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『motoshi chikamori ++ kyoko kunoh』(plaplax プラプラックス) [映像(映画・ドキュメンタリー)]

 先日観た珍しいキノコ舞踏団公演『The Rainy Table』は、背景スクリーンに投影される映像のセンス、さらに舞台上のダンサーと映像上のダンサーのインターラクションなど、アート作品としても見応えがありました。

 このメディアアートを制作したplaplaxというアートユニットの作品カタログを会場で購入したのですが、そこに付属していたDVDを再生してみました。

 plaplaxおよびその前身であるminim++の主な作品の、それぞれごく短い(数分程度の)紹介映像が多数収録されています。作品の多くがインターラクティブアートなので、美術展などで展示されている作品に鑑賞者が「作用」して「反応」を引き起こす様をビデオ撮影したものが大半。

 机の上に雑然と並んでいる文房具。鑑賞者が手を触れると、その影が変形したり動物の姿になったり。あるいは並んだ柱のそばを通ると、列柱に巨大な魚の影が現れてゆうゆうと泳いでゆく。自分の影がゆっくりと変形して他の生き物になる。地面を歩くと様々な動物の足跡が残り、そこを他の人が踏むと、その動物が現れて走り去ってゆく、などなど。

 まるで絵本のように楽しく、ちょっと不気味な絵や影が、鑑賞者の働きかけに応じて現れたり消えたり動いたりする様は、心浮き立つような、それでいて奇妙な懐かしさも感じさせてくれます。

 観ていると、実際に触って色々と試したくなる作品ばかり。まるで、不思議なおもちゃ箱のようです。

 また、ダンサー/振付家である小川麻子さんとのコラボレーション作品の舞台映像も短時間ながら収録されており、コンテンポラリーダンスの鑑賞者としても要注目です。


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『深海の世界』(NHKエンタープライズ) [映像(映画・ドキュメンタリー)]

 JAMSTEC(海洋研究開発機構)が行なってきた日本周辺の深海探査において、超高感度ハイビジョンカメラで撮影された深海生物の映像集です。

 相模湾、伊豆諸島・小笠原周辺、三陸沖、鳩間海丘、富山湾・後志海山。海域ごとにまとめられた映像に、解説ナレーションと環境音楽っぽいBGM付き。

 深海生物を映した映像はこれまでにも数多く観てきましたが、これは鮮明さが違います。奇怪で美しいクラゲの姿が、変な言い方ですがコンピュータグラフィックスと見紛うばかりのクリアかつ立体感あふれる映像で、ばばーっんと大画面に映し出される感動ときたら!

 余計な映像はほとんどなく、ひたすら深海生物の姿を映し続けるだけのディスクですが、この映像クオリティならそれでいいと思います。設定により解説や字幕を消すことが出来るので、一通り観賞した後は、環境ビデオとしてリピート再生しっぱなしにしておくという使い方も想定しているのでしょう。

 おまけとして、深海から採取した海水に含まれるマリンスノーを電子顕微鏡でとらえた10分弱のモノクロ映像(静止画連続)が収録されており、こちらは解説なし。現代アートのような奇妙な立体構造体が次々と映され、その不思議さにシビれます。

 とにかく現時点で深海生物映像としては最高の1枚でしょう。私が観たのはDVD版ですが、ブルーレイディスク版も出ているので、再生環境を持っている方にはそちらをお勧めします。

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『ピクサー・ショート・フィルム & ピクサー・ストーリー』 [映像(映画・ドキュメンタリー)]

 『トイ・ストーリー』や『ファインディング・ニモ』で有名な、コンピュータアニメーション制作会社「ピクサー」を追ったドキュメンタリーフィルムと短編作品集の2枚組みDVDを観賞。

 ドキュメンタリーフィルム『ピクサー・ストーリー』は、「フルCGアニメーション長編作品を創る」という夢を実現するためにILMに集まった連中が独立し、ピクサーを立ち上げてから今日までの歴史を手際よくまとめてくれます。

 唐突に出現していきなり大成功をおさめたような印象があるピクサーですが、そこに至るまでの(そしてそこからの)悪戦苦闘とドラマの数々には驚かされます。

 どんな苦境にあっても絶対にあきらめない彼らの情熱、赤字続きでも将来性を信じ投資を継続したスティーブ・ジョブズ氏の姿勢など印象的なエピソードは多いのですが、何よりもピクサー社のオフィスの様子や制作過程を写したホームビデオが公開されているのが嬉しいところ。

 恐るべきハードワークを心から楽しんでやっている様子に、そして障害を乗り越えて次々と大ヒットを飛ばす彼らの姿を見ていると、アメリカン・ドリームという古めかしい言葉が生き生きと脳裏に蘇ってきたり。

 個人的には、ピクサー社がなし遂げたコンピュータグラフィックス技術のブレークスルーについてもう少し突っ込んだ解説がほしかったのですが、これは無茶な要求というべきでしょう。

 もう1枚のディスクには、初期作品から最近のDVD特典映像(長編作品の番外篇のようなショートフィルム)まで主要な短編アニメ作品が制作年順に収録されており、技術の発展を目の当たりにすることが出来ます。どれも心に残る良作ばかりで、本当にアニメーションを愛する人々が作っているのだなという感慨を覚えます。

 ピクサー作品のファンはもちろんですが、起業家を目指している若い人にもぜひ観てほしい、勇気と高揚感あふれるドキュメンタリーです。


[収録作品]

『アンドレとウォーリーB.の冒険』(The Adventures Of Andre & Wally B)
『ルクソーJr.』(Luxo Jr.)
『レッズ・ドリーム』(Red's Dream)
『ティン・トイ』(Tin Toy)
『ニックナック』(Knick Knack)
『ゲーリーじいさんのチェス』(Geri's Game)
『フォー・ザ・バーズ』(For The Birds)
『マイクとサリーの新車でGO!』(Mike's New Car)
『バウンディン』(Boundin')
『ジャック・ジャック・アタック!』(Jack Jack Attack)
『メーターと恐怖の火の玉』(Mater & The Ghostlight)
『ワン・マン・バンド』(One Man Band)
『リフテッド』(Lifted)

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『トゥヤーの結婚』(ユー・ナン、ワン・チュアンアン監督) [映像(映画・ドキュメンタリー)]

 第57回ベルリン国際映画祭金熊賞グランプリの栄誉に輝いた作品を観賞。内モンゴルの荒野に生きる一人の女性を描いた映画です。

 ルー・ウェイが書いた脚本が極めて良く出来ています。ヒロインの決断を通して、家族愛、家族に対する責任、逆境から逃げない強さ、といったものが、観客の心に強くせまってきます。ヒロインをはじめとして登場人物たちの言動にわざとらしいところがなく、誰もが共感を覚えるに違いありません。

 ストーリーの完成度も高いのですが、何より素晴らしいのは、映し出される風景の美しさ、人々の生活、民族衣裳、動物(ラクダ、モウコウマ、羊)。ドキュメンタリーフィルムではありませんが、内モンゴルを扱った良質のドキュメンタリーだと言っても良いほど。

 安易なエキゾチシズムに流されることなく、しっかりと作り込まれた作品で、観終わった後に清々しい感動がわき上がってきます。なるほど世界中でヒットしたのも納得の出来ばえです。

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『エグベルト・ジスモンチ 創作の原点に迫る』(芸術劇場、NHK教育) [映像(映画・ドキュメンタリー)]

 10月3日の夜に放映された番組ですが、録画しておいて今日じっくり観賞しました。2007年の来日公演時に大いに話題となり、今年2008年夏の再来日公演では東京フィルとの共演でオーケストラ作品も演奏されたブラジルの作曲家(ギタリスト、ピアニスト)エグベルト・ジスモンチの特集です。

 ドキュメンタリーパートは、ジスモンチ本人へのインタビュー、東京フィルとのリハーサル映像、ギタリストの鈴木大介さんによる紹介と解説、といったもので構成されています。

 その後、2008年7月3日に紀尾井ホールで収録された「<東京の夏>音楽祭2008 エグベルト・ジスモンチのオーケストラ・コンサート」の映像をたっぷり見せてくれるわけですが・・・。

 もういきなり大ハマリというか、興奮の嵐というか、とにかく感激しました。躍動感あふれるリズム、魂抜かれるような美メロ、うねるような見事な曲想、そしてきっちりした構成。自身の演奏も凄いが、オーケストラの使い方も立派。

 管弦楽作品、弦楽のみの作品、ギターソロ、ギターと管弦楽、ピアノと管弦楽、バラエティに富んだプログラム構成ですが、とにかくどの曲も良し。退屈な曲が一つもないという、何なんですかこれは。特にピアノ作品が私の心を直撃。

 終わった後、すぐに通販でCDを何枚も注文してしまいました。2007年の来日公演の映像を収録したDVD『ライヴ・イン・トーキョー』も出てるはずなんですが、在庫切れと表示されて購入できず。悔しい。

 NHK教育『教育劇場』は基本的にダンス公演のときしか観てなかったのですが、先日のスティーヴ・ライヒといい今回のジスモンチといい、これまで知らなかった凄いシビれる音楽にぶつかったことを考えると、これからは音楽公演もまめにチェックしようと思いました。いまさらですが。


<東京の夏>音楽祭2008 エグベルト・ジスモンチのオーケストラ・コンサート

<曲目>(全てエグベルト・ジスモンチ作曲)

『ストラーヴァ・ノ・セルタゥン』
『7つの指輪』
『ア・ファーラ・ダ・パイション』
『思い出とファド』
『フォホボドー』
『アマゾンの密林』
『シランダ・ノルデスチナ』
『セルトンエス・ヴェレーダス組曲 から 第1楽章』
『ルンドゥ』
『ダンサ・ドス・エスクラヴォス』
『フレヴォ』
『少女たち』

<演奏>
エグベルト・ジスモンチ(ピアノ、ギター)
東京フィルハーモニー交響楽団
沼尻竜典(指揮)

<収録>
2008年7月3日 紀尾井ホール

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