち――同じ哲学を研究し、実践しようとする学者や実践者のこともある――にインスピレーションと影響を与えてきた。
――――
単行本p.158

 真理を知るだけでなくその知識と技を用いて超自然的な結果を得ようとする試みは、芸術家が作品を創造するのと似たものがある。魔術、占い、儀式、魔女、霊媒をテーマとする芸術作品を紹介してゆきます。





nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:

『トリックといかさま図鑑 奇術・心霊・超能力・錯誤の歴史』(マシュー・L・トンプキンス、定木大介:翻訳) [読書(オカルト)]

――――
 これまでに多くのマジシャンが、霊能力や超能力者を自称する人々の正体を暴くことにプロとしての充足を感じてきた。いかさま師たちはマジシャンと同じように仕掛けとミスディレクションを利用していながら、自分たちの芸をイリュージョンとは認めず、磁場や霊魂や超能力(ESP)に由来する力のなせるわざだといいつのる。そういう出まかせを暴くために、手の込んだ捏造や詐術が使われたこともあったのは、逆説的というほかない。
――――
単行本p.15


 奇術(マジック)と霊媒、超能力、実験心理学。その長く錯綜した関わり合いの歴史を大量の写真やイラストとともに解説する一冊。単行本(日経ナショナルジオグラフィック社)出版は2020年10月です。


 降霊会の場で「心霊現象」を起こす霊媒、その仕掛けを暴露すべく策略をめぐらす奇術師。執着、対立、相互利用。19世紀からそういった切っても切れない関係を続けてきた奇術とオカルトの長い歴史を様々なビジュアルを使って解説。マジックショーのポスター、降霊術の様子を撮影した写真、様々な奇術用道具、トリックの図解など、めくっているだけでも楽しめます。


――――
 現代の研究者たちは、健康な人間の知覚と記憶と認識に潜むさまざまな偏りが、真にせまったゆるぎないイリュージョンをもたらす仕組みを日々実証している。多くの場合、私たちの心がどのようにしてイリュージョンを生み出せるかという科学的な説明の不思議さは、超自然的な説明とあまり変わらない。
――――
単行本p.15


〔目次〕

第1幕 初期の催眠術と心霊現象
第2幕 マジックの巨匠たち
第3幕 心霊研究家
第4幕 超心理学者
第5幕 錯覚の心理学




第1幕 初期の催眠術と心霊現象
――――
 1848年にフォックス姉妹が世に出たことが、アンドリュー・ジャクソン・デービス予言するところの霊的な大躍進であったかどうかは議論が分かれるところだが、時流に乗ってひと儲けしようともくろむ詐欺師やぺてん師にとって、当時大きなチャンスが存在したことは間違いない。さらに、物理的な現象や実演は心霊主義の1つの側面に過ぎなかった。実演可能な宗教的奇跡というアイデアが、欺瞞や自己欺瞞、詐欺や捏造の温床になったことに議論の余地はない。当時はそのいずれもが、もっと大きく複雑な社会文化的潮流の一部だった。
――――
単行本p.49

 メスメリズムから催眠術へ。心霊主義(スピリチュアリズム)の興隆、降霊会で起きる様々な現象。19世紀後半、目の前で起きる超常現象という神秘に惹きつけられた人々の歴史が語られます。




第2幕 マジックの巨匠たち
――――
 ドイルとフーディーニの関係は、霊媒とマジシャンを隔てる境界がロベール=ウーダンのいうほど明確でないということを、よく表している。実際、霊能者と霊能者の欺瞞を暴く者との境界はあえて曖昧にされることが多かった。
――――
単行本p.103

 偉大な奇術師たちの歴史。そのなかには霊媒のトリックを暴くことに注力した者や、さらにその挙げ句に自身が霊能者としてデビューした奇術師者さえいました。両者の境界がしばしば曖昧で流動的だったことを解説します。




第3幕 心霊研究家
――――
 心霊主義者とマジシャンの対立が続く中、科学者たちは、霊の出現やアポート(引き寄せ)などの物理現象加え、テレパシー(思考伝達)や死後生存の可能性などの問題を客観的に調査するための方法論を確立しようとした。心霊主義的な、あるいは超常的な問題に直面した科学者たちは、良識的な懐疑主義の旗を掲げて共同戦線を張ると思いきや、仲たがいして喧嘩別れすることが多かった。物理世界の観測に長けた科学者も、人間相手の実験となると種々の問題にうまく対処できなかったのだ。
――――
単行本p.108

 ここで科学者たちが登場。心霊現象を科学的に解明しようとする彼らの努力は、奇術師と霊能力者に翻弄され、混乱し、内輪もめに終始することが多かったのです。それはなぜでしょうか。




第4幕 超心理学者
――――
 方法論的な課題やあからさまなぺてんが超常現象の研究を惑乱する状況は、20世紀に入っても変わらなかった。詐欺の告発が絶えなかったことで、初期の霊媒が行ったラップ音やエクトプラズム、石盤書記といったこけおどしは信用されなくなったが、それによって生じた隙間を、新しい現象、といって悪ければ、新しいレッテルが埋めていった。すなわち、超感覚的知覚(ESP)、遠隔視、サイコキネシス(念力)などである。
――――
単行本p.167

 20世紀に入ると、霊媒は超能力者と名前を変え、心霊研究も超心理学となり、ESP研究の方法論は次第に洗練されたものになってゆきました。しかし、それでも超常現象の解明には手が届かなかったのです。




第5幕 錯覚の心理学
――――
 実験心理学は現在、「マジックを科学する」ことにおいて、いわばルネサンスの真っただ中にある。2000年以降、マジックをテーマにした実験科学の論文の総数は、それ以前に発表されたすべての実験研究論文の4倍を超える。(中略)今日、見て、考え、記憶する仕組みを探る新たな手法を開発しようとする人々の、マジックのトリックに対する関心は募る一方だ。それこそ世界中の教室、研究室、学術会議でマジックのトリックが活用されているし、査読付き科学論文の主題にされることも増えてきている。
――――
単行本p.208

 21世紀になると、実験心理学が飛躍的に発展してゆきました。何世代にも渡って奇術師たちが蓄積してきた知識を使って、人間の知覚や記憶には驚くべき偏りがあること、判断や記憶は簡単に操作できること、などが次々と立証されてゆきました。すべての超常現象がこのような実験心理学の成果により説明される日が来るのでしょうか。





nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:

『魔法 その歴史と正体』(カート・セリグマン、平田寛・澤井繁男:翻訳) [読書(オカルト)]

――――
 この本の目的は、一般の読者に、西洋文明世界における魔術的な思想と作用とを簡潔に説明することにある。(中略)
 魔術は、主として二つの違った方法で取り扱われてきた。学者たちの専門的な著作は、特殊なタイプ、方面、時代にかぎられており、一般には学術的な読者のために書かれている。ところが一方、党派心のある隠秘論者たちが、真実を特殊な枠にはめこんで狭い体系にねじ曲げるだけで、ほとんど事実にもとづかない考えを解説した、どうかと思われるような出版物が無数にある。ただ少数の著者だけが、魔術に関して一般的読者のために書いている。そして本書は、この最後の部類のものであることがわかっていただけるであろう。
――――
単行本p.5


 古代メソポタミア文明から中世を経て18世紀欧州まで、西洋世界における魔術やオカルトに関する思想史を解説した名著の復刻版。単行本(平凡社)出版は2021年1月、Kindle版配信は2021年1月です。

 1948年に出版されて以来、一般読者向け魔術史書の決定版として広く読み継がれてきた名著です。日本でも1961年に平凡社より世界教養全集の一冊として翻訳されその後のオカルトブームを盛り上げ、1991年には人文書院より完訳版が出版、そして今回、2021年に改めて平凡社から出版された復刻版、それが本書です。

 魔術、魔法、呪術、悪魔、魔女、占い、占星術、錬金術、吸血鬼、怪人、秘密結社、……。驚くほど幅広い話題を簡潔に解説してくれます。それぞれの話題について一般読者にとって必要十分な情報が書かれており、特にオカルトやホラーの文脈で言及されることが多い用語、固有名詞、人名についてもれなく取り上げられているところが嬉しい。200点をこえる図版が収録されており、ページをめくるだけで高揚します。

 700ページ近い大作ですが、むしろこれだけ広い話題についてよくこのページ数にまとめたなあと感心します。世に出回っている西洋魔術解説書の多くが本書をベースにしており、また小説・コミック・アニメなどの娯楽作品に登場する印象的なネーミングや設定の元ネタもだいたい本書で解説されています。そういう意味で、特に西洋魔術史に興味がなくとも、基礎教養として読んでおきたい一冊です。


〔目次〕

メソポタミア
ペルシア
ヘブライ
エジプト
ギリシア
グノーシス説
ローマ帝国
錬金術
中世
悪魔
魔法
悪魔の儀式
七人の肖像
カバラ(ユダヤ教の神秘説)
魔術
改革者たち
一八世紀





nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:

『超能力事件クロニクル』(ASIOS) [読書(オカルト)]

秋山眞人氏インタビューより
――――

――秋山さんは超能力者としてデビューしましたが、宇宙人とのコンタクティーでもあるという立場をほとんど出してこなかったのは、なぜなんですか?

 出したくなかったんです。だって、僕が最初に会った宇宙人ってどこから来ましたかって聞いたら水星から来ましたって言ったんですから。だから出したくないですよ。(中略)


――ASIOSも私(皆神)も超常現象の敵のようによく言われますけど、別に敵のつもりはないんです。確かに信じてはいないかもしれないけど、超常現象は本当に大好きです。(中略)

 僕もこうやって反対の立場の人たちとも対話しようとするから、能力者側からは、よく裏切り者って言われますよ。

――――
単行本p.214、215


 おなじみASIOS(Association for Skeptical Investigation of Supernatural : 超常現象の懐疑的調査のための会)のオカルト謎解き本。その最新刊は、主要な超能力者や予言者について年代ごとにまとめて紹介してくれる、『UFO事件クロニクル』『UMA事件クロニクル』のシリーズ第三弾です。単行本(彩図社)出版は2020年11月。

 これまでのシリーズ紹介はこちら。


2018年07月24日の日記
『UMA事件クロニクル』
https://babahide.blog.ss-blog.jp/2018-07-24


2017年09月07日の日記
『UFO事件クロニクル』
https://babahide.blog.ss-blog.jp/2017-09-07


 有名どころの超能力者や予言者はもちろん、外気功やニューエイジや神秘思想や新興宗教教祖など多彩な人物が取り上げられています。目次は以下の通り。


第1章 1940年代以前の超能力事件
(長南年恵ー女生神、御船千鶴子ー伝説の千里眼、ほか)

第2章 1950、60年代の超能力事件
(L.ロン・ハバードーサイエントロジーの創設者、ブルーノ・グレーニングー奇跡のヒーラー、ほか)

第3章 1970年代の超能力事件
(ニーナ・クラギーナー最強のサイコキネシス、ユリ・ゲラーー不世出の超能力者、ほか)

第4章 1980、90年代の超能力事件
(桐山靖雄ー阿含宗の開祖、外気功ー中国からやってきた神秘の力、ほか)

第5章 2000年代の超能力事件
(ジョー・マクモニーグルー最強の千里眼、ナターシャ・デムキナーX線の目を持つ少女、ほか)


より詳細な目次と内容についてはASIOSのwebページを参照してください。
https://asios.org/psi_chronicle





タグ:ASIOS
nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:
前の5件 | - 読書(オカルト) ブログトップ