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『増補新装版 オカルト・クロニクル』(松閣オルタ) [読書(オカルト)]

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 この本は2018年に洋泉社から出版された『オカルト・クロニクル』の増補新装版である。
 出版後ほどなくして洋泉社がなくなり、ひっそりと絶版となっていた。(中略)度重なる霊障を乗り越え、増補新装版として編集されたのが、本書である。(中略)
 書き下ろし『もうひとりのサジェ』に関しては、本来、旧版の続編――つまりは、予定されていた“幻の第2弾”のためにストックしてあった記事であるが、この第2弾も例によって霊障と思しき力で「実際に幻」となった(編集部註:第2弾、出す予定です……)。ゆえにSDGsの観点から蔵出しということで本書に収録されている。
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単行本p.5


 国内外で起きた謎の奇妙な事件を取り上げ、その真相に迫るオカルト・クロニクル、通称『オカクロ』。出版されるやたちまち絶版となったあのオカクロがとうとう帰ってきた! しかも新しい記事が5本も追加され、既存記事にも最新情報が追加されているという、おおばん振る舞い。さらには続編が出るとか出ないとか……。単行本(二見書房)出版は2022年9月です。


 オカクロ旧版についてはこちら。


2018年08月28日の日記
『オカルト・クロニクル』
https://babahide.blog.ss-blog.jp/2018-08-28


 なぜ被害者はそんな行動をとったのか、どうして犯人はわざわざそんなことをしたのか。ありえない超常現象は本当に起きたのか。偶然なのか何かの符合なのか。あまりにも奇妙な謎の事件が20件も収録されている本で、ただ紹介するだけでなく謎を解くべく情報を幅広く収集し、いくつかの事件については現場で取材し、様々な仮説を取り上げてはひとつひとつ検討してゆく、そんな一冊。文章はユーモラスながら(しばしばお寒いギャグが飛び出しますがそれも味)、ミステリー小説を読んでいるかのようにぐいぐい謎の中心へと引っ張ってくれます。

 個人的には海外の事例よりも日本の怪事件を扱った記事に惹かれました。特に「井の頭公園バラバラ殺人事件」や「八丈島火葬場七体人骨事件」、そして「赤城神社主婦失踪事件」といった記事については、その情報量と仮説検討の詳細さに感動しました。

 記事によっては旧版の内容に対する訂正や追加情報が入ったり。


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「北朝鮮による拉致説が濃厚」と考えていたオカクロとしては、2018年刊行の『オカルト・クロニクル』(洋泉社)において、不確かな当て推量を展開し、それを読まされてしまった遺族の方、読者諸兄に謝罪します(本書・新装版では削除)。そして、犯人扱いした北朝鮮拉致工作関係者も、疑ったりして、すみませんでした。
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単行本p.127


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 2022年(令和)5月。騒動から22年。この騒動が映画化(『N号棟』)され、やや話題になった。その影響もあってか、ご当地の岐阜新聞が『幽霊マンション騒動から22年、現地を取材「兆候」は過去にも?』と題して、追跡記事を掲載した。
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単行本p.253


 取り上げられている記事は次の通りです。★がついているのが新作。


◎ディアトロフ峠事件
  ロシア史上最も不可解な未解決事件

◎熊取町七名連続怪死事件
  日本版『ツイン・ピークス』の謎

◎青年は「虹」に何を見たのか
  地震予知に捧げた椋平廣吉の人生

◎セイラム魔女裁判
  村に魔女は本当にいたのか……

◎坪野鉱泉肝試し失踪事件
  ふたりの少女はどこへ消えたのか

◎「迷宮」
  平成の怪事件・井の頭公園バラバラ殺人事件

◎「人間の足首」だけが次々と漂着する“怪”
  セイリッシュ海の未解決ミステリー事件

◎「謎多き未解決事件」
  長岡京ワラビ採り殺人事件

◎ミイラ漂流船
  「良栄丸」の怪奇

◎科学が襲ってくる
  フィラデルフィア実験の狂気

◎岐阜県富加町「幽霊団地」
  住民を襲った「ポルターガイスト」の正体

◎八丈島火葬場七体人骨事件
  未解決に終わった“密室のミステリー”

◎獣人ヒバゴン
  昭和の闇に消えた幻の怪物

◎ファティマに降りた聖母
  7万人の見た奇蹟

◎赤城神社「主婦失踪」事件
  「神隠し」のごとく、ひとりの女性が、消えた

★もうひとりのサジェ
  170年以上前、北ヨーロッパで起きた「ドッペルゲンガー事件」の深層

★数奇なる運命に翻弄された一家
  城崎一家8人全滅事件

★山荘の怪事件
  10人が黒焦げで発見された「第二の帝銀事件」

★君と僕と呪われた脳
  世界の幽霊屋敷

★数字で学ぶ日本の異世界
  心霊スポット統計学





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