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『光文社古典新訳文庫 駒井稔編集長が熱く推奨する「今こそ読まれるべき古典」79冊』(光文社古典新訳文庫編集部) [読書(教養)]

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世界文学全集や思想書の全集とは違う「21世紀の新・教養主義」の確立がわたしたちの目標です。今こそ読まれるべき古典作品は何かということを、編集部が考え続けてきた結果がここにあります。
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Kindle版No.6

 創刊から9年。すでに200冊をこえる古典新訳を刊行してきた光文社古典新訳文庫から、編集長自ら厳選した「今読むべき79冊」を紹介するカタログ(無料)。Kindle版配信は2015年4月です。


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残念ながら文学といえば「衰退」の一語で片づけられてしまう風潮があるのは確かです。しかし実際には、現在進行形で目を見張るような変化を遂げつつあるのです。
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Kindle版No.805


 幼い頃、書店のカウンターに置いてある「文庫総目録」を手に入れるのが楽しみでした。各出版社が、自社が出している文庫本について、それぞれ「あらすじ」や「内容紹介」を書いたリストをぎっしり詰め込んだ、無料のカタログです。

 子どもの小遣いでは到底買えない大量の文庫本。その一冊一冊についての内容紹介そのものが楽しく、勝手にストーリーを想像して妄想に耽ったり。特にハヤカワ文庫と創元推理文庫の文庫総目録は、まさに宝でしたね。何度も何度も読み返したものです。

 本書は、あの頃の気持ちがふつふつと蘇ってくるような「光文社古典新訳文庫」の内容紹介カタログです。編集長が選んだ一冊一冊について、内容紹介、新訳では何が新しくなったのか、なぜ今読むべきなのか、などを熱く語ります。


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翻訳家の皆さんにお願いしているのは、手加減のない文章で、ということです。
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Kindle版No.225

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人生は短い。だからこそ、長編小説を読むのです。
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Kindle版No.578

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日本の読者にほとんど読まれていないことが本当に惜しい。読了後に人間観がまるで変わってしまう小説なんてそうざらにはありません。
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Kindle版No.697

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世界文学とは、もはや読むべき価値のある古典作品のリストではなく、言語の別を超えたまったく新しい文学のありようなのだ。
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Kindle版No.812


 というわけで、読み進めるうちに読書欲が高揚しまくる一冊。何しろ無料なので、とりあえずダウンロードしておくことをお勧めします。他の出版社からも、同じような「厳選お勧め文庫本カタログ(熱い推薦文付き)」が電子書籍で出ると嬉しいなあ。



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