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『トゥヤーの結婚』(ユー・ナン、ワン・チュアンアン監督) [映像(映画・ドキュメンタリー)]

 第57回ベルリン国際映画祭金熊賞グランプリの栄誉に輝いた作品を観賞。内モンゴルの荒野に生きる一人の女性を描いた映画です。

 ルー・ウェイが書いた脚本が極めて良く出来ています。ヒロインの決断を通して、家族愛、家族に対する責任、逆境から逃げない強さ、といったものが、観客の心に強くせまってきます。ヒロインをはじめとして登場人物たちの言動にわざとらしいところがなく、誰もが共感を覚えるに違いありません。

 ストーリーの完成度も高いのですが、何より素晴らしいのは、映し出される風景の美しさ、人々の生活、民族衣裳、動物(ラクダ、モウコウマ、羊)。ドキュメンタリーフィルムではありませんが、内モンゴルを扱った良質のドキュメンタリーだと言っても良いほど。

 安易なエキゾチシズムに流されることなく、しっかりと作り込まれた作品で、観終わった後に清々しい感動がわき上がってきます。なるほど世界中でヒットしたのも納得の出来ばえです。

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