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『わにくん』(ペーター・ニクル:著、ビネッテ・シュレーダー:絵、やがわすみこ:翻訳) [読書(小説・詩)]

 「せいてんの へきれきとは このことだ! なんと、ここは わにのためのみせ ではなかった。はるばる ナイルからやってきた わにには あまりにも むごいこと」

 花の都パリにあるという「わにのみせ」に向かうワニの冒険を描いた絵本。単行本(偕成社)出版は1980年1月です。

 ナイル河の川岸に寝そべっていた一匹のワニが、観光客の「まあ すてき、わにの みせに つれていきたいこと! さぞや いろいろ やくに たつでしょう」という称賛の声を聞いて、それはさぞや素晴らしい店なんだろうと思い、花の都パリに向かいます。

 ほのぼのした雰囲気の割に、何だか悪い予感がするので、子供はどきどきするはずです。でも大丈夫、心優しく美しいパリ娘のソフィーさんのおかげで、わにくん大型肉食爬虫類として大活躍、ハッピーエンドをつかみます。よかったですね。

 おしゃれで幻想的な背景と、妙にリアルで怖い(特に爬虫類の目が)わにくん。よく見ると風景も綺麗なのにちょっと不気味なところがあって、子供の心をぐっとつかむでしょう。様々な淡い色彩の中に置かれたわにくんの緑色が美しい絵本です。


タグ:絵本
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