『ネコにウケる飼い方』(服部幸) [読書(教養)]
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どっちが「主」かといえば、あきらかにネコですよね。
そこまで理解したら、ネコと暮らし始めるとき、しつけは人がネコに行う前に、「人のほうがネコにしつけられる」と考えるのが正しいことがわかるのではないでしょうか。
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新書版p.72
ひたすらネコに尽くし、ネコを守り、ネコの幸せを最優先する。気難しいネコを満足させるために飼い主はどのようにしつけられればいいのか、専門医がそのノウハウを指南する一冊。新書版(ワニブックス)出版は2014年10月です。
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ネコはそういう動物で、自由気ままで、飼い主さんにさえ媚びることなく、常にマイペースを崩しません。人が思いどおりに手なずけようとしてもできない動物なのです。
それをふまえたうえで、長く楽しくネコと暮らしていくためには、あなたがネコを愛するように、あなたも「愛される飼い主」になるのを目指してほしいと思います。
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新書版p.64
ネコに愛される飼い主になるためのノウハウ本です。著者は猫の専門医なので、まず基礎情報からして充実しています。
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その体は人の手でなでるのにちょうどいい大きさとしなやかさですが、機能性のかたまりです。とびきりかわいいパーツの肉球も、ちゃんと理由があってぷにぷにしているんですね。
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新書版p.15
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子ネコのこのポーズはじつにかわいいもので、外出から帰ってきたときなど、玄関先で思いきりしっぽを立ててまとわりつかれると、もうなんでも許したくなってしまいます。
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新書版p.40
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ネコが甘えたような顔で寝床に入ってきて、あなたのお腹の上に乗り、前足で右、左、右、左と押し始める……。たまりませんね。
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新書版p.46
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うちで暮らしている「うにゃ」ちゃんは、一番風呂ならぬ一番水(?)が好きで、水を取り替えると、われ先にと他のネコをかき分けて飲みにやって来ます。
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新書版p.144
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ちなみに、宮沢賢治が大正13年に書いた童話『水仙月の四日』には、ネコ耳を持つ「雪婆んご」という魔女が登場し、これが近代文学に最初に登場するネコ耳キャラだといわれているそうです。
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新書版p.25
続いて、「ネコと快適に暮らす」ためのコツを伝授。
例えば、しょっちゅうネコにすりすりしているようでは飼い主としてまだ未熟。ちゃんとしつけられた飼い主は、ネコの邪魔をするようなことは避けます。厳しいのです。
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自分では気がつかないうちにネコにストレスを与えているかもしれません。
自分では愛情表現と思ってやっていること、たとえば抱きしめて頬ずりする、いきなり「○○ちゃーん」と名前を呼んで抱き上げる……などもそうです。
これらは、じつはネコにとって苦痛なのかもしれません。
(中略)
ほかに「ネコのいやがること」の典型としては、しょっちゅうベタベタと愛撫されることがあります。いわゆるネコっかわいがりです。やっている本人はかわいくて仕方がないのでしょうけれど、過度に体をさわられるのをネコは嫌うのです。
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新書版p.74、75
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それでも飼い主さんに甘えたくなるときは必ずあるので、そのタイミングを見落とさずに、体をなでたり、一緒に遊んだり、グルーミングを手伝うなどして、しっかりとコミュニケーションを図りましょう。
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新書版p.128
自分が可愛がりたいときに可愛がるのではなく、あくまでネコの都合に合わせる。常にタイミングをうかがい、的確にネコの気持ちを満たしてあげる。これが基本です。
続いて、ネコがテーブルに乗らないようにするために。
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ネコへのしつけはタイミングが大事で、やってはいけないことをした瞬間に「ダメ!」と強い口調で叱るのがよい、と聞いたことはありませんか。しかし、ネコを大声で叱ってはだめなのです。いやな思いをしたことだけが記憶され、「テーブルの上に乗ってはいけない」ことは学習してくれません。
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新書版p.78
では、どうすればいいのでしょうか。
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ネコは食卓の上に興味のあるものが乗っているので登ってしまうのです。また、もし食べものがない食卓でも上がらないようにしつけることは無理と考えましょう。
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新書版p.78
そもそも食卓はキャットタワーだと思えばいいのです。
このように飼い主としての研鑽を積むにつれて、24時間365日すべてをネコ最優先で生活してしまいがちですが、実はこれも失格。ネコに迷惑をかけないよう自らの生活を律するのも、飼い主のつとめです。
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全部をネコのペースに合わせず、自分の生活ペースを守ることも大事です。毎朝5時に顔をなめて起こしにくるネコには、いちいち起きてごはんの用意をしなくてもいいのです。夜のうちにカリカリを用意しておくなどすれば、だんだんネコちゃんも飼い主さんのペースに合わせるようになると思います。
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新書版p.128
こんな感じで、ネコの気持ちを読み取る、マーキングやツメ研ぎ、ツメ切り、隠れ家、抜け毛、トイレ、遊び、お風呂、食事、多頭飼い、など様々なテーマについて、どのようにしてネコに奉仕すればいいかを具体的にアドバイスしてくれます。特に健康維持については詳しく書かれています。
最後に、飼い主からの様々な質問に専門医として回答する「Q&A そのギモン、専門医が答えます」というコーナーが。
「Q8 子ネコのかわいさは異常です……なぜあんなにかわいいのでしょう!?」
といった質問が寄せられていますが、それは質問なのか、心の叫びなのか。
というわけで、読みながらちょっと不安になってくるほどの猫愛に満ちた飼育書、というより「ネコに一緒に暮らして満足して頂くための飼い主心得集」という一冊。これからネコと生活する方にお勧めです。ネコを飼ったことがない方は、なぜそこまで、と戸惑うかも知れませんが、もちろん、そこにネコがいるからです。
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ネコは、飼い主さんに忠誠心を見せることも、ご機嫌をとろうとすることもありません。なかなか言うことをきいてくれないし、芸を見せてくれることもありません。
それでも、ネコは人を幸せな気持ちにします。
ネコはそこにいるだけで人を幸福にするのです。
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新書版p.68
どっちが「主」かといえば、あきらかにネコですよね。
そこまで理解したら、ネコと暮らし始めるとき、しつけは人がネコに行う前に、「人のほうがネコにしつけられる」と考えるのが正しいことがわかるのではないでしょうか。
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新書版p.72
ひたすらネコに尽くし、ネコを守り、ネコの幸せを最優先する。気難しいネコを満足させるために飼い主はどのようにしつけられればいいのか、専門医がそのノウハウを指南する一冊。新書版(ワニブックス)出版は2014年10月です。
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ネコはそういう動物で、自由気ままで、飼い主さんにさえ媚びることなく、常にマイペースを崩しません。人が思いどおりに手なずけようとしてもできない動物なのです。
それをふまえたうえで、長く楽しくネコと暮らしていくためには、あなたがネコを愛するように、あなたも「愛される飼い主」になるのを目指してほしいと思います。
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新書版p.64
ネコに愛される飼い主になるためのノウハウ本です。著者は猫の専門医なので、まず基礎情報からして充実しています。
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その体は人の手でなでるのにちょうどいい大きさとしなやかさですが、機能性のかたまりです。とびきりかわいいパーツの肉球も、ちゃんと理由があってぷにぷにしているんですね。
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新書版p.15
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子ネコのこのポーズはじつにかわいいもので、外出から帰ってきたときなど、玄関先で思いきりしっぽを立ててまとわりつかれると、もうなんでも許したくなってしまいます。
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新書版p.40
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ネコが甘えたような顔で寝床に入ってきて、あなたのお腹の上に乗り、前足で右、左、右、左と押し始める……。たまりませんね。
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新書版p.46
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うちで暮らしている「うにゃ」ちゃんは、一番風呂ならぬ一番水(?)が好きで、水を取り替えると、われ先にと他のネコをかき分けて飲みにやって来ます。
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新書版p.144
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ちなみに、宮沢賢治が大正13年に書いた童話『水仙月の四日』には、ネコ耳を持つ「雪婆んご」という魔女が登場し、これが近代文学に最初に登場するネコ耳キャラだといわれているそうです。
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新書版p.25
続いて、「ネコと快適に暮らす」ためのコツを伝授。
例えば、しょっちゅうネコにすりすりしているようでは飼い主としてまだ未熟。ちゃんとしつけられた飼い主は、ネコの邪魔をするようなことは避けます。厳しいのです。
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自分では気がつかないうちにネコにストレスを与えているかもしれません。
自分では愛情表現と思ってやっていること、たとえば抱きしめて頬ずりする、いきなり「○○ちゃーん」と名前を呼んで抱き上げる……などもそうです。
これらは、じつはネコにとって苦痛なのかもしれません。
(中略)
ほかに「ネコのいやがること」の典型としては、しょっちゅうベタベタと愛撫されることがあります。いわゆるネコっかわいがりです。やっている本人はかわいくて仕方がないのでしょうけれど、過度に体をさわられるのをネコは嫌うのです。
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新書版p.74、75
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それでも飼い主さんに甘えたくなるときは必ずあるので、そのタイミングを見落とさずに、体をなでたり、一緒に遊んだり、グルーミングを手伝うなどして、しっかりとコミュニケーションを図りましょう。
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新書版p.128
自分が可愛がりたいときに可愛がるのではなく、あくまでネコの都合に合わせる。常にタイミングをうかがい、的確にネコの気持ちを満たしてあげる。これが基本です。
続いて、ネコがテーブルに乗らないようにするために。
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ネコへのしつけはタイミングが大事で、やってはいけないことをした瞬間に「ダメ!」と強い口調で叱るのがよい、と聞いたことはありませんか。しかし、ネコを大声で叱ってはだめなのです。いやな思いをしたことだけが記憶され、「テーブルの上に乗ってはいけない」ことは学習してくれません。
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新書版p.78
では、どうすればいいのでしょうか。
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ネコは食卓の上に興味のあるものが乗っているので登ってしまうのです。また、もし食べものがない食卓でも上がらないようにしつけることは無理と考えましょう。
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新書版p.78
そもそも食卓はキャットタワーだと思えばいいのです。
このように飼い主としての研鑽を積むにつれて、24時間365日すべてをネコ最優先で生活してしまいがちですが、実はこれも失格。ネコに迷惑をかけないよう自らの生活を律するのも、飼い主のつとめです。
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全部をネコのペースに合わせず、自分の生活ペースを守ることも大事です。毎朝5時に顔をなめて起こしにくるネコには、いちいち起きてごはんの用意をしなくてもいいのです。夜のうちにカリカリを用意しておくなどすれば、だんだんネコちゃんも飼い主さんのペースに合わせるようになると思います。
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新書版p.128
こんな感じで、ネコの気持ちを読み取る、マーキングやツメ研ぎ、ツメ切り、隠れ家、抜け毛、トイレ、遊び、お風呂、食事、多頭飼い、など様々なテーマについて、どのようにしてネコに奉仕すればいいかを具体的にアドバイスしてくれます。特に健康維持については詳しく書かれています。
最後に、飼い主からの様々な質問に専門医として回答する「Q&A そのギモン、専門医が答えます」というコーナーが。
「Q8 子ネコのかわいさは異常です……なぜあんなにかわいいのでしょう!?」
といった質問が寄せられていますが、それは質問なのか、心の叫びなのか。
というわけで、読みながらちょっと不安になってくるほどの猫愛に満ちた飼育書、というより「ネコに一緒に暮らして満足して頂くための飼い主心得集」という一冊。これからネコと生活する方にお勧めです。ネコを飼ったことがない方は、なぜそこまで、と戸惑うかも知れませんが、もちろん、そこにネコがいるからです。
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ネコは、飼い主さんに忠誠心を見せることも、ご機嫌をとろうとすることもありません。なかなか言うことをきいてくれないし、芸を見せてくれることもありません。
それでも、ネコは人を幸せな気持ちにします。
ネコはそこにいるだけで人を幸福にするのです。
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新書版p.68
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