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『ハルハトラム 6号』(現代詩の会:編、北爪満喜、白鳥信也、小川三郎、他) [読書(小説・詩)]

 「現代詩の会」メンバー有志により制作された詩誌『ハルハトラム 6号』(発行:2024年5月)をご紹介いたします。ちなみに既刊の紹介はこちら。


2023年04月21日の日記
『ハルハトラム 5号』
https://babahide.blog.ss-blog.jp/2023-04-21

2022年04月06日の日記
『ハルハトラム 4号』
https://babahide.blog.ss-blog.jp/2022-04-06

2021年08月02日の日記
『ハルハトラム 3号』
https://babahide.blog.ss-blog.jp/2021-08-02

2020年05月03日の日記
『ハルハトラム 2号』
https://babahide.blog.ss-blog.jp/2020-05-03

2019年07月02日の日記
『ハルハトラム 1号』
https://babahide.blog.ss-blog.jp/2019-07-02




[ハルハトラム 6号 目次]
――――――――――――――――――――――――――――
『翼果』(楼 ミュウ)
『山の上ホテル』(橘花 美香子)
『水瓶』(長尾 早苗)
『雪の日に』(水嶋 きょうこ)
『目ざめのこと』(来暁)
『豊饒の秋』(小川 三郎)
『朝露(映った影)』『ランプ』(北爪 満喜)
『火種』(恵矢)
『ここわ はいつてはいけない』(サトミ セキ)
『曲折』(佐峰 存)
『空の手あて』(島野 律子)
『ラストポエット』(白鳥 信也)
――――――――――――――――――――――――――――

 詩誌『ハルハトラム』に関するお問い合わせは、北爪満喜さんまで。

北爪満喜
kz-maki2@dream.jp




――――
大学生の私はここを
「あこがれ」
「高い場所」
「わたしにはいけない」
と決めて
「いつか、ね」って

大切な箱に入れて触れないようにしていた

記憶と時間にノイズがはいる
12時間のハーモニーを奏でつくりだされる珈琲
水滴はこの瞬間を忘れないように
ときをとめるようにぎゅっととじこめ
私の体内で花をひらいていく

ちくっと、ささる
――――
『山の上ホテル』(橘花 美香子)より




――――
花をながめば口元はほころぶ、そこに冷たさはない。温かい口元、それに驚いた目元から
嘲りが起こり口元へ渡される。受け取らない。目元に誠実を、誠実を供にして、暗い道を。
火を見つけても、あるがままに。あるがままに火を。何故そこに火があるのかなど問いか
ける必要はない。
――――
『目ざめのこと』(来暁)より




――――
ああ冬なのに
もう秋なのですね。

部屋のなかにまで
季節が入り込んできます。

宙に浮かんだ
あなたの身体よ。
私と入れ替わってくれないか。

床一面が
秋になったら
虫になって這いまわろうか。
それとも人の子をとって食らおうか。
――――
『豊饒の秋』(小川 三郎)より




――――
羽根を抜いて 羽根を抜いて
織るのではなく 書いた

この血から書き続ける紅い文字は
羽根を離すと黒くなった

朝ごとに地上に落下する閉じた睫毛に 朝露
うつす
――――
『朝露(映った影)』(北爪 満喜)より





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