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『BABEL (words)』(シディ・ラルビ・シェルカウイ、ダミアン・ジャレ、アントニー・ゴームリー) [ダンス]

 2014年8月31日は、夫婦で東京シアターオーブに行って、シェルカウイの公演を鑑賞しました。多国籍・多言語のダンサー13名と、ミュージシャン5名による105分の舞台です。

 舞台上には、五つの直方体金属フレームワークが置いてあります。形や大きさは異なりますが、最小のものでもダンサーが何人も中に入って踊れるほどの巨大さ。

 アントニー・ゴームリーがデザインしたというこの五つの巨大フレームは、舞台上で様々に組み合わされ、バベルの塔、美術館、ボクシングリンク、空港の出国審査ゲート、洗濯物干しなど、様々なものに見立てられます。他の大道具や映像はなく、舞台は比較的シンプルな印象を与えてくれます。

 発話も大胆に取り入れた振付はエキサイティングで、次に何が起きるかどんな動きが飛び出るか予想できず、最後まで観客の注意を引きつけます。存在しない壁面を殴打する(打撃音は打楽器が担当)などユーモラスなマイムも多用。

 しかし個人的に好きなシーンは群舞で、例えばみんなでフレームを担ぎながら舞台上をぐるぐる走り回るお祭り演出は、音楽も含めて、いつまでも続いてほしい楽しさ。強烈なパーカッションに乗せて全員が踊る冒頭シーン、コマ送り国際紛争(全員がゆっくりゆっくり乱闘する)など、13名のダンサー達が入り乱れて同時多発的かつ各人各様に何やらやっているシーンの振付は、びっくりするほど面白い。

 各国の様々な伝統音楽を取り入れたと思しき音楽がまた素晴らしく、ダンスと見事に調和して、舞台を盛り上げてくれました。シェルカウイの作品は、とにかくスケールが大きくて、何というか、メジャー感が凄い。

[キャスト]

振付: シディ・ラルビ・シェルカウイ、ダミアン・ジャレ
舞台装置デザイン: アントニー・ゴームリー
出演: モハメド ‘ベン・フューリー’ ベナジ、ナヴァラ・チャウダリ、サンドラ・デルガディオ、フランシス・ドゥシャルム、ライフ・フィデリコ・フィルンハーバー、ダミアン・フルニエ、上月一臣、エイリアス・ラザリディズ、パイア・リーチ、クリスティーン・ルブートゥ、モハメド・トウカブリ、マヨン・ヴァン・デル・ショット、ダリル・E.ウッズ


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