SSブログ

『使い分けるパソコン術  タブレット、スマートフォンからクラウドまで』(たくき よしみつ) [読書(教養)]

 タブレットPC、ネットブック、スマートフォン、クラウドサービス、SNS。次から次へと登場する新しいデバイスやサービス。使いこなし以前に何が何だか分からなくなって疲れてしまった方のために「こういう人にはこのデバイス/サービスは不要」と言い切ってくれる指南本。ブルーバックス新書(講談社)出版は2011年09月です。

 雑誌を読んでもネットを見ても、このデバイスは買いだ、このサービスはこう活用せよ、みたいな情報ばかりで、困ったりうんざりしたりしている方のため、デバイスやサービスの選び方、もっとはっきり言えば「自分には不要だと割り切る」ための考え方を説明してくれる指南本です。

 第1章では、iPadをはじめとするタブレットあるいはスレートは「誰にとって不要か」を解説します。「iPadで誰もががっかりさせられる点 -こんなこともできないの?」という見出しで、何が出来ないか、どういう人には向いてないか、ということが解説されています。

 第2章では、タブレットとネットブックのどちらを選ぶか、という話題。タブレットとネットブックを比較して、こういう人はタブレットではなくネットブックを選んだ方がいい、ということを指摘してくれます。

 第3章では、スマートフォンの話題。「本当に必要としている人がどれだけいるのか?」という見出しで、携帯電話とタブレットを持つのとスマホだけにするのではどちらが良いかという議論から、iPhoneとアンドロイドはそれぞれどんな人に向いているか、といった議論まで。

 第4章はレンタルサーバとクラウドサービスをどう使い分けるか、第5章はブログ/フェイスブック/ミクシィ/ツィッターをどう使い分けるか。それぞれのサービスの特性と、何に向いているのかを具体的に解説します。

 著者は福島県川内村に住んでおり、自宅は福島第一原発から25Km圏内。ツィッターから情報を集めつつ避難し、あちこちに離散した知人とはミクシィで連絡をとりあって、といった生々しい体験談を元に解説されており、迫力があります。

 良くも悪くも著者の事情や私見が前面に出されているため、内容そのものは役に立たない読者も多いかも知れません。しかし、デバイスやサービスとつきあってゆくための自分なりの方針を考える上で、参考になると思います。

 そもそも、デバイスやサービスは「自分が楽をするため」、「自分が幸せになるため」に存在するものですが、ややもすれば「使いこなすこと」それ自体が目的化して、そのために忙しくなったりイライラしたり時間を無駄にしたり、といった悲しいことになりがち。

 「自分にとってこのデバイス/サービスは不要」と割り切って、あえて無視するという姿勢も大切ではないかと考えさせられました。


nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ: