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『ARCHITANZ 2014 3月公演』(ナチョ・ドゥアト振付作品、他) [ダンス]

 2014年3月21日は、夫婦で新国立劇場に行って、スタジオ・アーキタンツ企画による四本立てダンス公演を鑑賞しました。


『Boy Story』

 香港バレエ団の男性ダンサーたち六名が踊る、上演時間30分ほどの作品。

 舞台上に据えられたレッスンバーや二畳ほどの「住居」を中心に、若い頃から現在に至るまでの思い出を、香港の時代の流れと重ね合わせるように表現してゆきます。基本的に若さだだ漏れ青春まみれ。どこか滑稽で物悲しい動きが多く、また京劇衣装からビジネススーツまで、多彩な衣装も見どころ。けっこう気に入りました。

振付: ユーリ・ン
出演: 香港バレエ団


『The Second Symphony』

 シューマンの交響曲第2番(緩徐楽章、たしか第3楽章)のゆったりした曲調をバックに、男女ペア二組が踊る、上演時間20分ほどの作品。日本初演。

 音楽の流れをそのまま振付にしたようで、たいへん美しい作品。多用される様々なリフトが印象的です。リフトされている二人が空中で手をつなぎそのまま両組が旋回するなど意外に無茶をやったりして楽しい。ただ、個人的には、まるで古典バレエを観ているようで今ひとつわくわく感に乏しく感じられ、そこが残念でした。

振付: ウヴェ・ショルツ
出演: 酒井はな、西田佑子、アレクサンダー・ザイツェフ、ヤロスラフ・サレンコ


『CASTRATI』

 香港バレエ団の男性ダンサーたち九名が踊る、上演時間30分ほどの作品。日本初演。

 個人的にナチョ・ドゥアト作品はどれも大好きで、今回は日本初演だという本作がお目当てだったのですが、これが、期待を裏切らない素晴らしい作品でした。激しいリズムにのって繰り広げられる群舞はものすごくかっこいいし、苦痛と苦悩を表現するソロはドラマチック。両者が合流する悲劇的ラストに向けて緊迫感が加速してゆくダンスの凄みには圧倒されます。

 ダンスそのものがあますところなくドラマになっているナチョ作品は観ていてものすごく気持ちよく、いつもすげーすげーと感激してばかり。

振付: ナチョ・ドゥアト
出演: 香港バレエ団


『Mopey』

 上演時間わずか5分ほどのソロ。滑稽で力強い印象的な動きにすべてを賭けたような、高密度で切れ味するどい作品です。特に両手を含めた上半身の動きが強烈で、突風を吹きつけてくるような激しさで、しかしクールに踊ってみせた酒井はなさんが喝采を浴びていました。

振付: マルコ・ゲッケ
出演: 酒井はな


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