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『しまっちゃうおじさんのこと』(いがらしみきお) [読書(小説・詩)]

 「すると、どこからかしまっちゃうおじさんが現れました。「さぁー、朝起きられない子はしまっちゃうよー。どんどんしまっちゃうからねー」
 しまっちゃうおじさんはそう言うと、ぼのぼのをどんどんしまおうとします。岩でできた小さな押し入れの中にしまわれてしまったぼのぼのは、悲しくて泣いてしまいました。」

 ぼのぼのの空想の中に唐突に現れてはどんどんしまっちゃう、謎のおじさん。しまっちゃうおじさんは本当にいるの? 「子供から大人までの「しまわれたくない人」へ」と書かれた素敵なぼのぼの絵本。単行本(竹書房)出版は2014年4月です。

 「いるわけないだろ! おまえの頭の中の空想にしか出てこないんだよ!」(アライグマくん)

 「何かしまってもらったら?」(シマリスくん)

 「さぁ、元気のない子はしまっちゃうよー。どんどんしまっちゃうからねー」(しまっちゃうおじさん)

 私のような『ぼのぼの』原作マンガ直撃世代は、ミスをやらかしたりすると「さぁー、仕事のできない子はどんどんしまっちゃうからねー」「もうダメだーっ」といった会話を自然にやっていたわけですが、それはもう何十年も前の話。まさか今の子供たち(あるいはその母親たち)に、しまっちゃうおじさんが大人気、というのは知りませんでした。TVアニメの力って凄いね。

 というわけで、しまっちゃうおじさん絵本であります。しまっちゃうおじさんに「つまづき石をしまってください。お願いします」と頼んだぼのぼの。果たしてしまっちゃうおじさんは、願いを聞き届けてくれるのでしょうか。……いや、それおじさんの担当じゃないし。

 いがらしみきおさんが描いているので、絵柄はもちろん原作通り。クレヨンで描いたような柔らかい色使いの絵本です。森の主要キャラクターが勢ぞろいする見開きページもあります。『ねないこだれだ』と一緒に、幼い子供に読み聞かせてあげたい絵本です。さあ、夜遅くまで寝ない子は、とんでっちゃうか、しまわれちゃうか、どっちかな。


タグ:絵本
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