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『ドラミング』(振付:アンヌ・テレサ・ドゥ・ケースマイケル、ローザス) [ダンス]

 2015年4月18日は、夫婦で東京芸術劇場プレイハウスに行って、アンヌ・テレサ・ドゥ・ケースマイケル率いる「ローザス」の来日公演を鑑賞しました。

 ローザスの代表作の一つ。スティーヴ・ライヒの『ドラミング』に合わせて12名の出演者たちが数学的なまでに精美に踊る60分の作品です。

 様々なパーカッションを経ながら、ひたすら続くリズム、そしてうねり。「いったん始まるとあとはひたすらその軌道をなぞる機械のような、もしくは変わることのない自然現象のような」とケースマイケルが評するライヒの『ドラミング』に乗せて、様々な動きが展開してゆきます。

 その精美な構成は、まるで数学魔術の域。ものの数分で意識が引っ張られ、目を離すことも、気を抜くことも、出来なくなります。リズムと動きの相乗効果で知覚が変になり、時間経過の感覚が失われ、ほとんど酩酊状態に。ついでに、目眩と耳鳴り、そして深い頭痛まで。

 個々の動きは単純に思えるのですが、それが不可思議な法則に沿って組み合わさることで、何らかの呪術が発動したような気分です。ダンスの底知れないパワーを実感して、感動するよりむしろ脅えを感じる体験。1時間の長丁場、あの身体詠唱のようなダンスを、意識を集中したまま正確に踊り続けて見せた若いダンサーたちにも感嘆です。


タグ:ローザス
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