SSブログ

『Spirit 2018』『I.B.I.S』(バンガラ・ダンス・シアター) [ダンス]

 2018年11月10日は、夫婦で彩の国さいたま芸術劇場に行って、オーストラリアのバンガラ・ダンス・シアターの公演を鑑賞しました。16名のダンサーが踊る75分の舞台です。

『Spirit 2018』
  演出・振付: スティーヴン・ペイジ

『I.B.I.S』
  演出・振付: デボラ・ブラウン、ワアンゲンガ・ブランコ

 オーストラリア先住民の伝統的舞踊とコンテンポラリーダンスを融合させた二本の作品が続けて上演されます。まずはオーストラリアのアボリジナル・トレス海峡諸島の伝統的な舞踊や伝承を元に作成された『Spirit 2018』。儀式や動物の霊魂をテーマにした民俗舞踊が展開されます。

 スピリチュアルな自然崇拝の世界、そこにいきなり天井から商品陳列棚が降りてきて、気がつくと舞台はスーパーマーケット。掃除や荷運びなど明らかに低賃金労働に従事している出演者たち。ここから『I.B.I.S』が始まります。

 新自由主義経済がはばをきかす現代社会で、不遇な地位に追いやられている先住民の子孫たち。時代が流れ、舞台も近代的なビルが並ぶビジネス街へと変貌し、みんな機械のように無個性に黙々と働くしかありません。

 しかし、そんな生活にうちひしがれることを拒否して、伝統的リズムにのせてみんなで踊り、自分たちのルーツである文化を守り体現しようとする試みが描かれます。その明るく楽しい浮かれた雰囲気と、でもそれは既に失われてしまったものだと自分たちもよく分かっているという哀しみが、観客の感情を絶妙に揺さぶってきます。

 後半の『I.B.I.S』の方がコンテンポラリーダンスの比重が高く、個人的にはこちらの方が好みです。



nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:演劇

『読書』(勅使川原三郎、佐東利穂子) [ダンス]

 2018年11月9日は、夫婦でKARAS APPARATUSに行って佐東利穂子さんのソロダンス公演を鑑賞しました。小説のテキストを使った70分の作品です。

 佐東利穂子さん自身が小説の一部を朗読した録音が延々と流れ、それを背景に踊ります。小説の内容を追うのではなく、読書体験そのものを動きで表現しているようです。

 ちなみに原作は未読なのですが、「現代ドイツ語文学の最高峰」とされたり、「二十世紀最大の妹萌え小説」と呼ばれたりする、オーストリアの作家ローベルト・ムージルの代表作『特性のない男』です。引用は日本語版の第4巻から。主人公ウルリッヒが妹アガーテとともに家にひきこもって、あれこれ難解で哲学的でそして性的暗喩に満ちた会話をひたすら繰り広げる部分です。

 舞台上には椅子とソファが置かれ、佐東利穂子さん演じるところの女性が居間で本を読んでいるというシーンから始まります。いつもは髪を結い上げている佐東利穂子さんが髪を下ろしているので、別人のよう。というか、動きと照明の具合で、シーンごとにまるで別人に見えます。

 ゆったりと宙をかきまぜるような動き、空間を鋭く切り裂くような動き。さらに繊細で解像度の高い動きがくり広げられ、これまでの公演では観たことがなかった、と感じられる印象的な動きの数々に驚かされます。

 朗読は一時間近く続くのですが、それが終わって静寂になってからの展開が凄い。感傷的ラストを演出する定番曲であるところのラフマニノフ「ヴォカリーズ」が流れて、観客が油断したところで、いよいよ怒濤のダンスが始まります。

 大音響で轟き渡る波音。かき消されそうになりながらも続くヴォカリーズ。アパラタス空間が音圧に震え、それをもしのぐ迫力で佐東利穂子さんのダンスが炸裂。視覚と聴覚の大洪水に、こちらの意識も吹っ飛びます。こう、すごかった。佐東利穂子さんのダンスといえば、内に秘められた情熱と狂気、という印象が強いのですが、それが外に向かって遠慮なく放出されるとどうなるか。はじめて体験したように思います。



nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:演劇

『日本昭和トンデモ児童書大全』(中柳豪文) [読書(オカルト)]

――――
 本書は、著者を含めた当時の子どもたちの頭から離れないほどのショッキングな内容を掲載した、昭和の“トンデモ”な児童書を紹介したものだ。恐らく今の世の中では、この手のコンテンツを子ども向けに出版するのは非常に難しいだろう。しかし、当時は、心霊、UFO、UMA、超能力、ノストラダムスの大予言などなど、ショッキングというか、オカルト的な内容が、テレビや本でバンバン紹介される全盛期であった。
――――


 戦慄の四次元ミステリー、世界の怪奇画報、円盤写真大図鑑、モンスター大図鑑、恐怖の予言大全科、ふしぎ人間エスパー入門……。子供の頃にドキドキしながら読んで、衝撃的なイラストに震え上がり、夜眠れなくなった、あの児童書の数々が、今蘇る! 正直、別に蘇らせなくてもいいのではないかとも思える「昭和トンデモ児童書」を実に90冊以上も紹介してくれる一冊。もちろん、あのイラストやこのイラストも掲載。ムック(辰巳出版)出版は2018年10月です。


――――
 あの頃の子どもたち(僕たち)は心が、想像力がまだまだ自由で、好奇心の塊だった。目の前の事象に具体的にどう対処するか(ハウツー)ではなく、一つの絵や話からイマジネーションを膨らませ、未知のものや未来について考えることに夢中だった。その姿勢に厳しくも優しく伴走してくれたのが、これらトンデモ児童書だったのだと思う。
――――


 というわけで、現代ではまず出せない煽情的でショッキングで奇天烈なオカルト系児童書がずらりと。一瞬「懐かしい」と思うわけですが、次の瞬間には「怖い」「やばい」「見なきゃ良かった」という、幼い頃の気持ちまでそのまま蘇ってくるのには驚かされました。

 こういう本をむさぼるように読んだ子どもがどうなるかというと、それから半世紀が過ぎても、いまだにUFO同人誌に関わって「地球空洞説の歴史」みたいな原稿を書いてたりするわけです。子どもを駄目にする有害図書だ、と非難されたら反論は難しいのではないでしょうか(エビデンスは私)。

 ちなみに平成最後のUFO同人誌『UFO手帖3.0』は、11月25日(日)開催の第二十七回文学フリマ東京 ク-38「Spファイル友の会」で購入できます。


[目次]

3大レーベル大特集

 ドラゴンブックス
  『恐怖と怪奇の世界 吸血鬼百科』
  『食糧危機を生きぬくための 飢餓食入門』
  『地球の危機を生きぬくための 生き残り術入門』
  『きみも悪魔博士になれる 悪魔全書』
  『なぞと怪奇の世界をさぐる ミイラ大百科』
  『20世紀最後のなぞに挑戦する 四次元ミステリー』
  『幽霊のAからZまでわかる 日本幽霊百科』

 ジュニアチャンピオンコース
  『なぞ驚異 世界のなぞ世界のふしぎ』
  『絵ときこわい話 怪奇ミステリー』
  『驚異の記録 あの事件を追え』
  『絵ときSF もしもの世界』
  『なぞ神秘 世界の秘宝をさぐれ』
  『ぼく滅作戦 人間の敵ショッキング情報』
  『なぞ驚異 七つの世界の七不思議』
  『なぞ怪奇 超科学ミステリー』
  『絵とき21世紀 大予言! 未来をさぐる』
  『きみならどうする? ゆうれい屋敷の探検』
  『推理クイズ あなたは名探偵』

 ジャガーバックス
  『日本妖怪図鑑』
  『世界妖怪図鑑』
  『魔術妖術大図鑑』
  『なぞの怪獣大図鑑』
  『これが科学捜査だ』
  『世界の超能力者』
  『地獄大図鑑』
  『怪奇! 日本ミステリー図鑑』
  『恐怖! スパイ大作戦』
  『決戦! 日本連合艦隊』
  『日本の特攻兵器』
  『ドイツ機甲軍団』
  『陸上航空海上 自衛隊図鑑』
  『第三次世界大戦 戦う自衛隊』

記憶に残る人気レーベル
 なぜなに学習図鑑シリーズ
  『なぜなに からだのふしぎ』
  『なぜなに びっくり理科てじな』
  『なぜなに びっくり動物』
  『なぜなに 世界の大怪獣』
  『なぜなに 世界のふしぎ』
  『なぜなに 大昔の人間』
  『なぜなに びっくり世界一』

ユニコンブックス
  『科学捜査 科学捜査なんでも百科』
  『ミイラ ミイラ・なぞをさぐる』
  『怪奇 実話! 62の怪奇スリラー』
  『スパイ スパイ術てってい解剖』
  『大恐竜 恐竜ものしり博物館』
  『人体 人体びっくり解剖』

世界怪奇シリーズ
  『世界の怪奇画報』
  『妖怪大図鑑』
  『円盤写真大図鑑』
  『世界の恐怖画報』
  『世界のスリラー画報』

ひばり書房 初期ハードカバー
  『怪奇城大図鑑』
  『UFOの恐怖 円盤大図鑑』
  『こわい怪談画報』
  『謎と恐怖の大図鑑』
  『きみもできる 不思議な術』

フタミのなんでも大博士
  『モンスター大図鑑』
  『世界の幽霊大図鑑』
  『日本の幽霊大図鑑』
  『世界の七不思議大図鑑』
  『ドラキュラ大図鑑』

大全科シリーズ
  『怪奇大全科』
  『恐怖の予言大全科』
  『妖怪大全科』
  『ショック残酷大全科』

衝撃!! トラウマ!? 名タイトル27選
  『UFOの秘密』
  『空飛ぶ円盤発見!!』
  『驚異! 謎の自然怪大特集』
  『ネッシーは生きている』
  『ふしぎ人間エスパー入門』
  『超科学のなぞ エスパー大行進』
  『怪奇』
  『大推理 古代史のなぞ』
  『推理大作戦 世界のなぞと怪奇』
  『続・世界の怪奇ミステリー』
  『恐怖、ミステリー』
  『図解 大地震がくる! 』
  『SOS地球人 滅びゆく地球より』
  『日本あやうし! きみたち日本人に警告する!!』
  『日本は沈没する』
  『大異変! 地球SOS』
  『地球の最期X年』
  『世界の妖怪図鑑』
  『世界のモンスター』
  『図鑑 怪談・奇談』
  『恐怖! 幽霊スリラー』
  『わたしは幽霊を見た』
  『ソロモン王の魔法術』
  『悪魔王国の秘密』
  『怪奇大魔法』
  『探検大作戦 世界の秘宝』
  『ショック! 写真構成 人体の怪奇大百科』

コラム
 1.親も安心の健全系!? 図書館の2大定番シリーズ
 2.マニアならではの鑑賞法!? 1絵柄の違いを密かに愉しむ
 3.マニアならではの鑑賞法!? 2微笑ましい絵にほっこりする
 4.昭和トンデモ系!? グッズコレクション1
 5.昭和トンデモ系!? グッズコレクション2
 6.こんなところにもトンデモが!? 少し古い時代の書籍や雑誌の付録



nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:

『ハロー・ワールド』(藤井太洋) [読書(SF)]

――――
「袖のHello, world!(ハロー・ワールド)は? よく見るんだけど何か意味あるの?」
「うまくいきますように、っていうおまじない」
 僕のそっけない答え方に郭瀬が吹き出した。「泰洋さん、面白いけど、ひどいよ。汪さん、ハロー・ワールドってのは一番初めにプログラムで書かせる文字列なんだ。これを表示するところからソフトウェア開発は始まる。C言語の初めての教科書で使われたサンプルで──」
「だから、おまじないだろ」
――――
Kindle版No.27


 "Hello, world!"と表示せよ。
 そこから始まるプログラミングの世界。それは、現実世界とどのようにつながってゆくのだろうか。インターネットや仮想通貨を「解放」するために戦う(コードを書く)技術者の姿を描いた、高揚感に満ちたハクティビズム連作小説。単行本(講談社)出版は2018年10月、Kindle版配信は2018年10月です。


 新しいプログラム言語を学び、最初に書いてみる小さな小さなソースコード。正しい開始、正しい終了、きちんと閉じて、文法ミスがなければ、実行すると画面に"Hello, world!"と表示される。それがすべての始まり。今やあなたはそのプログラム言語で表現できるあらゆるアルゴリズムの世界にアクセスできるようになった。そして、それを正しく使えば、小さな画面を通じて現実世界とそこに生きる現実の人々にもまた、アクセスできるのだ。
 ハロー・ワールド、世界にようこそ。


[収録作品]

『ハロー・ワールド』
『行き先は特異点』
『五色革命』
『巨象の肩に乗って』
『めぐみの雨が降る』
『特別番外編 ロストバゲージ』


『ハロー・ワールド』
――――
 本気でアプリ開発に取り組んでいる人々から見れば遊び以下のプロジェクトだ。
 そんな〈ブランケン〉だが、多くの国で十位前後の販売実績を出している。
 それが今週、なぜかインドネシアだけで売れた。〈グレイシャー〉や〈セーフウェブ〉を抑えて堂々の一位だ。
 東南アジアの島国でなにが起こっているのか。
――――
Kindle版No.163


 わずか数名で開発したスマホ用の広告ブロッカーソフトが、なぜか突然、インドネシアだけで急激に売れ始めた。いったいそこで何が起きているのか……。
 国家権力によるネットの悪用に対して、ただひとり立ち向かう決意を固める主人公。その姿を通じて技術者のプライドを描く短編。


『行き先は特異点』
――――
 アマゾンのドローン誤配送に、新製品〈メガネウラ〉の不調、ウーバーとテストカーのアプリの異常。そして、僕やジンジュ、ファヒームが、何もないキャンプ場の中に来てしまったことが偶然とは思えない。ひょっとしたら、追突もだ。
――――
Kindle版No.935


 カリフォルニア州の中央、人里はなれた場所で、グーグルの自動運転車が事故を起こした。しかも、その地点にはアマゾンの配送ドローンが荷物を誤配達して置いてゆく。どうやらこの何もない場所が、なぜかマシンを引き寄せる特異点になっているようなのだ……。
 正しくつながればすべての人に恩恵をもたらすはずのソフトウェアと現実世界。だが、そうでなければ? ソフトが認識する「世界」と現実世界との間に乖離が生じたとき起こり得る事件を描きます。理の果てに立ち現れる美しいラストシーンが印象的な短編。


『五色革命』
――――
《どうした。いまバンコクだろ。クーデターは大丈夫か?》
《あんまり大丈夫じゃない。武装した学生のデモ隊に〈メガネウラ〉をとりあげられて、協力を要請されてる。革命放送をやりたいんだそうだ。それで、有料版が必要になった。事情は察してくれ》
《ハードラック(運が悪いな)。ちょっと待ってろ》
――――
Kindle版No.1486


 タイに出張中、クーデターに遭遇してしまった主人公。ドローンによる空撮映像をリアルタイムにネットに流すことで、革命の正当性を世界に訴える活動に協力しろと、武装した学生デモ隊から要請されたのだが……。
 技術の力で政治運動を支える。しかし一歩油断すると、それはどんな事態を引き起すか予想できない。理想主義的なハクティビズムが持つ二面性と技術者の責任について掘り下げてゆく短編。


『巨象の肩に乗って』
――――
『やらせてくれ。やりたいんだ』
 郭瀬は胸に手を当ててカメラに身を乗り出してきた。
『インターネットは自由でなきゃならない』
 そうだった。
 郭瀬にはそれを言うだけの資格がある。〈マストドン〉の肩に乗っただけの僕に、それはあるだろうか。
――――
Kindle版No.1966


 中国市場に入るために検閲を受け入れたツィッター。もはやどこにも残されていない「インターネットの自由」。その理想を取り戻すために、自分には何が出来るだろうか。すべての人々がインターネットの自由を享受できる世界を目指して、主人公は〈マストドン〉をベースとした新しいSNSを創り出そうとする。


『めぐみの雨が降る』
――――
 僕も新自由主義に毒された〈ビットコイン〉が正常なものだとは思っていない。投機のためだけに〈ビットコイン〉にへばりついている者たちが去れば、国境を越えて商品やサービスを購入するために使われるようにもなるだろう。悪くない未来だ。
 だが、この計画には協力できない。
――――
Kindle版No.3066


 ビットコインを支配して国際取引に使えるようにし、基軸通貨の地位をドルから奪う。そんな中国の野望に巻き込まれ、窮地に陥った主人公。だがそのとき、目に入った"Hello, world!"の文字列。そう、自分は技術者だ。何かをつくるのが仕事だ。だったら書けばいい。サトシ・ナカモトの構想を超える新しい仮想通貨のコードを。

 『アンダーグラウンド・マーケット』で仮想通貨「N円」による地下経済を描いた作者が、いわば仮想通貨「N元」の誕生とそれが創り出す世界経済ビジョンを見せてくれる最終話。


『特別番外編 ロストバゲージ』

 番外編。荷物紛失(ロストバゲージ)に遭遇し、空港で一夜を明かすはめになった主人公とその飼い猫の体験を描きます。猫のジローが大活躍(しません)。



タグ:藤井太洋
nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:

『おうむの夢と操り人形』(藤井太洋) [読書(SF)]

――――
「どうだろう。パドルと話すことの意味を製品の名前にしない?」
「いいね。例えば?」
「パロットーク(おうむ返し)だ。パドルに心はない。それを忘れないようにしよう」
 決まり、と言った飛美は席を立ってオフィスを出ていった。
 私の願いはすぐに裏切られることになった。
――――
Kindle版No.439


 ロボットに対して人間が抱く不信感をどうすれば払拭できるか。「家庭用ロボット」という夢を実現するためにどうしても乗り越えなければならない、その解決に取り組む技術者の姿を描くロボットSF中篇。Kindle版配信は2018年10月です。

 作中にはロボットに対する不安感をなくすための様々なアイデアが登場しますが、いずれも技術的な飛躍はありません。むしろ古くさい(それこそ世界最初のチャットボット「イライザ」で使われていた)発想をうまく再活用したリアルな解決策が語られるのです。

 しかし、本作の問題意識はさらにその先に向かいます。人間の錯覚を利用してロボットに共感させることが、倫理的に正しいことなのか。技術と倫理の葛藤に悩む語り手。しかし、経済の論理には逆らえず、社会はそれを受け入れ、人々は適応してゆきます。


――――
「いまさら、引き返せないな」
 ヤムテックが手を引くことは可能だ。
 だけど一度手に入れたものを人は手放せない。
 そしてパロットークは、一度きりの発明ではない。誰だって、何度だって再発明できるものだ。たまたま私は、パドルというロボットがたくさんある職場でそのヒントにたどり着いた。だけど、次に作る人は私が作ったパロットークを見るだけで、コードが書ける。
――――
Kindle版No.552


 やがて、知能は個体の中にあるのか、それとも個体を取り巻く環境に内在しているのか、社会や組織を動かす意思決定はどのレベルで実行されているのか、といった問いかけが浮上してくるあたりがSFとしての読み所です。



タグ:藤井太洋
nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ: