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『0o。(スーパースリーパースリー)』(高橋萌登×管尾なぎさ) [ダンス]


公演パンフレットより
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「もとちゃんは暗い」
去年の年末にもとちゃんと初めて打ち合わせしたときのいちばん最初に書いたメモです。
いや、本人が自白してきたんでね。ちょっと晒してみた。
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管尾なぎさ


 2016年6月4日は、夫婦でシアター1010に行って、東京ELECTROCK STAIRSの高橋萌登、クリウィムバアニー主宰の管尾なぎさ、二人のデュオ公演を鑑賞しました。二人で踊ったりよく分からないことに執心したりする1時間ほどの楽しい作品です。

 会場はミニシアター。四角いリングのような舞台、その四方に、それぞれ9脚から10脚の座席が並べられているだけの小規模な公演です。1回あたり観客40名弱(関係者席を含む)、全3回公演なので、観た人は100人かそこらしかいないという計算に。レアです、レア。

 中国拳法の道場着みたいな服(高橋さんオレンジ、管尾さんクールミント)で登場した二人。小動物的な生真面目さで一心不乱に踊る高橋萌登さんに対して、どこか茶目っ気のあるスター然とした理知的なダンスを踊る管尾なぎささん。対照的な二人が、同じ曲、同じ空間を共有して動くのが見どころです。

 クリウィムバアニーの公演を観たことがないので、個人的に、管尾なぎささんといえばイデビアン・クルーの印象が強く。昭和歌謡でアイドルっぽく踊ったりすると、むっちゃかっこいいのに、反射的に笑ってしまいます。

 うさ耳かぶせられて、管尾さんが放り投げるウサギ餌ペレット(に見立てた駄菓子の「うまい棒」)をいちいち拾い集めてはイチゴ模様のダサデカパンツに詰め込んでゆくなど、高橋萌登さんが存分にいじられるところも何となく観客の期待通り。やっぱり小動物イメージなんだ。


公演後のツィートより
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もとちゃんをうさぎにしたい。もとちゃんのぱんつをおろしてぱんいちでおどらせたい。かーなりじょばんにふくらんだおれのゆめ。かなえてくれてありがとうさぎ。
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管尾なぎさ


 うまい棒を組み上げてキャンプファイヤー、その後「コロコロ」で丁寧に丁寧に床掃除。生真面目に何かやっている高橋萌登さんは、いつもいつも思い詰めたような小動物。

 ところで「うまい棒」と言えば、二階に登った高橋萌登さんが釣り竿からぶら下げた「うまい棒」が眼前に降りてきたので一本いただきました。わーい、もとちゃんからのプレゼント。味はまあ、うまい棒(とんかつソース味)でした。


タグ:高橋萌登
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『接接在日本4(ジェジェ イン ジャパン ヨン)』(接接、JaeJae、ジェジェ) [読書(随筆)]

 いきなり私事で恐縮ですが、春の台湾旅行で宜蘭県(台湾島東部)をオロオロしてきました。

 今年はマンゴーの収穫が遅れていて5月だと冷凍ものしかないからマンゴーかき氷が美味しくないぞ、と警告されていたのですが、個人的には芋頭、花生(ピーナッツ)、ミルク紅豆、あたりの雪花冰が食べられれば無問題。むしろ今年はいまだ台風1号が発生してないことが不安で、さっさと訪台を決めてしまいました。なお、実際に行ってみると、5月末の時点で果物店に複数種類のマンゴーが積み上げてあり、食べてみても問題なく美味しかったです。

 まだ5月なのに台湾は情け容赦ない真夏です。体温超えの気温、攻撃的な日射し、溶けてぬかるむアルファルト。どこまでもどこまでも続く田んぼのあぜ道のようなところを何時間も放浪したり、湿地通過中に突然の土砂降り雨にあってびしょ濡れになったり、自然の猛威に耐え抜いて生還しました。これから訪台する人は、くれぐれも暑さ対策、紫外線対策、脱水対策、そして急な豪雨対策を忘れないで下さいね。あと冷房病対策も。

 さて、誠品書店に立ち寄ったところ、『接接在日本』の最新刊が並んでいたので購入しました。かわいらしいイラストと文章でつづる接接(ジェジェ)の日本日記で、いわば嫁視点から書かれた『中国嫁日記』(井上純一)。

 台湾のゲーム会社に勤めていた女の子が、日本から出張してきたかなり駄目なオタク青年に一目惚れ。何もかも投げ捨てて日本に行って結婚したものの、不思議な国、日本での生活はあれこれ戸惑うことばかり……。2010年に台湾で発売された人気エッセイシリーズ『接接在日本』の第4巻です。単行本(商周出版)出版は2016年2月。

 第1巻だけ日本語に翻訳されたのですが、その後、続きが翻訳される気配がないのが悲しい。ちなみに第1巻の日本版読了時の紹介はこちら。

  2013年06月21日の日記
  『台湾から嫁にきまして。』(接接、ジェジェ)
  http://babahide.blog.so-net.ne.jp/2013-06-21

 第4巻のカバーは雪が積もる日本の冬景色。第1巻から順番にカバーが春夏秋冬で日本の四季が一巡しました。タイトルにはカタカナで「ジェジェ イン ジャパン ヨン」と振りがなが振ってありますが、これは明らかに突っ込みを待ってますね。


 本シリーズではこれまで「台湾人から見た日本の不思議」を描いてきたのですが、今巻からは「日本人から見た台湾の不思議」も取り上げて、日台の文化比較をネタにしています。といっても堅苦しい文化論ではなく、「日本男性:仕事第一、台湾男性:家庭第一、台湾女性:自分第一」とか、そういう感じ。


 日本人から寄せられた質問に答えるコーナーもあります。

 「やたらと“對對對對對…”を連発するのはなんで?」
 「カラオケで他人が歌っているときまったく聞いてないそぶりを見せるのはなぜ?」
 「lineでよく使われているQQとかXDDDってどういう意味?」
 「台湾ではプチトマトは果物なの?」


 夫である「大王」が台湾に留学した頃の思い出を語るコーナーも。信号が変わった途端に眼前を雪崩のように流れてゆくスクーターの群れに「無理やん死ぬやん死んでまうやんー」と叫んだり、臭豆腐の店に囲まれて進退窮まったり、香菜の意味が分からないまま注文して衝撃を受けたり、バスに乗れなかったりと、誰もが通る道。


 大王が「俺がはじめて台湾を愛したときの思い出」を語るというのでメモをとるジェジェ。

 テレビが見たいと友達に言ったら「任せとけ」というわけで、夜中に電柱に登って他人の家につながっているケーブルを勝手に切断して分波器に接続、分岐ケーブルを窓から大王の部屋に引き込んで「これでケーブルテレビが無料で見放題だ」と。それまずいんじゃないかと大王が言うと、友人「大丈夫、台湾ではみんなやってる普通のことだから」。

 翌朝、電柱の上を観察してみると、どこの電柱にも勝手につながれたと思しき分波器がずらり。「台湾、よく分からん」と思う大王。

 数週間後、同じ友人から「有料ポルノチャンネルを無料で見たいか」と言われて全力で肯定する大王。師範大夜市で明らかに違法なスクランブル複号器を手に入れて、やったー、これでエロ動画が見放題だー。「台湾すげー」「台湾さいこー」ハイタッチ。

 「というわけで、そのとき俺のなかに台湾を愛する気持ちが生まれたわけよ」
 バキッ(ジェジェが鉛筆をへし折る音)


 かわいらしいイスラトの特製クリアファイル入れが付録としてついてきます。他に飼い猫「宇宙」のコーナーもあり、猫マンガ好きにもアピール。4巻は日本人にもウケそうな内容ということもあり、ぜひ本シリーズの日本版への翻訳出版を再開して欲しいと思うのですが。


タグ:台湾
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