2016年を振り返る(3)[小説] [年頭回顧]
2016年に読んだ海外小説のなかでは、《ニューヨーカー》掲載作品傑作選『ベスト・ストーリーズ』の三冊が印象に残っています。粒揃いの短篇アンソロジーです。
『ベスト・ストーリーズⅠ ぴょんぴょんウサギ球』(若島正:編、岸本佐知子、中村和恵、他:翻訳)
http://babahide.blog.so-net.ne.jp/2016-04-11
『ベスト・ストーリーズⅡ 蛇の靴』(若島正:編、岸本佐知子、他:翻訳)
http://babahide.blog.so-net.ne.jp/2016-05-18
『ベスト・ストーリーズⅢ カボチャ頭』(若島正:編、松田青子、他:翻訳)
http://babahide.blog.so-net.ne.jp/2016-09-15
海外小説アンソロジーといえば、岸本佐知子さんが選んで翻訳した傑作選が、どれも変な話ばかりで個人的に非常に好み。
『コドモノセカイ』(岸本佐知子:翻訳)
http://babahide.blog.so-net.ne.jp/2016-01-19
『楽しい夜』(岸本佐知子:翻訳)
http://babahide.blog.so-net.ne.jp/2016-06-16
他に、カレン・ラッセルとミック・ジャクソンの短篇集、そして金原瑞人さんが定番の怪談を集めて翻訳しなおした子供向けホラー短篇アンソロジーも良かった。
『レモン畑の吸血鬼』(カレン・ラッセル、松田青子:翻訳)
http://babahide.blog.so-net.ne.jp/2016-03-15
『10の奇妙な話』(ミック・ジャクソン、田内志文)
http://babahide.blog.so-net.ne.jp/2016-04-19
『八月の暑さのなかで』(金原瑞人:編集・翻訳、佐竹美保:イラスト)
http://babahide.blog.so-net.ne.jp/2016-04-12
長篇では、シャーリイ・ジャクスンとセサル・アイラが、それぞれ展開が読めない奇妙な話を豪腕で読ませてくれました。
『日時計』(シャーリイ・ジャクスン、渡辺庸子:翻訳)
http://babahide.blog.so-net.ne.jp/2016-05-26
『文学会議』(セサル・アイラ、柳原孝敦:翻訳)
http://babahide.blog.so-net.ne.jp/2016-03-08
国内では、まずは様々な文芸ジャンルにおける新鮮ですごいとこだけざざっと集めた文学ムック「たべるのがおそい」の発刊がめでたい。
『たべるのがおそい vol.1』(穂村弘、岸本佐知子、西崎憲:編集)
http://babahide.blog.so-net.ne.jp/2016-04-18
『たべるのがおそい vol.2』(石川美南、宮内悠介、穂村弘、津村記久子、四元康祐、西崎憲:編集)
http://babahide.blog.so-net.ne.jp/2016-10-19
アンソロジーとしては、まず『美術手帖』に連載された驚愕の小説アート集『小説の家』に度肝を抜かれましたし、『十年後のこと』の安定した出来栄えには感心させられました。
『小説の家』(福永信:編、山崎ナオコーラ、最果タヒ、円城塔、他)
http://babahide.blog.so-net.ne.jp/2016-11-01
『十年後のこと』(小山田浩子、最果タヒ、松田青子、森絵都、他)
http://babahide.blog.so-net.ne.jp/2016-12-21
作家別では、まずは笙野頼子さんの最新長篇『ひょうすべの国』が凄い。とにかく凄いので、紹介だけでも目を通して下さい。今のこの国を生きるために。それと小山田浩子さんの『穴』文庫版解説にもしびれた。
『植民人喰い条約 ひょうすべの国』(笙野頼子)
http://babahide.blog.so-net.ne.jp/2016-11-29
『読んでくれてありがとう/書いてくれてありがとう(小山田浩子『穴』文庫版解説)』(笙野頼子)
http://babahide.blog.so-net.ne.jp/2016-08-10
津村記久子さんと松田青子さんは、エッセイを除けば、それぞれ短篇集一冊だけ読みました。どちらもすごく面白いのです。
『浮遊霊ブラジル』(津村記久子)
http://babahide.blog.so-net.ne.jp/2016-10-25
『ワイルドフラワーの見えない一年』(松田青子)
http://babahide.blog.so-net.ne.jp/2016-09-01
矢崎存美さんは、人気シリーズを着実に書き下ろしてくれました。『食堂つばめ』は完結。
『ドクターぶたぶた』(矢崎存美)
http://babahide.blog.so-net.ne.jp/2016-07-14
『ぶたぶたの花束』(矢崎存美)
http://babahide.blog.so-net.ne.jp/2016-10-12
『居酒屋ぶたぶた』(矢崎存美)
http://babahide.blog.so-net.ne.jp/2016-12-14
『食堂つばめ7 記憶の水』(矢崎存美)
http://babahide.blog.so-net.ne.jp/2016-06-15
『食堂つばめ8 思い出のたまご』(矢崎存美)
http://babahide.blog.so-net.ne.jp/2016-11-17
町田康さんは、生活や雑事がどんどん幻想になってゆく独特の作品がインパクト。
『珍妙な峠』(町田康)
http://babahide.blog.so-net.ne.jp/2016-12-15
『リフォームの爆発』(町田康)
http://babahide.blog.so-net.ne.jp/2016-03-16
『記憶の盆おどり』(町田康)
http://babahide.blog.so-net.ne.jp/2016-11-22
しかし何といっても強烈インパクトだったのは、『義経記』と『宇治拾遺物語』をぶっちぎり現代文学として語り直した長篇。『ギケイキ』は、あまりのことに定番現代語訳と比べ読みするはめに。『宇治拾遺物語』(町田康:翻訳)と同じ巻に収録された『今昔物語』(福永武彦:翻訳)、『日本霊異記/発心集』(伊藤比呂美:翻訳)も素晴らしかった。
『ギケイキ 千年の流転』(町田康)
http://babahide.blog.so-net.ne.jp/2016-07-05
『義経記』(高木卓:翻訳)
http://babahide.blog.so-net.ne.jp/2016-07-06
『宇治拾遺物語(日本文学全集08収録)』(池澤夏樹:編集、町田康:翻訳)
http://babahide.blog.so-net.ne.jp/2016-02-18
『今昔物語(日本文学全集08収録)』(池澤夏樹:編集、福永武彦:翻訳)
http://babahide.blog.so-net.ne.jp/2016-02-17
『日本霊異記/発心集(日本文学全集08収録)』(池澤夏樹:編集、伊藤比呂美:翻訳)
http://babahide.blog.so-net.ne.jp/2016-02-16
本谷有希子さん、小山田浩子さん、川上弘美さん、それぞれ一冊だけ読みましたが、どれも圧倒的でした。
『異類婚姻譚』(本谷有希子)
http://babahide.blog.so-net.ne.jp/2016-04-25
『穴』(小山田浩子)
http://babahide.blog.so-net.ne.jp/2016-08-09
『このあたりの人たち』(川上弘美)
http://babahide.blog.so-net.ne.jp/2016-09-28
斉藤倫さん、津原泰水さん、万城目学さん、西崎憲さん、期待を裏切らない安定した面白さで心を揺さぶってくれました。
『せなか町から、ずっと』(斉藤倫、 junaida :イラスト)
http://babahide.blog.so-net.ne.jp/2016-06-21
『とうだい』(斉藤倫:文、小池アミイゴ:絵)
http://babahide.blog.so-net.ne.jp/2016-09-20
『ヒッキーヒッキーシェイク』(津原泰水)
http://babahide.blog.so-net.ne.jp/2016-09-21
『バベル九朔』(万城目学)
http://babahide.blog.so-net.ne.jp/2016-10-20
『ゆみに町ガイドブック』(西崎憲)
http://babahide.blog.so-net.ne.jp/2016-06-22
『ベスト・ストーリーズⅠ ぴょんぴょんウサギ球』(若島正:編、岸本佐知子、中村和恵、他:翻訳)
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『ベスト・ストーリーズⅡ 蛇の靴』(若島正:編、岸本佐知子、他:翻訳)
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『ベスト・ストーリーズⅢ カボチャ頭』(若島正:編、松田青子、他:翻訳)
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海外小説アンソロジーといえば、岸本佐知子さんが選んで翻訳した傑作選が、どれも変な話ばかりで個人的に非常に好み。
『コドモノセカイ』(岸本佐知子:翻訳)
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『楽しい夜』(岸本佐知子:翻訳)
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他に、カレン・ラッセルとミック・ジャクソンの短篇集、そして金原瑞人さんが定番の怪談を集めて翻訳しなおした子供向けホラー短篇アンソロジーも良かった。
『レモン畑の吸血鬼』(カレン・ラッセル、松田青子:翻訳)
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『10の奇妙な話』(ミック・ジャクソン、田内志文)
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『八月の暑さのなかで』(金原瑞人:編集・翻訳、佐竹美保:イラスト)
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長篇では、シャーリイ・ジャクスンとセサル・アイラが、それぞれ展開が読めない奇妙な話を豪腕で読ませてくれました。
『日時計』(シャーリイ・ジャクスン、渡辺庸子:翻訳)
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『文学会議』(セサル・アイラ、柳原孝敦:翻訳)
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国内では、まずは様々な文芸ジャンルにおける新鮮ですごいとこだけざざっと集めた文学ムック「たべるのがおそい」の発刊がめでたい。
『たべるのがおそい vol.1』(穂村弘、岸本佐知子、西崎憲:編集)
http://babahide.blog.so-net.ne.jp/2016-04-18
『たべるのがおそい vol.2』(石川美南、宮内悠介、穂村弘、津村記久子、四元康祐、西崎憲:編集)
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アンソロジーとしては、まず『美術手帖』に連載された驚愕の小説アート集『小説の家』に度肝を抜かれましたし、『十年後のこと』の安定した出来栄えには感心させられました。
『小説の家』(福永信:編、山崎ナオコーラ、最果タヒ、円城塔、他)
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『十年後のこと』(小山田浩子、最果タヒ、松田青子、森絵都、他)
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作家別では、まずは笙野頼子さんの最新長篇『ひょうすべの国』が凄い。とにかく凄いので、紹介だけでも目を通して下さい。今のこの国を生きるために。それと小山田浩子さんの『穴』文庫版解説にもしびれた。
『植民人喰い条約 ひょうすべの国』(笙野頼子)
http://babahide.blog.so-net.ne.jp/2016-11-29
『読んでくれてありがとう/書いてくれてありがとう(小山田浩子『穴』文庫版解説)』(笙野頼子)
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津村記久子さんと松田青子さんは、エッセイを除けば、それぞれ短篇集一冊だけ読みました。どちらもすごく面白いのです。
『浮遊霊ブラジル』(津村記久子)
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『ワイルドフラワーの見えない一年』(松田青子)
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矢崎存美さんは、人気シリーズを着実に書き下ろしてくれました。『食堂つばめ』は完結。
『ドクターぶたぶた』(矢崎存美)
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『ぶたぶたの花束』(矢崎存美)
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『居酒屋ぶたぶた』(矢崎存美)
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『食堂つばめ7 記憶の水』(矢崎存美)
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『食堂つばめ8 思い出のたまご』(矢崎存美)
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町田康さんは、生活や雑事がどんどん幻想になってゆく独特の作品がインパクト。
『珍妙な峠』(町田康)
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『リフォームの爆発』(町田康)
http://babahide.blog.so-net.ne.jp/2016-03-16
『記憶の盆おどり』(町田康)
http://babahide.blog.so-net.ne.jp/2016-11-22
しかし何といっても強烈インパクトだったのは、『義経記』と『宇治拾遺物語』をぶっちぎり現代文学として語り直した長篇。『ギケイキ』は、あまりのことに定番現代語訳と比べ読みするはめに。『宇治拾遺物語』(町田康:翻訳)と同じ巻に収録された『今昔物語』(福永武彦:翻訳)、『日本霊異記/発心集』(伊藤比呂美:翻訳)も素晴らしかった。
『ギケイキ 千年の流転』(町田康)
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『義経記』(高木卓:翻訳)
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『宇治拾遺物語(日本文学全集08収録)』(池澤夏樹:編集、町田康:翻訳)
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『今昔物語(日本文学全集08収録)』(池澤夏樹:編集、福永武彦:翻訳)
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『日本霊異記/発心集(日本文学全集08収録)』(池澤夏樹:編集、伊藤比呂美:翻訳)
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本谷有希子さん、小山田浩子さん、川上弘美さん、それぞれ一冊だけ読みましたが、どれも圧倒的でした。
『異類婚姻譚』(本谷有希子)
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『穴』(小山田浩子)
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『このあたりの人たち』(川上弘美)
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斉藤倫さん、津原泰水さん、万城目学さん、西崎憲さん、期待を裏切らない安定した面白さで心を揺さぶってくれました。
『せなか町から、ずっと』(斉藤倫、 junaida :イラスト)
http://babahide.blog.so-net.ne.jp/2016-06-21
『とうだい』(斉藤倫:文、小池アミイゴ:絵)
http://babahide.blog.so-net.ne.jp/2016-09-20
『ヒッキーヒッキーシェイク』(津原泰水)
http://babahide.blog.so-net.ne.jp/2016-09-21
『バベル九朔』(万城目学)
http://babahide.blog.so-net.ne.jp/2016-10-20
『ゆみに町ガイドブック』(西崎憲)
http://babahide.blog.so-net.ne.jp/2016-06-22