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『新作短編集(2017) Nouvelles Pieces Courtes』(フィリップ・ドゥクフレ、カンパニーDCA) [ダンス]

 2018年7月1日は夫婦で彩の国さいたま芸術劇場に行って、フィリップ・ドゥクフレ率いるカンパニーDCAの公演を鑑賞しました。ダンサー6名+フィリップ・ドゥクフレご本人、総計7名の出演者による上演時間95分の舞台です。


[キャスト他]

振付・演出: フィリップ・ドゥクフレ
出演: フラビアン・ベルヌゼ、アレクサンドル・カストル、メリチェイ・チェカ・エステバン、ジュリアン・フェランティ、スザンヌ・ソレール、ヴィオレット・ヴァンティ、フィリップ・ドゥクフレ


[演目]

1. デュオ Duo
2. 穴 Le Trou / The Hole
3. ヴィヴァルディ Vivaldis
4. 進化 Evolution / Evolution
5. 日本への旅 Voyage au Japon / A Journey to Japan


 何枚もの回転板から構成された背景、そこに映像が投影されたり、板を回転させつつ出演者たちが出入りしたり。照明は美しく、ときに影になる出演者のシルエットも含めて、どこか夢を見ているような感触が続きます。

 踊っているダンサーの姿を撮影して背景に投影する、ただしリアルタイムではなく数秒のディレイ(遅延)を入れる、という演出が、様々なバリエーションで繰り返されます。わずかな出演者が多重投影されて映像上は群舞になってみるなど。過去の作品にも多用されていたテクニックですが、今作の使い方は今まで観たなかで最も洗練されていたと思います。

 吊りを使ったサーカス風のダンスも定番ですが、今回のそれは驚嘆すべき出来映え。まるでダンサーが自由自在に空中浮遊しているように感じられ、その浮遊感と夢をみてる感が凄い。手前に映像が投影される半透明スクリーンがあることも劇的効果を高めています。

 楽しいドタバタが繰り広げられる「日本への旅」は、これは日本公演のボーナスなのかな。空港や機中での混乱や、ヘンな国に来てしまったフランス人がわけのわからぬ文化ギャップにあたふたしながらも楽しんでいる様子が、ダンスで表現されます。ちなみにコンドルズ感高し。



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『Solstice(ソルスティス) 夏至/冬至』(ブランカ・リー) [ダンス]

 2018年6月30日は夫婦で東京芸術劇場プレイハウスに行って、ブランカ・リー・ダンスカンパニーの公演を鑑賞しました。ダンサー14名と演奏者1名、総計15名の出演者による上演時間100分の舞台です。


[キャスト他]

振付・演出: ブランカ・リー
演奏・歌: バシール・サノゴ

出演: ヤクノイ・アブル・アルフォンソ、ピーター・アガルディ、レミー・ベナー、ジュリアン・ガイヤック、イリス・フロレンティーニ、ジョセフ・ジェブラエル、ヤン・エルヴェ、オーロル・アンダブル、アレクサンドラ・ジェズワン、ポリーヌ・ジュルネ、マルガリダ・リエラ・ロッヂ、ガエル・ルージュグレズ、管野由衣、ビクター・ヴィルノ


 天井から吊り下げられ舞台を覆うように広がる何枚もの巨大な白い布。はためき、自由自在に角度を変えつつ浮遊するその「スクリーン」に、非常にリアルな風景映像(溶岩、凍てつく荒野、海面など)がプロジェクションされ、さらにウインドマシンによる強風や大量の砂などの大道具が加わり、舞台上に大自然をつくり出します。

 演奏者の強烈なパーカッションに乗せて、野性味あふれる動きを繰り出すダンサーたち。ダンスの動きも面白いのですが、強風にはためく布、水音を作り出すために水槽に手を入れて水をジャバジャバ、砂まみれでごろごろ転がるなど、観客に「やってみたい」という原始的な衝動を引き起こす演出が印象に残ります。個人的には、舞台上に大量の砂をまいて作り上げた「ビーチ」で全員がはじけ回るクライマックスがお気に入りです。あと強風(嵐)のシーンも。ところどころピナ・バウシュの演出を思い出させるシーンが含まれているのも印象的でした。



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