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『SFが読みたい! 2013年版』 [読書(SF)]

 さあ、昨年のベストSFが発表される時期がやってまいりました。「ベストSF2012 国内篇・海外篇」の発表です。 さっそく、自分が読んでいた作品数を数えてみました。興味がある方の参考になればと、既読作品については自分の日記へのリンクも張っておきます。

 まず国内篇ですが、ベスト20のうち以下の10冊を読んでいました。1位から8位まですべて読んでいた割に、11位以下は1冊しか読んでないというパターン。「巷で話題となっている作品だけ後追いで読む」という習性が露骨な結果となって出ています。

ベストSF国内篇第1位
  『屍者の帝国』(伊藤計劃×円城塔)
  2012年08月28日の日記参照
  http://babahide.blog.so-net.ne.jp/2012-08-28

ベストSF国内篇第2位
  『盤上の夜』(宮内悠介)
  2012年03月30日の日記参照
  http://babahide.blog.so-net.ne.jp/2012-03-30

ベストSF国内篇第3位
  『BEATLESS』(長谷敏司)
  2012年12月21日の日記参照
  http://babahide.blog.so-net.ne.jp/2012-12-21

ベストSF国内篇第4位
  『南極点のピアピア動画』(野尻抱介)
  2012年03月01日の日記参照
  http://babahide.blog.so-net.ne.jp/2012-03-01

ベストSF国内篇第5位
  『機龍警察 暗黒市場』(月村了衛)
  2012年09月25日の日記参照
  http://babahide.blog.so-net.ne.jp/2012-09-25

ベストSF国内篇第6位
  『Delivery』(八杉将司)
  2012年06月18日の日記参照
  http://babahide.blog.so-net.ne.jp/2012-06-18

ベストSF国内篇第7位
  『本にだって雄と雌があります』(小田雅久仁)
  2012年11月01日の日記参照
  http://babahide.blog.so-net.ne.jp/2012-11-01

ベストSF国内篇第8位
  『リリエンタールの末裔』(上田早夕里)
  2011年12月19日の日記参照
  http://babahide.blog.so-net.ne.jp/2011-12-19

ベストSF国内篇第10位
  『カラマーゾフの妹』(高野史緒)
  2012年10月24日の日記参照
  http://babahide.blog.so-net.ne.jp/2012-10-24

ベストSF国内篇第20位
  『リライト』(法条遥)
  2012年08月24日の日記参照
  http://babahide.blog.so-net.ne.jp/2012-08-24

 一方、海外篇は、ベスト20のうち読んでいたのは6冊だけ。昨年の7冊からさらにダウンしてしまいました。ミエヴィルもライアニエミもマクドナルドも読んでない。「ソローキンだけは読んどけ」という声が多いようなので、とりあえず『青い脂』は買いました。後は、どうしようかな。

ベストSF海外篇第2位
  『第六ポンプ』(パオロ・バチガルピ)
  2012年02月17日の日記参照
  http://babahide.blog.so-net.ne.jp/2012-02-17

ベストSF海外篇第5位
  『連環宇宙』(ロバート・チャールズ・ウィルスン)
  2012年06月01日の日記参照
  http://babahide.blog.so-net.ne.jp/2012-06-01

ベストSF海外篇第9位
  『アンドロイドの夢の羊』(ジョン・スコルジー)
  2012年10月12日の日記参照
  http://babahide.blog.so-net.ne.jp/2012-10-12

ベストSF海外篇第11位
  『フェッセンデンの宇宙』(エドモンド・ハミルトン)
  2012年10月18日の日記参照
  http://babahide.blog.so-net.ne.jp/2012-10-18

ベストSF海外篇第13位
  『冷たい方程式』(伊藤典夫:編訳)
  2011年11月17日の日記参照
  http://babahide.blog.so-net.ne.jp/2011-11-17

ベストSF海外篇第15位
  『シップブレイカー』(パオロ・バチガルピ)
  2012年08月29日の日記参照
  http://babahide.blog.so-net.ne.jp/2012-08-29


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『日本昔ばなしのダンス 近藤良平『モモタロウ』×伊藤千枝『わらしべ長者』』(珍しいキノコ舞踊団、コンドルズ) [ダンス]

 2013年02月11日(月)は、夫婦で彩の国さいたま芸術劇場に行って、シリーズ「日本昔ばなしのダンス」の新作を鑑賞しました。「珍しいキノコ舞踊団」と「コンドルズ」という、人気カンパニーが子供たちのために踊る公演です。

 「親子のためのダンス公演」ということで、客席には親子づれの姿が多いのですが、コンドルズあるいはキノコの新作公演を観に来ました、という客層もちらほら。

 開演前に、近藤良平さんと伊藤千枝さんが並んで客席の間を練り歩くパフォーマンス。2006年10月の第一回のときは近藤さんのトークに客席がしーんと静まり返り、伊藤千枝さんは終始無言無表情だった、という記憶があるのですが、今回は拍手喝采です。

 最初の演目は、伊藤千枝さん振付作品『わらしべ長者』。珍しいキノコ舞踊団の山田郷美さんと篠崎芽美さん、それに伊藤千枝さん自身が踊ります。上演時間30分ほど。

 最初から最後まで舞台に出ていた主演の山田郷美さんはとてもキュートでいいのですが、何といっても伊藤千枝さんによる「バナナの踊り喰い」のシーンが印象的で、後から思い出すのはそこばかり。ちなみに、前作『動物の○(どうぶつのえん)』では「天丼の踊り喰い」のシーンがあって、話題になりました。次回作にも変な方向で期待したいと思います。

 一方、近藤良平さん振付作品『モモタロウ』は、コンドルズの鎌倉道彦さん、藤田善宏さん、山本光二郎さん、それに近藤良平さん自身が踊る上演時間40分ほどの舞台なのですが、これがもう全く桃太郎じゃないのが潔い。

 コンドルズの三名が、鬼たちの平和で楽しい暮らしを延々と踊ります。鬼ネタのコンドルズ流ベタギャグも連発。子供たちには分からないギャグもどんどん出すのですが、親が大笑いすれば子供たちは問題ありません。コンドルズの公演そのものです。客席爆笑。

 途中で近藤良平さんのソロダンスが入りますが、このめっぽう早いテンポで全身を動かす高速ダンスはすごく気持ちよかった。

 最後は「珍しいキノコ舞踊団」と「コンドルズ」の共演というレアなものも観ることが出来たし、楽しい公演でした。子供たちもウケていて良かった良かった。

[キャスト]

『わらしべ長者』
振付: 伊藤千枝
出演: 山田郷美、篠崎芽美、伊藤千枝

『モモタロウ』
振付: 近藤良平
出演: 鎌倉道彦、藤田善宏、山本光二郎、近藤良平


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『兵士の物語』(演出・振付:中村恩恵) [ダンス]

 2013年02月10日(日)は、夫婦で神奈川県民ホールに行って、中村恩恵さんの新作を鑑賞しました。『アートダンスカナガワNo.9 兵士の物語』です。全二幕、休憩含めて2時間程度の公演です。

 音源として(ラジオドラマのような)ジャン・コクトー版『兵士の物語』が使われ、状況説明やセリフはもちろん全てフランス語です。まったく聞き取れないので、すべて声楽と割り切って、ダンスに意識集中。

 主演の首藤康之さんは、そのどこかのほほんとした人の良さそうな感じが、さんざん騙された挙げ句に欲かいて地獄に引きずり込まれてしまう妙に情けない兵士の役にぴったり。

 しかし、何といっても印象的なのは、ネズミ男、じゃなかった悪魔をいきいきと踊った小尻健太さん。実に素晴らしい。大仰な仕草で兵士を誘惑し、兵士の股の間をちゃかちゃかくぐり抜け、凄い跳躍をしたかと思うと、くるくる旋回して。ああ、これは人ではないなー。嬉しいなー。

 二幕後半には中村恩恵さん自身が王女役として踊りますが、これがまた超絶的。すっと前に手を伸ばして、一歩踏み出し、静かに重心移動するだけで、ぶわーっと感動が込み上げてくるレベル。繊細で、緻密で、端正で、風のようになめらかで、そして美しい動き。悪魔が創り出した幻影か、と。

[キャスト]

演出・振付:中村恩恵
出演: 首藤康之、小尻健太、渡辺レイ、後藤和雄、中村恩恵、他


タグ:中村恩恵
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『猫自慢展14』(坂田恵美子) [その他]

 地元、福生のエスニックカフェ「アルルカン」でやっている『猫自慢展14』。毎年、この時期に開催される、猫をモチーフとした作品展です。写真、金属細工、陶器、絵画、工芸、その他さまざまな作家による作品が展示されます。今年も知り合いの坂田恵美子さんの猫写真を見るために夫婦で行ってきました。

 午後遅くに到着して、坂田さんにご挨拶。年に一度、この展示会でしか会えないので(不義理して申し訳ありません)、近況など確認します。

 坂田さんの展示は、メイ(坂田さんの昔の飼猫)の若い頃の写真を中心に、猫手のクローズアップ写真や、夕日を眺めるジオット君の後ろ姿(坂田さん自作絵本『夕日を愛した猫』の表紙にも使われている写真)などを周囲に配置したもの。落ちついた雰囲気が素敵です。

 今回から新たに参加した「ねこ×はんこ攻防部(IKU)」さんの猫ハンコ(消しゴム印)、築瀬まり子さんのステンドグラスを用いたブローチ、坂田恵美子さんの絵葉書などを購入。三時間以上、色々とお話ししてから帰宅しました。

 「猫自慢展14」は3月24日(日)までやっています。地元の作家たちの手作り猫モチーフ作品に興味ある方は、機会を見つけて来店してみて下さい。

【猫自慢展14】
  http://www13.plala.or.jp/meipotti/osirase/sub10.html


タグ:坂田恵美子
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『疾走光』(一方井亜稀) [読書(小説・詩)]

 「真冬の路地/角を曲がった先にも光は注ぎ/それがミライだと/冷えた指先で/雪をなぞる」

 季節感を重くはらんでいるような風景を鋭く切り取る詩集。単行本(思潮社)出版は、2011年04月です。

 「川向こうの団地は/花粉の舞い上がる季節/犬の遠吠えさえ聞こえず/列を作る子供たち女たちは/予防接種に忙しい」
  (『就眠』より)

 「ちらほらと/ネオンがつき始めた街に/カレーの匂いが/低空飛行する」
  (『倦怠』より)

 「205の札である/ポストが広告を嚙んだままのドア/呼び鈴はない/磨りガラスの先は浴槽だ/人の気配はなく/壁のひびを蟻が伝ってゆく」
  (『フォトグラフ』より)

 風景や景色をよんだ作品が多いのですが、皮膚感覚でとらえた不思議な季節感が漂っています。ありそうな、なさそうな、設定や物語。何の背景情報もなしに、映画の一部のシーンだけを見せられたような印象が残ります。

 「重力から解き放たれる/という誘惑に駆られながら/指先に力を込める/唇を堅く結ぶ/擦れ違う人々は銘々に/同じポーズを取り続け/ネギボウズの揺れる岸辺は/生気のない夢幻さながら/茂みの奥から傍観する/カメラの目に怯えながら/とにかくここが近道なのだ/言い聞かせるように上昇してゆく」

 「振り返ればそれは/天へと続く梯子/そのものではなかったか」

  (『終着駅下車』より)

 地下鉄の駅から地上までエスカレーターで昇ってゆく。ただそれだけのシーンを、こんな風に書いてしまう。すごい。ネギボウズの揺れる岸辺、天へと続く梯子。

 いつも見慣れている風景、毎年やってくる季節、繰り返す日常が、どこか劇的で、何かの予兆をはらんだ不穏なものに感じられる、そんなひりひりする一瞬は誰にでも訪れると思うのですが、それを言葉でとらえるというのは並大抵のことではありません。

 「眠い 恐ろしく眠いこんな日に限って鼻孔をくすぐる風/致死量を超える微粒子/死の接線に触れている時だって(何故だろう)血液は巡っていて/道端の吸い殻は全て/踏みつぶして歩くように努めています/そんな日々は常に健康/であった/側溝に嵌まってもがいた猫の残骸が/ささやかな風に揺れている」
  (『就眠』より)


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