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『兵士の物語』(演出・振付:中村恩恵) [ダンス]

 2013年02月10日(日)は、夫婦で神奈川県民ホールに行って、中村恩恵さんの新作を鑑賞しました。『アートダンスカナガワNo.9 兵士の物語』です。全二幕、休憩含めて2時間程度の公演です。

 音源として(ラジオドラマのような)ジャン・コクトー版『兵士の物語』が使われ、状況説明やセリフはもちろん全てフランス語です。まったく聞き取れないので、すべて声楽と割り切って、ダンスに意識集中。

 主演の首藤康之さんは、そのどこかのほほんとした人の良さそうな感じが、さんざん騙された挙げ句に欲かいて地獄に引きずり込まれてしまう妙に情けない兵士の役にぴったり。

 しかし、何といっても印象的なのは、ネズミ男、じゃなかった悪魔をいきいきと踊った小尻健太さん。実に素晴らしい。大仰な仕草で兵士を誘惑し、兵士の股の間をちゃかちゃかくぐり抜け、凄い跳躍をしたかと思うと、くるくる旋回して。ああ、これは人ではないなー。嬉しいなー。

 二幕後半には中村恩恵さん自身が王女役として踊りますが、これがまた超絶的。すっと前に手を伸ばして、一歩踏み出し、静かに重心移動するだけで、ぶわーっと感動が込み上げてくるレベル。繊細で、緻密で、端正で、風のようになめらかで、そして美しい動き。悪魔が創り出した幻影か、と。

[キャスト]

演出・振付:中村恩恵
出演: 首藤康之、小尻健太、渡辺レイ、後藤和雄、中村恩恵、他


タグ:中村恩恵
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