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『数学難問BEST100 高校数学の知識なしでも解ける歴史的良問を厳選!』(小野田博一) [読書(サイエンス)]

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 本書は、難問に挑戦することを楽しむ本です。「解くために考え続ける楽しさ」を本書でたっぷり味わっていただければ幸いです。
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 数学の歴史上、名高い難問の数々から良問を厳選。数学の楽しさを徹底的に味わせてくれる100問を集めた一冊。単行本(PHP研究所)出版は2015年2月、Kindle版配信は2015年6月です。


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 出題している問題は、「高校数学の知識がなくても解ける問題のみ」に限定してあります。
 もっとも、誤解を生まないように特記しておきますが、本書では「中学で習う内容」を出題しているのではありません。文字通り、高校数学の“知識”を必要としない問題、つまり、「論理的に考えれば中学生でも解ける問題」を出題しているのです。(中略)
 また、当然のことながら、「中学生でも解ける」とは「中学生ならだれでも解ける」の意ではありません。中学生や大人の平均レベルをはるかに超える高い論理思考能力は必要です。
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 いくつかある短いコラムを除けば、ひたすら問題と回答例が並んでいる数学好きのための本です。問題は「紀元前の問題」「中世・ルネサンスの問題」「ニュートンやオイラーの問題」というように配置されており、順番に挑戦してゆくことで、数学の歴史をそのまま体験できるようになっています。

 中学数学の範囲内で証明するというルールがありますので、幾何は幾何、代数は代数として解く必要があります。微分積分や三角関数など高校数学の知識は要求されません。必要なのは「中学生や大人の平均レベルをはるかに超える高い論理思考能力」だけ。なにそれ欲しい。

 いくつか挑戦してみましたが、そもそも証明に至る道筋を考える段階で途方に暮れるばかり。問題によっては「そもそも出題の意味がよく分からない」状態で、まあ、正直、ざっと眺めるだけで終わりました。

 数学好きならずいぶん長く(もしかしたら一生)楽しめると思われますので、ぜひ座右の書として末永くこつこつと挑戦して頂きたいと思います。数学オリンピックに参加しようという若者には、基礎練習としてお勧め。私など夢想も出来ない領域で、震えるような知的興奮を味わって下さい。