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『ストロベリーフィールズ』(構成・振付:近藤良平、コンドルズ) [ダンス]

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2006年に彩の国さいたま芸術劇場初登場以来、回を重ねてこのたび9作目、初夏の風物詩として地域の皆様にも定着してきました。
(埼玉県芸術文化振興財団 理事長)
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 2014年5月31日は、夫婦で彩の国さいたま芸術劇場に行って、近藤良平率いる大人気ダンスカンパニー「コンドルズ」の新作公演を鑑賞しました。

 毎年、この時期になるとさいたま芸術劇場にやってくる恒例の、地域の皆様にも初夏の風物詩として親しまれているらしい、コンドルズさいたま公演です。

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「そして、今回も、蜷川さんは観てくれないでしょう!」(絶叫)
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 『君の瞳に恋してる』で始まり『ストロベリー・フィールズ・フォーエバー』で終わる、ダンス、寸劇、影絵、映像など、あらゆるネタを次々と放り投げては回収しないで次いってしまう勢いに乗った95分。

 シリアスかつ感傷的なシーンが多めになっているさいたま公演ですが、昨年の『ひまわり』に引き続き、今回も死をイメージさせるシーケンスが繰り返されます。

 最も印象的なのは舞台上に並べられた十字架。最初は学ランを着せた案山子に見えるそれが、やがて雨の墓場となり、最後は近藤良平さんが踊るなかゆっくり昇天してゆく。そして「天国的」なラストシーンへ。

 銃声や爆撃音を背景に「すべては幻、確かなものは何もない、ストロベリーフィールズよ永遠に」みたいなビートルズの歌詞に乗せて踊る鎮魂のソロダンスは、劇的かつ痛切で、じんわり感動します。もしかしたら痛烈な時事風刺ネタなのかも。

 同じシーンが観る人によって「人間打楽器」「大黒様」「ピナ・バウシュのオマージュ」「プレスリーのモノマネ」といった具合にまったく異なる印象を与えた、というエピソードを後で知って大いに感心したり。私は先日52年目にして解散したチャンバラトリオかと(違)。

 というわけで、今後もコンドルズさいたま公演を末永く続けてほしいと思います。初夏の風物詩として。


タグ:近藤良平
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