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『ブルグミュラー25』(近藤良平、斉藤美音子、森下真樹) [舞台(コンテンポラリーダンス)]

 2012年11月04日(日)は、夫婦で神楽坂セッションハウスに行って、近藤良平さんの新作公演を鑑賞しました。日本ではピアノ教則本としてよく知られているブルグミュラー「25の練習曲」をダンス化するというものです。

 広沢麻美さんのピアノ演奏に乗せて、近藤良平さんを含む6名のダンサーたちが踊ります。一つ一つの曲のイメージを再解釈、再構築して、寸劇に仕立てたという演目が次々と。なお、各演目が始まる前に、背景に作品名と原題を投影することで、状況設定(見立て)が理解しやすいように工夫してありました。

 コントめいた演目、ありがちな情景描写の演目、指人形演目、そして素直に踊りを楽しむダンス演目など、様々な内容の演目が27個(曲は25個ですが、同じ曲が二つの演目に使われるケースがあるのです)。演技や仕草、踊りはいずれも大仰で滑稽。誰にでも楽しめるようになっています。

 作品名と原題はあまり関係ありません。純粋に曲を聞いて近藤さんが思い描いたイメージを寸劇にしたのでしょう。例えば、原題が「バラード」であっても、作品名は「露出狂」。原題が「やさしい花」でも作品名は「不眠と受験生」という具合。もちろん演目の内容は作品名の通りです。

 出演者は豪華。森下真樹さんと斉藤美音子さんが出演しているのが個人的には非常に嬉しかった。

 近藤さんの配役がこれがまた巧みで、目を合わせると危険そうな森下真樹さんの恐ろしい迫力、目を逸らすと危険そうな斉藤美音子さんの怖い気配、いずれも演目に思う存分に活かされています。

 黙って立ってるだけでも抜群の存在感がある森下真樹さん、ちょっと目には普通のお姉さんなのに踊り始めると人外魔境の斉藤美音子さん。二人の直接対決という「地上最大の決戦」的演目まであって、近藤さんグッジョブ!だと思います。

 入門用ピアノ練習曲(ヤマハ音楽教室8歳から10歳向け)の舞台ということで、観客席には子供たちの姿もかなり見られました。それを想定したと思しきシモネタ演目も多く、子供たち大喜び。ダンサーたちが大真面目におどけたダンスを踊るシーンも子供たちにウケていて、良かった良かった。

[キャスト]

振付・演出: 近藤良平
出演: 近藤良平、斉藤美音子、森下真樹、中村理、中村蓉、堀菜穂
ピアノ演奏: 広沢麻美


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