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『はじめまして』(振付:井手茂太、白井剛 出演:森下真樹、松島誠) [舞台(コンテンポラリーダンス)]

 2012年11月11日(日)は、夫婦でスタジオアーキタンツに行って、「イデビアン・クルー」の井手茂太さん、「発条ト」の白井剛さん、二人のコレオグラファの新作公演を鑑賞しました。三つのピースから構成される90分(+休憩20分)の舞台です。

 まず第一ピース。白井剛さんの振付で、松島誠さんが踊ります。両腕の肘から手首までスプーンを何本も乗せて、それを落とさないように注意しながら様々な動作をします。

 身体の自由度にあえて制約をつけることから生み出されるぎくしゃくした動きが面白く、スプーンが全部床に落下して「自由」になってからも制約つきのまま踊るところが見どころ。かなりの筋力とバランス感覚が求められる演目で、これをやらせる方もやる方もチャレンジャー。それにしてもすごい身体能力だと感心しました。

 第二ピースは、井手茂太さんの振付で森下真樹さんが踊ります。こちらは日常的な動作をベースに文脈をずらすことで、何ともいえない可笑しさを引き起こす作品。

 これが斉藤美音子さんなら何食わぬすまし顔で踊って観客を戸惑わせるところでしょうが、森下真樹さんだと、いちいち気合を込めて入念に踊っていますという雰囲気が何だか変な場違い感を生んでいて、グッドだと思いました。最後、スタジオの片隅に置いてあるピアノで「蛍の光」を弾いてから退場するという演出も似合ってた。

 第三ピースは、松島誠さんと森下真樹さんのデュオ、というか何か二人てんで勝手に動き回っていたという感の強い作品。スタジオの構造を最大限に利用して、階段やら二階のテラスやらで色々と変なことをやらかす。例えば、森下さんは長い髪を三つ編みにする過程を逐一見せてくれる。

 二人の距離はだんだん近づいてゆきますが、最後までコンタクトしないで、それぞれ激しく踊ります。床に倒れてばたばたしている森下さんの周囲を松島さんが踏まないように飛び跳ねるシーンとか強い印象を残します。ついに正面から向き合った二人、(森下)「おわりですか」、(松島)「おわりです」、とぼけた会話で終了。

[キャスト]

第一ピース
  振付: 白井剛 
  出演: 松島誠

第二ピース
  振付: 井手茂太
  出演: 森下真樹

第三ピース
  演出、出演: 松島誠、森下真樹


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