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『アビアント ~だから、さよならはいわないよ』(吉田都、牧阿佐美バレエ団) [舞台(バレエ)]

 今年はなるべくコンテンポラリーダンスを観ることに専念することにして、バレエ公演は避けようと思っていたのですが、「新作バレエの主役を吉田都さんが踊る」と聞いては、仕方ありません。とにかく彼女が来日して踊る公演を見逃したくないのです。

 というわけで、渋谷Bunkamuraはオーチャードホールに行ってきました。

 えー、観た感想ですが、まずですね、ストーリーが全く分かりませんでした。まあ、そんなことは大した問題ではないのです。

 全体的に牧阿佐美バレエ団のメンバーの踊りは大したことなかった(失礼)んですが、やっぱりゲストである吉田都さんはダントツに良かった。何しろ彼女、地面に倒れ伏しているだけで絵になります。

 あとは冥界の女王(『ジゼル』に登場するミルタみたいな役)をやった草刈民代さんが、威厳あふるる、とってもハンサムなバレエを踊ってくれました。吉田都さんに対するライバル意識というか競争心に火がついたんじゃないか、そんな感じの気合入り。

 振付はクラシックなものですが、一カ所だけ「おおーっ」と驚いたのは、サッカーの試合をバレエの振付にするというアイデア。

 確かに、サッカー選手の試合中の動きは、ダンスに似たものがあります。今回の振付は、まだまだアイデア先行で充分に練られてないように感じましたが、こういう「スポーツの動きをそのままバレエの振付に取り込む」という方向は面白いと思います。

タグ:吉田都

『くるみ割り人形』(Kバレエカンパニー) [舞台(バレエ)]

 夫婦で大宮ソニックシティまで行って観て来ました。

 クリスマスが近づくとあちこちのバレエ団が舞台にのせる定番中の定番、『くるみ割り人形』。オーケストラにとっての第九みたいな恒例年末イベントです。

 今年はついにKバレエカンパニーが『くるみ割り人形』の舞台をやるというので、もう大興奮。ついに観ることが出来て感激です。

 ストーリーとバージョンですが、細部に色々と手を加えて不条理感を少なくしてあるものの、ほぼスタンダードな展開。マリー姫(しばしば“こんぺいとうの精”と呼ばれる役)とクララは別人、クララもばんばん踊るバージョンでした。

 まず、とくかく衣装と舞台美術が素晴らしい出来ばえ。カーテンコールで美術担当が舞台に登場して、拍手を浴びていました。それだけのことはあります。

 王子を踊った熊川哲也さん、マリー姫を踊った康村和恵さんは、まあいつもの通り。康村さんは、丁寧なバレエでした。熊哲も(彼にしては)控え目に踊ってました。子供の世界を壊しちゃいけないという配慮でしょうか。

 特筆すべきは、むしろスチュアート・キャシディ(ドロッセルマイヤー役)、中平絢子さん(クララ)の演技。キャシディはいつもにもましてノリノリだし、中平さんは細かい小芝居が上手くて、か、かわぃぃーっ、やられました。

 個人的に、『くるみ割り人形』は“ラストワルツ”の途中で切なくなって泣きそうになればいい舞台、というのを判断基準にしているんですが、今回はかなり泣きが入りました。いい舞台でした。

タグ:Kバレエ

『サマー・トリプル・ビル』(Kバレエカンパニー) [舞台(バレエ)]

 夫婦で文京シビックホールまで出かけて観てきました。

 文京シビックホールに行ったのは初めてなんですが、大きすぎず、小さすぎず、ちょうどいい感じの劇場でした。1階席も良い具合に段差がついてて観やすいし、うん、ここは気に入りました。

 熊川哲也ひきいるKバレエカンパニーの夏公演は、トリプルビル、すなわち

『パッシング・ヴォイス』(熊哲振付)
『シンフォニック・ヴァリエーション』(アシュトン振付)
『放蕩息子』(バランシン振付)

という小品3本立て。

 最初の2本は、背景や照明など舞台演出は素晴らしいものでしたが、バレエは・・・うううん。もともと私はアシュトン作品が好きではありません。それを目指したであろう熊哲の振付に至っては「すまん、パス」状態。申し訳ないと思いつつ退屈しておりました。

 最後のバランシン作品は、バシリニコフが踊った映像を観たことがあって、まあどうしてもそれと比べてしまうわけです。技術面では、熊哲の方が上かも知れません。でも、演技面は、う~ん、まだバシリニコフには及ばないかと。

 妖女サイレーンを踊ったのは、以前に客演で「黒鳥」を踊って我が家を騒然とさせた中村祥子さん。男を誘惑して破滅させる悪女とくれば、もう彼女のハマり役です(独断)。Kバレエのバレリーナ陣ではあの「色気」は表現できません。ぜひ、これからもKバレエで踊って、日本のバレエ界に色気を吹き込んでやって欲しいと思います。

 何やかんや言っても、熊川哲也さんと中村祥子さんが踊ればモトは取れるわけで、“確実にチケット代だけの満足は得られる”という安心感があるKバレエは、やっぱり日本では画期的なバレエカンパニーだと思います。

『ドン・キホーテ』(アメリカン・バレエ・シアター) [舞台(バレエ)]

 夫婦で東京文化会館まで行って観てきました。

 ABTのドンキですからそれはもうテッパン安全牌なわけで、あとはエネルギッシュなアンヘルか、上品なホセか、好みで選択ということになります。私たちはホセ・カレーニョが好きなので迷わずこちらを選びました。

 もちろん良い舞台でしたが、ソツのなさがむしろ不満。何だかハジけてない、もっとやれるだろう、という感触が残ってしまいます。あと演奏は大いに不満。ときどき音をハズすし、ダンサーも音楽に乗れてない感じ。

 キューピットを踊ったサラ・レーン、お見事でした。他の精霊たちが舞台を踏み抜く勢いで着地してたのに、彼女はほとんど足音をたてないんですよね。安定した足さばきといい、チャーミングな手の動きといい、レベル高いです。

 後は、花売り娘の二人、特にミスティー・コープランドがえらく可愛い踊りを披露してくれて、心が和みました。

『オールスター・ガラ』(アメリカン・バレエ・シアター) [舞台(バレエ)]

 夫婦で東京文化会館まで行って観てきました。

 『テーマとヴァリエーション』(バランシン振付)で始まり、『シンフォニエッタ』(イリ・キリアン振付)で終わるという面白い構成で、その間にクラシックの定番パ・ド・ドゥが3つはさまります。

 クラシックパートは、タイトルの通りABTのスターダンサー(ジュリー・ケント、アンヘル・コレーラ、ジリアン・マーフィー、ホセ・カレーニョ、他)展覧会という感じ。あ、イーサン・スティーフェルが怪我のため来日を取り止めたそうです。私たち夫婦にとってはどうでもいい話ですが。私たちのお目当ては、ホセ・カレーニョただ一人。

 今回の収穫は、キリアン作品を舞台で観られたこと。こちらの想定を次々に外してゆくユーモラスな振付で、かなり好みでした。

 えー、それにしても今月は凄いことになってます。英国ロイヤルバレエ、パリ・オペラ座、アメリカン・バレエ・シアター、ハンブルグ・バレエ、といった世界でも最も人気があるカンパニーが同時多発的来日公演。いったい、どれを観にいけば良いやら。

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