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2016年を振り返る(8)[サイエンス・テクノロジー] [年頭回顧]

 2016年に読んだサイエンス本としては、重力波検出という歴史的快挙に至る道のりを活き活きとドラマチックに描いた『重力波は歌う』と、ひたすら詰め込まれたシモネタ(生物種の生殖器の型破りな形状や交尾方法、その進化論的理由)に圧倒され頭が生殖器のことで一杯になる『ダーウィンの覗き穴』が強烈な印象を残しました。


『重力波は歌う アインシュタイン最後の宿題に挑んだ科学者たち』(ジャンナ ・レヴィン:著、田沢恭子・松井信彦:翻訳)
http://babahide.blog.so-net.ne.jp/2016-07-21

『ダーウィンの覗き穴 性的器官はいかに進化したか』(メノ・ スヒルトハウゼン、田沢恭子:翻訳)
http://babahide.blog.so-net.ne.jp/2016-03-24


 物理天文まわりでは、SETIから系外惑星探査まで地球外生命探求の現状を概観する『五〇億年の孤独』、ヒッグス粒子の検出とその意義について詳しく解説してくれる『量子物理学の発見』、そしてクェーサーの発見から謎解きに至る道のりをミステリのように読ませる『クェーサーの謎』が面白かった。


『五〇億年の孤独 宇宙に生命を探す天文学者たち』(リー・ビリングズ、松井信彦:翻訳)
http://babahide.blog.so-net.ne.jp/2016-06-09

『量子物理学の発見 ヒッグス粒子の先までの物語』(レオン・レーダーマン、クリストファー・ヒル、青木薫:翻訳)
http://babahide.blog.so-net.ne.jp/2016-11-21

『クェーサーの謎 宇宙でもっともミステリアスな天体』(谷口義明)
http://babahide.blog.so-net.ne.jp/2016-04-28


 医学生物学まわりでは、急激に発展している生物工学の現状とそれによって引き起こされている問題を俯瞰する『サイボーグ化する動物たち』、脳が下す決定に私たちの自意識はどれほど関与できるのかという法的にも哲学的にも深刻な問題に切り込む『意識は傍観者である』が印象的でした。


『サイボーグ化する動物たち ペットのクローンから昆虫のドローンまで』(エミリー・アンテス、西田美緒子:翻訳)
http://babahide.blog.so-net.ne.jp/2016-11-02

『意識は傍観者である 脳の知られざる営み』(デイヴィッド・イーグルマン、大田直子:翻訳)
http://babahide.blog.so-net.ne.jp/2016-10-05


 軽めのサイエンス読み物としては、異常なデータや際立った特徴を示す恒星、意外な特徴を持った生物種など、天文学と生物学における「変わり種」について語りまくる『へんな星たち』と『ざんねんないきもの事典』も楽しめました。


『へんな星たち 天体物理学が挑んだ10の恒星』(鳴沢真也)
http://babahide.blog.so-net.ne.jp/2016-07-27

『おもしろい!進化のふしぎ ざんねんないきもの事典』(今泉忠明:監修)
http://babahide.blog.so-net.ne.jp/2016-11-03


 その他、サイエンスとテクノロジーの基本として、160種を超える様々な動物種を進化系統樹に沿って正しく並べそれぞれに正確で美しいイラストをつけた息をのむような動物図鑑『アニマリウム』、知っているつもりで実はほとんど知らなかった家電製品の仕組みから最新テクノロジーまで解説してくれる『すごい家電』、この二冊が印象的でした。

『アニマリウム ようこそ、動物の博物館へ』(ジェニー・ブルーム:著、ケイティー・スコット:イラスト、今泉忠明:監修)
http://babahide.blog.so-net.ne.jp/2016-11-10

『すごい家電 いちばん身近な最先端技術』(西田宗千佳)
http://babahide.blog.so-net.ne.jp/2016-06-14



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