SSブログ
ダンス ブログトップ
前の5件 | -

『Free as a Bird』(構成・振付:近藤良平、コンドルズ) [ダンス]

 2021年6月6日は、夫婦で彩の国さいたま芸術劇場に行って、近藤良平ひきいる大人気ダンスカンパニー「コンドルズ」の新作公演を鑑賞しました。毎年、この時期になるとさいたま芸術劇場にやってくる恒例の「毎年初夏の楽しみな行事」(彩の国さいたま芸術劇場プロデューサー談)コンドルズさいたま公演。昨年は新型コロナ禍で中止となったため、二年ぶりのライブ公演ということになります。さいたま芸術劇場大ホールの客席に座って、さあこれからコンドルズの公演、と思っただけですでに感涙。なお上演時間は105分です。

 2017年5月の公演『17's MAP』では、冒頭シーケンスのオチに「文部科学大臣賞受賞おめでとう!」ネタを持ってきたので、今回もたぶんやるよねやるよねと期待していたのですが、やっぱり「次期芸術監督就任おめでとう!」ネタで会場を沸かせました。昔からコンドルズさいたま芸術劇場公演ではご当地ネタが出るというのが伝統なのですが、かつて「芸術監督の蜷川さん、一度くらい僕たちの公演を見にきてください!」という絶叫で笑わせていた頃から思えばずいぶん遠くに来たものだなあと。

 今回は舞台美術が特に素晴らしく、白一色に塗りつぶされた無個性な都市風景(信号機、電柱、郵便ポスト、自転車など)が舞台上に広がります。そこで色々とやらかすわけですが、最後にそこに大きな木と無数の鳥たちが舞い降りてくるシーンの美しさ、と同時に完成した光景が懐かしいLPレコードのジャケットにありがちな絵になるというあたり、感動が止まりません。

 いつもの通りショートコント、影絵芝居、人形劇(今回は焼き鳥)、脱力演劇、カッコイイダンスシーンを織り交ぜ、105分を疾走します。個人的には「木!」に爆笑。振付は全体的にシンプルになっているようで、バリバリ踊る若手とそうでもない古参のバランスをとる狙いがあるのでは、などど感じられました。

 近藤さんのソロはとにかく感動的。しびれます。ユーミンで踊る近藤良平を見よ。

 というわけで、毎回確実に楽しめる、期待を裏切らない安心感のさいたまコンドルズ公演。来年も楽しみです。





タグ:近藤良平
nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:演劇

『「春」変奏曲 宮沢賢治』(勅使川原三郎、佐東利穂子) [ダンス]

――――
陽が照って鳥が啼き
あちこちの楢の林も、
けむるとき
ぎちぎちと鳴る 汚ない掌を、
おれはこれからもつことになる
――――
春と修羅 第三集より『春』(宮沢賢治)


 2021年4月18日は、夫婦でKARAS APPARATUSに行って勅使川原三郎さんの公演を鑑賞しました。勅使川原三郎さんと佐東利穂子さんが踊る上演時間一時間ほどの作品です。

 佐東利穂子さんによる宮沢賢治の詩集『春と修羅』の朗読(録音)が流れるなか、二人が交互に踊ります。テーマは「春」ですが、のどかな雰囲気はなく、激しい春の嵐の気配がずっと漂う舞台です。

 ときおり背後に映し出される雲のような春霞のような光が印象的で、薄暗いなか照明によりおぼろげな姿が浮かび上がる光景にはどこか圧倒的なものが感じられます。

 憤激を抑えてじっと立ち尽くしているような勅使川原三郎さんの身体の繊細な動き。いっぽう佐東利穂子さんは、おそらく妹のイメージなのでしょうが、明るく軽やかな動きで踊ってくれました。


――――
まことのことばはうしなはれ
雲はちぎれてそらをとぶ
ああかがやきの四月の底を
はぎしり燃えてゆききする
おれはひとりの修羅なのだ
――――
『春と修羅』(宮沢賢治)より





nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:演劇

『フローラ 花、そして花』(勅使川原三郎、佐東利穂子) [ダンス]

 2021年3月26日は、夫婦でKARAS APPARATUSに行って勅使川原三郎さんの公演を鑑賞しました。勅使川原三郎さんと佐東利穂子さんが踊る上演時間一時間ほどの作品です。

 二人のうちどちらが踊るかは日によって違うそうで、私たちが鑑賞した日は二人のデュエットでした。

 舞台背景、客席から向かって右の壁面、そして床に、ぼんやりとした花のイメージが投影されます。床にはときおり明るい光の環が現れ、それがダンサー交代や舞台上の雰囲気が転換したりする前ぶりになっているようです。

 照明と衣装は全体的に静寂な夜のイメージが強く、月の光に照らされた花、を連想させます。前半は勅使川原三郎さんが踊り、後半は佐東利穂子さんがメインでした。静かな、人の気配を感じさせない、人と無縁な美しい光景をずっと見ているような気持ちになります。

 佐東利穂子さんが激しい音楽(ロック曲の導入部を切り出し多重録音で重ね合わせミニマル音楽のようにしたと思しきもの)にあわせて何度も何度も旋回する強烈なダンスシーンがあり、その後にやってくる静かな終焉(しおれ枯れてしまう)との対比がすごく印象的でした。





nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:演劇

さいたまダンス・ラボラトリVol.3公演『明日を探る身体』(小尻健太、湯浅永麻) [ダンス]

 2021年3月21日は、夫婦で彩の国さいたま芸術劇場に行って公演を鑑賞しました。さいたまダンス・ラボラトリVol.3の参加者が、小尻健太さんと湯浅永麻さんの指導とともに制作したワークショップ成果発表公演です。


〔プログラム〕

イリ・キリアン『27'52"』より抜粋
振付: イリ・キリアン
音楽: ディルク・ハウブリッヒ
指導: 小尻健太、湯浅永麻

『シェヘラザーズ』
演出振付: 湯浅永麻
出演: さいたまダンス・ラボラトリVol.3受講生11名

『Wild flowers』
振付演出: 柿崎麻莉子
出演: 飯森沙百合、栗朱音、小暮香帆、鈴木春香
音楽: 豊田奈千甫

『あはい』
振付演出: 小尻健太
音楽: 森永泰弘
出演: さいたまダンス・ラボラトリVol.3受講生12名

『わたしは幾つものナラティヴのバトルフィールド』
テキスト・演出: 岡田利規
出演: 湯浅永麻


 開場したときには、舞台上では参加者たちによるキリアン『27'52"』のリハーサルが進んでいます。小尻健太さんと湯浅永麻さんの指導のもとに参加者たちの動きが調整されてゆく過程をそのまま観客に見せるという試みですが、これが非常に面白かった。こういう風に指導するんだ、助言ひとつでこんな感じで動きが変わるものなんだ、など新鮮な驚きがあります。

 湯浅永麻『シェヘラザーズ』、小尻健太『あはい』とも見応えのある作品でしたが、個人的には柿崎麻莉子さんの『Wild flowers』が好きです。もう一度観たい作品。

 『わたしは幾つものナラティヴのバトルフィールド』は湯浅永麻さんがしゃべりながら踊る作品ですが、セリフの内容(あるいはその欠如)がいかにもチェルフィッチュだなあという感じで、それと呼応しているようなしてないような凄い動きがセリフのくだけた感じとは裏腹にどんどん出てくる様には、正直あっけにとられました。

 参加者たちはみんなプロ、セミプロのダンサーなので、公演全体のレベルは高く、ワークショップの成果発表会というよりは新作ガラ公演として楽しめました。





nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:演劇

『サティ 退屈と孤独と真空の呼吸』(勅使川原三郎、佐東利穂子) [ダンス]

 2021年3月12日は、夫婦でKARAS APPARATUSに行って勅使川原三郎さんの公演を鑑賞しました。エリック・サティのピアノ曲を背景に勅使川原三郎さんや佐東利穂子さんが踊る上演時間一時間ほどの作品です。

 二人のうちどちらが踊るかは日によって違い、全8日間の公演のうち最初の4日間は勅使川原さんのソロ、後半の4日間のうち3日間は佐東さんのソロ、最終日は二人のデュエットとのことです。私たちが鑑賞した日は佐東さんのソロでした。

 サティの楽曲はどうもとらえどころがないというか、おしゃれで軽快な音楽なのか、虚無的で諦念ベースの音楽なのか、よく分からないところがあります。まるで日常生活のようです。ダンスという身体の動きでこれらの楽曲を演奏しているのを観ると、そういう感じがいっそう強まります。

 暗闇のなか小さな照明が静かに床を照らしている光景がテーマのようにくり返され、照明領域と照明領域の境界線上で佐東利穂子さんが踊る。おそらく勅使川原三郎さんが自身で踊ることを想定して振り付けた動きを佐東利穂子さんが自分のものとして踊っています。

 宙を突くような激しい動き、ゆったりと水をかき混ぜるような動き、ゆるやかな腕のあの動き。様々な動きが観られて嬉しい。動きの印象と楽曲の印象が必ずしも合致しないところがいかにもサティらしくて面白い。

 実は最終日のデュエットも観たかったのですが、残念ながら都合も合わず体調も思わしくなく、断念しました。





nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:演劇
前の5件 | - ダンス ブログトップ