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『KOMA'』(瀬山亜津咲:振付演出、さいたまゴールド・シアター) [ダンス]

 2014年8月30日は、夫婦で彩の国さいたま芸術劇場に行って、ヴッパタール舞踊団の瀬山亜津咲さんの新作公演を鑑賞しました。

 さいたまゴールド・シアターのメンバー(平均年齢75歳)のうち、ヴッパタール舞踊団の瀬山亜津咲さんによるワークショップに参加した20名が、いわゆるタンツテアターに挑戦します。公演時間は90分。

 一人一人の出演者が、自分の人生経験を身体の動きで表現してゆきます。地団駄を踏んだり、途方に暮れたり、怒ったり泣いたり、床を四つんばいになって何かを探したり、箱を積み重ねた不安定な足場をぎこちなく昇ったり、目を閉じたままそろそろと歩いたり。あと、二人が互いに背を向け相手が見えないまま「あ・うん」の呼吸で発声するシーンとか。

 ピナ・バウシュの『コンタクトホーフ KONTAKTHOF』(高齢者バージョン)を連想させますが、何と言っても出演者との文化的近さのおかげで、それぞれの人生経験がストレートに伝わってくるところが感動的。

 もちろん年齢にしては驚異的な身体コントロールではあるのですが、身体能力の衰えや、思うように動けないもどかしさ、といったものにも強い共感を覚えます。というか、観ている自分の身体感覚も共鳴して、ざわざわしてきます。

 瀬山亜津咲さんは録音だけの出演(ちなみに"stop"の声がかわいい)。なお、終演後にワークショップの様子の記録が「ボーナス映像」的に上映されました。ピナから受け継がれたのであろうワークショップメソッドに興味があるのか、ものすごく真剣に観ている人も。

[キャスト]

演出・振付: 瀬山亜津咲
出演: 石川佳代、上村正子、北澤雅章、佐藤禮子、田内一子、髙橋清、澤多江、たくしまけい、竹居正武、谷川美枝、田村律子、都村敏子、寺村耀子、遠山陽一、林田惠子、百元夏繪、益田ひろ子、美坂公子、宮田道代、渡邉杏奴


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