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2016年を振り返る(2)[ダンス公演] [年頭回顧]

 2016年に観た海外カンパニー来日公演としては、まずはインバル・ピント&アヴシャロム・ポラックとフィリップ・ドゥクフレの、夢の舞台(文字通り)が印象に残っています。夢、それも体調のすぐれないときに見る淡い悪夢を見ている感覚が生々しかった。


『DUST ダスト』(インバル・ピント&アヴシャロム・ポラック)
http://babahide.blog.so-net.ne.jp/2016-02-01

『コンタクト CONTACT』(フィリップ・ドゥクフレ振付、カンパニーDCA)
http://babahide.blog.so-net.ne.jp/2016-10-31


 東京芸術劇場で上演されたTACT/FESTIVAL 2016 の公演三本は、大人も子供も楽しめる作品ながら「人間の尊厳とは何か」といった今日的なテーマを巧みに伝えてくれるのに感心しました。今年も楽しみ。ぜひ子供連れで観に行ってほしい好企画です。


『空飛ぶ男たち Men with Soles of Wind』(ソラス・デ・ヴェント)
http://babahide.blog.so-net.ne.jp/2016-05-09

『ストイック Stoik』(カンパニー・レ・ギューム)
http://babahide.blog.so-net.ne.jp/2016-05-10

『リネア(Linea) ダンシングロープ!』(カンパニー・ドゥッシュドゥッスゥ)
http://babahide.blog.so-net.ne.jp/2016-05-11


 ドイツ表現主義舞踊というと何となく堅苦しいイメージというか偏見があったのですが、スザンネ・リンケの『ドーレ・ホイヤーに捧ぐ』の恋愛至上主義をぶっ飛ばすような辛辣なユーモアと過剰な苦々しさには、良い意味で予想を裏切られて嬉しかった。今年のピナ・バウシュ(ヴッパタール舞踊団)の来日公演への期待も高まります。


『ドーレ・ホイヤーに捧ぐ 『人間の激情』『アフェクテ』『エフェクテ』』(スザンネ・リンケ)
http://babahide.blog.so-net.ne.jp/2016-12-13


 国内カンパニーでは、まずはこれが最後の「トヨタコレオグラフィーアワード」最終審査会が強烈でした。個人的に思い入れがあるダンサー・振付家が受賞してほしいという気持ちを抱えながら、どの作品もドキドキしながら観ました。


『トヨタコレオグラフィーアワード2016 最終審査会』
http://babahide.blog.so-net.ne.jp/2016-08-08


 そのトヨタコレオグラフィーアワード2016に参加した横山彰乃さんが踊る「東京ELECTROCK STAIRS」は、今年は一回しか観られなかったのですが、キュートで泣きそうなくらい素敵でした。高橋萌登さんのダンスにはいつも魂抜かれる思い。管尾なぎささんとのデュオ公演も良かった。今年は高橋萌登さんのダンスをもっとたくさん観たい。


『前と後ろと誰かとえんを壊せ』(東京ELECTROCK STAIRS、KENTARO!!、高橋萌登)
http://babahide.blog.so-net.ne.jp/2016-12-12

『0o。(スーパースリーパースリー)』(高橋萌登×管尾なぎさ)
http://babahide.blog.so-net.ne.jp/2016-06-06


 一方、トヨタコレオグラフィーアワード2016に参加した渡邉尚さんのフロア・ジャグリング公演『WHITEST』は驚きの連続。カンパニー デフラクトの来日公演『フラーク』もそうでしたが、自分のなかにあった「ジャグリング」というもののイメージがどんどん刷新されてゆきます。


『WHITEST』(山村佑理、渡邉尚、カンパニー「頭と口」)
http://babahide.blog.so-net.ne.jp/2016-11-07

『フラーク』(カンパニー デフラクト)
http://babahide.blog.so-net.ne.jp/2016-10-18


 勅使川原三郎さんと山下洋輔さんが共演するというだけで凄いのに、本物の馬が舞台上で「踊る」ということでも話題をさらった『up』は、とにかく凄かった。他にも勅使川原三郎さんの公演は外れがない安定のクオリティが素晴らしい。今年は鰐川枝里さんの活躍にも期待したいです。


『up』(勅使川原三郎、山下洋輔、佐東利穂子、馬)
http://babahide.blog.so-net.ne.jp/2016-10-11

『シナモン』(勅使川原三郎、佐東利穂子)
http://babahide.blog.so-net.ne.jp/2016-05-02

『白痴』(勅使川原三郎、佐東利穂子、鰐川枝里)
http://babahide.blog.so-net.ne.jp/2016-12-20


 異種分野のエキスパート同士の共演ということでは、池田扶美代さんと加藤訓子さんの共演、山田うんさんと芳垣安洋さんの共演、という「ダンス×パーカッション」の公演が熱かった。クロスカルチャーという意味では、北村明子さん、白井剛さん、アジア各国との文化共鳴の試みが印象的でした。


『クロスグリップ』(振付:池田扶美代、パーカッション:加藤訓子)
http://babahide.blog.so-net.ne.jp/2016-01-12

『Co.山田うん ダンスライヴ with 芳垣安洋アンサンブル』
http://babahide.blog.so-net.ne.jp/2016-07-04

『Cross Transit』(北村明子)
http://babahide.blog.so-net.ne.jp/2016-10-03

『原色衝動』(白井剛、キム・ソンヨン)
http://babahide.blog.so-net.ne.jp/2016-02-29


 個人的に好きなダンサー・振付家の今年の公演としては、中村恩恵さんの『ハムレット』、関かおりさんの『を こ』、井手茂太さんの『シカク』などが印象に残っています。コンドルズ恒例さいたま公演『LOVE ME TenDER』における「僕たちコンドルズ・コント班、通称“二軍”は、一度でいいから蜷川さんに舞台を見てもらいたいと思って毎回しょうもないコントを続けてきましたが、それも叶わなくなりました!」という絶叫は2016年のハイライト。


『DEDICATED 2016 DEATH 「ハムレット」』(中村恩恵、首藤康之)
http://babahide.blog.so-net.ne.jp/2016-10-04

『を こ』(関かおり、PUNCTUMUN)
http://babahide.blog.so-net.ne.jp/2016-02-12

『シカク』(井手茂太、斉藤美音子、イデビアンクルー)
http://babahide.blog.so-net.ne.jp/2016-10-24

『ハウリング』(井手茂太、斉藤美音子、イデビアンクルー)
http://babahide.blog.so-net.ne.jp/2016-03-22

『ロミオとジュリエット』(小野寺修二、カンパニーデラシネラ)
http://babahide.blog.so-net.ne.jp/2016-07-19

『あの大鴉、さえも』(小野寺修二)
http://babahide.blog.so-net.ne.jp/2016-10-17

『錆からでた実』(束芋、森下真樹、鈴木美奈子)
http://babahide.blog.so-net.ne.jp/2016-07-11

『LOVE ME TenDER』(構成・振付:近藤良平、コンドルズ)
http://babahide.blog.so-net.ne.jp/2016-06-20


 他には、耳の不自由な人とそうでない人を想像力でつなごうとする試み『ノイズの海』、演劇とダンスを一体化させた『インフルエンデ』、もはや古典の風格を備えた『愛と精霊の家』などが印象に残っています。


『ノイズの海』(南村千里)
http://babahide.blog.so-net.ne.jp/2016-12-19

『インフルエンデ』(まことクラヴ)
http://babahide.blog.so-net.ne.jp/2016-01-25

『愛と精霊の家』(金森穣、井関佐和子、小尻健太、Noism0)
http://babahide.blog.so-net.ne.jp/2016-08-22



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