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『月に憑かれたピエロ』『ロスト・イン・ダンス ―抒情組曲―』(勅使川原三郎、佐東利穂子) [ダンス]

 2018年12月2日は夫婦で東京芸術劇場プレイハウスに行って、勅使川原三郎さんと佐東利穂子さんの公演を鑑賞しました。


演出・振付・照明・美術: 勅使川原三郎
出演: 勅使川原三郎・佐東利穂子
歌唱: マリアンヌ・プスール
指揮: ハイメ・ウォルフソン
フルート: 多久潤一朗
クラリネット: 岩瀬龍太
ピアノ: 田口真理子
ヴァイオリン: 松岡麻衣子・甲斐史子
ヴィオラ: 般若佳子
チェロ: 山澤 慧


 二本立て公演で、どちらも上演時間は35分。最初の演目は『ロスト・イン・ダンス ―抒情組曲―』で、ベルクの抒情組曲を使ったデュエット作品です。佐東利穂子さんが主役として踊り、それを勅使川原三郎さんがサポート。ひたすら大きく烈しく踊り続ける佐東利穂子さんの、とりつかれたようなパワーが印象に残ります。それまで頼りにしていた師匠にようやく手が届くか、というところでふっと消えてただひとり取り残されてしまうラスト、厳しいな。

 二本目はシェーンベルクの『月に憑かれたピエロ』を使ったデュエット作品。床を覆う銀色のシート(アルミホイルみたいな感じ)に照明が反射して、舞台は青白い月面に、情熱きらめくオレンジの野に、また魂が漂う静謐な大地にと、次々と印象を変えてゆきます。この床のシートと背景の垂れ幕(やはり銀色に輝くアルミホイルみたいな)そして照明だけで様々な空間を創り出す演出はものすごい。

 勅使川原三郎さんがピエロ、白い衣装をまとった佐東利穂子さんが月、という配役らしく、今度は勅使川原三郎さんがとりつかれたようなパワーで踊ります。表情や仕種も含めて、滑稽な感じ、怖い感じ、理解を拒絶する感じが、入り乱れめまぐるしく移り変わってゆきます。マリアンヌ・プスールさんの歌声も強烈で、次第にどこか遠いところに押しやられてゆく感じがひしひしと。



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