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『DANCE-X13 MONTREAL:TOKYO:BUSAN 3rd Edition』(ヘレン・シモノー、キム・スヒョン、岩渕貞太、関かおり) [ダンス]

 2013年06月02日(日)は、夫婦で青山円形劇場に行って、『DANCE-X13』の日本公演を鑑賞。カナダ、韓国、日本。各国の若手コレオグラファによるデュオ作品を、それぞれの国を巡回して上演するという企画です。

 作品はそれぞれ20分から30分、途中休憩なしの連続上演です。全体として70分ほどの上演時間でした。

 どの作品も二人のダンサーによって踊られ、互いの関係性を模索するような内容となっています。


カナダ/米国
『FLIGHT DISTANCE III : CHAIN SUITE』(ヘレン・シモノー Helen Simoneau)

 女性二人による躍動感あふれるダンス。リズムを刻むパーカッションにのせて、二人が勢い良く躍りますが、至近距離で動きながら決して接触しません。文字通り「二人の間の距離をはかっている」ようなダンス。後半ではついにコンタクトが行われ、関係性が変わってゆきます。個人的には、ちょっとケースマイケル(ローザス)の初期作品を思い出しました。


韓国
『KAIROS』(キム・スヒョン Su Hyun Kim)

 男女二人によるダンス。舞台上には奇怪なオブジェ(頭部と腰から下がなく、手の指だけが異常に肥大したグロテスクなマネキン人形、そして足首。もしかしたら、ネット依存の象徴かも知れません)が置いてあり、メトロノームの単調なリズムに合わせて苦悩と祈りのダンスが踊られます。

 女性を肩車した形のまま横倒しになり床面を蹴ってぐるぐる回ったり、男性ダンサーが女性ダンサーを横向きに抱え上げ、自分の身体周囲を二回転させて床まで下ろしたり、とにかくリフトが印象的な作品。

 ダンスとしては本作品が最も面白いと思いました。ただ、後半、癒しと再生へと向かう表現はちょっとベタに感じられて、個人的には好みではありません。


日本
『Hetero』(岩渕貞太、関かおり Teita Iwabuchi, Kaori Seki)

 男女二人によるダンス。ときどき呼吸音のようなノイズが入る他は無音の舞台で、二人のダンサーがゆっくりと動いて、ポーズを作ります。最初のうちは二人の動きは完全に左右対称。後半になると次第に関係性が変化してゆくのですが、やはり動きはゆっくり。

 むろん振付は完全に決まっているのでしょうが、二人の間にはまるでインプロヴィゼーションのようなやりとりが感じられ、緊迫感が漂っています。ゆっくり動いて、ぴたりと止まる。またゆっくり動き出す。ダンサー二人が、その場で創り出しているような動き。あたかも精神的な格闘技が行われているかのような、見えない交差交流がひしひしと伝わってきて、観客も不思議と緊張してしまいます。


[上演作品]

カナダ/米国
『FLIGHT DISTANCE III : CHAIN SUITE』(ヘレン・シモノー Helen Simoneau)

韓国
『KAIROS』(キム・スヒョン Su Hyun Kim)

日本
『Hetero』(岩渕貞太、関かおり Teita Iwabuchi, Kaori Seki)


タグ:関かおり
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