SSブログ

『名井島』(時里二郎) [読書(小説・詩)]

――――
それは耳の形状をした集積回路の基板の破片
だった 彼の矢が過たずにつらぬいた空が一
点の闇を点している 矢の径よりも小さな基
板を射抜いて 錐眼のごとき仮想の穴を穿つ
技はこの世紀のものではない
――――
『朝狩』より


 機関、すぽら、ヒト標本、コトカタ、歌窯、言語採集船。SF的背景設定の存在を暗示しつつも決して全貌を明らかにしない謎めいた造語の数々に惑わされる人類補完詩集。単行本(思潮社)出版は2018年9月です。


――――
 すぽらという明かりは島の廃墟から洩れてくる。十三日の月の光が、旧精錬所の赤煉瓦の高い煙突を包みこんで、夜の闇のなかにぼうっとその煉瓦の色が明るんで光る。このすぽらの明かりは、歌窯のなかで歌が生まれる時に放出されるエネルギーによるものだと言う。

 島の旧精錬所は、今は銅の精錬の代わりにプレーンと呼ばれる歌の粗語を歌種にして歌の生地を作り、溶鉱炉を改良した歌窯で歌を仕上げる。プレーンは依頼主の歌人の差しだす歌語の数々で、これらの粗語はすぐ向こうに見える海を隔てた半島から不定期船で運ばれてくる。
――――
『歌窯』より


――――
この島には
ことばをめぐる争いしかない
親に与えることばをどの程度粉砕すべきかについて
犬にやる餌のことばの大きさについて
鳥の詐欺罪を論証することばの可否について
また 次の便でやってくる言語採集船に許可すべきことばの総量について
――――
『島のことば』より


――――
「言わなくともわかる
ことばは島の外に捨てられるのだ
人が死ぬと
人に詰めてあったことばのいっさいは
舟に積んで流すのだ
ことばは人のものではない
借りたものだから
返すにしくはない」
――――
『通訳』より


 精錬されたり、船で運搬されたりと、言葉が即物的なものとして扱われることにまず驚かされます。やがて、謎めいた造語がどんどん出てきて……。


――――
 このコロニーを「夏庭」と呼ぶ。わたしたちは「なつのにわ」と呼んでいるが、《機関》による正式な呼称は「カテイ」である。「夏」があるからには、「春庭」「秋庭」「冬庭」と四季に応じた施設が存在する。そのうち、「冬庭」はコロニーではない。わたしたち《ヒト標本》専用の墓地である。
――――
『夏庭1』より


――――
 うそかほんとうか、そういうことはわたしたちの埒外である。なぜなら、《ヒト標本》であるわたしたちには、その原型となるヒトがいるのは当然で、彼の(彼女の)履歴は消去されているものの、それらの履歴を組み立てている神経系の記憶伝達の受容システムはそのまま残される。完全な成人の《ヒト標本》として生きていくためには、「白紙」の履歴ではどうにもならない。それまでの履歴をスムーズに矛盾なく組み立てることができるように、比喩的に言えば、原型となったヒトの《残滓》を断片的に混ぜておくということになる。したがって、わたしの「履歴」も一通りではない。何通りもある。問題は、そうしたことが、ヒトとしてのアイデンティティの障害にまで陥ってしまう不具合をきたす《ヒト標本》が生まれることである。そうした《ヒト標本》を選別するのが「夏庭」というコロニーの役割の一つである。
――――
『夏庭2』より


 背後にSF的な背景世界設定があるかのようにほのめかす魅惑的な造語の数々。個人的には、コードウェイナー・スミスや円城塔の作品を連想しました。謎めかした言葉に魅入られつつ混乱させられ、あるとき「分かった、筋が通った」という錯覚を覚えてしまうところが罠。


――――
 名井島へ行くには 宝伝港から犬島行きの船に乗る 犬島直航の
便しかないので 名井島には行くはずはないのだが それでも 船
はたまに名井島に立ち寄る だれも予定の変更に不平を言わない 
降りていく猫がいるからである 降りたつ猫に みんなが 約束し
て別れる時の耳を見せると 猫はそれに答えて 約束の耳を ふる
ふると ふる
――――
『名井島の猫』より


――――
《コトカタ》をカタコトと猫に揺すられると
今度はセキレイの人工知能に残された音の標本を猫に聴かせるのよ
そのなかにはノイズの混ざった標本もあるのに
《コトカタ》のなかにいるとセキレイはノイズを感知しない
それは《コトカタ》が セキレイを人工知能の制御の埒外に連れていくから

――――
『鶺鴒』より


 猫が出てきて、いやますコードウェイナー・スミス感。


――――
 名井島。中世には、諸国の流し雛の流れ寄る島と言われた瀬戸内海の島嶼のひとつ。明治期には銅の精錬工場が建てられ、島に殷賑をもたらしたが、わずか十数年で操業は打ち切られ、島は一気に廃れた。煉瓦造りの様式建築や、高い煙突が幾本も聳え立つ威容はそのまま廃墟と化して、人は島を離れた。
 かつてはその廃墟の島で、室町期から続く《歌窯》を営んでいたわたしが、そこを閉じたあとも島の猫を束ねてここに残ったのには理由がある。島とその対岸の一帯が、時空のズレによってねじれた構造を持ち、過去-未来の時空の交通を可塑的に調整できる中継拠点《すぽら》として、ヒト文明消滅後の未来のテクノクラートの手が入っている場所だからである。猫に身をやつしたわたしは、《歌窯》を構えるヒト文明の言語系の解明を担った汎用性人工知能である前に、《すぽら》の管理者だった。
――――
『《母型》』より


 最後の作品に至って共通設定が明らかにされる……、という雰囲気になりますが、別にそういうわけでもなく、なにかをつままれた感を残して去ってゆくことに。よくわからないけど謎めいていてなんかすごそうな感じ、にシビれる方にお勧めの詩集です。



nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:

『この宇宙以外の場所』(TOLTA 河野聡子、佐次田哲、関口文子、山田亮太) [読書(小説・詩)]

――――
 日本の現代詩業界は悪しき個人主義に呪われていると私はずっと考えていますが、特に、完結した詩作品にはひとりの人間が作り手として一対一対応している「はず」という思い込みはたいへん根深く、たちがわるいものです。したがって私はくりかえし宣言します。ここに収録されている詩はTOLTAによって作られました。
(中略)
 我々はインターネット上で一枚のスプレッドシートを共有し、それぞれが書きたい言葉でマス目の好きな位置を埋めることにしました。並び替えが好きなメンバーがこれらの言葉を並べ替え、その結果出来上がったのがこの本に収録した詩篇です。
――――

 メンバーがてんでに書き込んだ言葉を共有し並べ替え作り上げたTOLTAの詩集、その紙版です。紙版出版は2018年11月。連絡先はこちら。

  メール
   tolta2106@yahoo.co.jp
  Web
   https://toltaweb.jp/


――――
人の家の冷蔵庫で保冷剤を探すミッション。うしろに歩いていくことで正確な意味での「後進国」となれる。保冷剤好き!大好き!扉を開けたとたん「階段に鳥がいる」と叫ぶ男。扁桃腺が痛い。貨物列車が通った。
――――
『貨物列車』より


――――
ついに夏風邪を引いた。慎重な体温コントロールが必要だ。身体を壊さないことではなくどのように壊していくかがここからは重要になる。カレーが白くなるのは、カビが生えたからである。
――――
『体温』より全文引用


――――
それでもなぜか郵便は届く。地の果てからも。洗濯機の排水トラップの接続の仕組みはもうちょっと洗練されても良いんじゃないか。日曜日は雨乞いをしに行こう。一秒が合わせられなくて二〇分使った。伝わりかたの方が内容よりも重要な局面がある。
――――
『活動』より


 こういった言葉が問答無用でぐんぐん並んでいる素敵な詩集。それぞれの作品がどのようにして作られたのかは、河野聡子さんによる解説を読めば分かります。このプロセスの痕跡はあちこちに残されていて、それに気づく、あるいは積極的に探す、という楽しみもあります。


 例えば「痛みの程度を楽器にたとえるのは悪くないソリューションのような気がする」という一文があり、そしてあちこちに、

「右肩の内側で和太鼓を乱れ打ちされているような強い痛み」

「バイオリンの弦をかきむしるような痛み」

「シンバルを叩きつけるような痛み」

「吹いても吹いても音が出ないフルートのような痛み」

「一日中バイエルを練習するような痛み」

「リコーダーでスタッカートを永遠に打ち続けるような痛み」

といった文が散りばめられている、という具合です。


 さらに、こういう作品が紙としても存在することになった経緯も書かれています。この「紙の詩集」の存在意義に関する河野聡子さんの文章はめちゃめちゃかっこいい。


 文章の異業種交流出会い系お見合いパーティにぐっとくる詩集ですが、構成要素となっている文章ブロックを単独で取り出してみても、これが味わい深くて、好き。


――――
人間の味覚が視覚に多大な影響を受けていることは周知の事実である。透明なコーラに黒い色をつけることによる味の変化の実験が発表されこれに関する裏付けがまたひとつ増えた。
――――


――――
最近、行きつけの美容室に「先生」と呼ばれるスタッフが加わった。化学に詳しいらしくシャンプーの説明ひとつにも物質名が加わっている。そのくせ「オーガニック植物を使用」などとも書いているので多少不信感も漂う。オーガニックすなわち有機物でない植物など存在するのだろうか。するのかもしれない。
――――
『シール』より


――――
あれほどたくさんの鹿がどうやって生きているのか、見当もつかない。鹿の方も、あれほどたくさんの人間がどうやって生きているのか、わけがわからないと思っているに違いない。
――――
『シール』より


――――
痛みが自分の存在を証明してくれると思っていた。それは自傷によって確かめられるだけではなく、喘息やインフルエンザのような疾患に罹っているときに顕著だった。そのようなときには自分が存在することに正当性を感じ取ることができた。痛みが喜びを伴わないただの苦しみとして感じられるようになったのはつい最近のことだ。
――――
『植物』より


――――
生まれ変わったら地球以外というかこの宇宙以外の場所に生まれたかった。物理法則がこの宇宙とはちがう場所に生まれて鳥にならずに空を飛びたかった。
――――
『この宇宙以外の場所』より



nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:

『オブジェクタム』(高山羽根子) [読書(SF)]

――――
「この町のたくさんのデータを集める。単純な数字がつながって関係のある情報になり、集まって、とつぜん知識とか知恵に変わる瞬間がある。生きものの進化みたいに。(中略)数字だけじゃない。たくさんの小さい豆知識だとか、意見だとか、そういったものがいっぱい集まる。ふつうに考えて、関係ないような見当はずれな言葉でさえ、その集まったものが人間の脳みそみたいに精神とか、意志、倫理なんかを持っているように見える場合がある」
「合体ロボみたいな?」
 とたずねると、振り返ってちょっと顔をしかめたあと、言った。
「まあ、まったくの見当ちがいじゃないけどな」
「正義の味方?」
「それはわからん」
――――
単行本p.19、40


 幼い頃の不可解な記憶の数々。どうも腑に落ちないあれとこれをつないでゆくと、何かが見えてくるような、こないような。ささいな事象の集合パターンから構成されているこの世界の、どうにも割りきれない不思議さを鮮やかに描いた長編。単行本(朝日新聞出版)出版は2018年8月です。


 どこかとぼけたユーモア。家族や土地に対する思い入れ。ほのぼのした昭和風日常になにげなく潜んでいる超常的なものの気配。SF的な背景を感じさせつつ、決してすべてを明らかにはせず、あくまでも日常感覚で語られる物語。デビュー短篇集『うどん キツネつきの』で注目された著者の特質が存分に活かされた三篇を収録する作品集です。


[収録作品]

『オブジェクタム』
『太陽の側の島』
『L.H.O.O.Q.』


『オブジェクタム』
――――
 知ったところでただのどうということのないできごとだった。道に迷って偶然でくわす手品師や、町中に貼りだされる正体不明なカベ新聞。最近になってひんぱんにインターネット上で検証されている、今はもう時効になった偽札事件、どこから来たかわからない移動遊園地、あのときの魔法みたいな神社の裏のこと、それら全部がほんとうは町になかったとしても。
(中略)
 調べたことだけじゃなく、感じたことだけでもない、子どものころ、曲がり角のむこうに消えていくほんのちょっとのしっぽの先、または茶色いサンダル。じいちゃんのそばにときどき立っているらしい女の子。
 おそらくそれを見たのはぼくと、じいちゃんだけだった。その姿が不確実なものだったとしても、なるたけたくさんまわりにあるものを調べればその輪郭ぐらいは明らかにできるっていうことを、ぼくは静吉じいちゃんに教わったんだ。
――――
単行本p.104、105


 誰が何の目的で作っているのか分からないカベ新聞。神社の境内にいる謎の手品師。見た人の記憶が一致しない移動遊園地。何か隠しているらしい「じいちゃん」のあとをつけてみた少年は、秘密を分け合うことになるが……。幼い頃の不思議な思い出の数々が、後になって思い出してみると、隠されていたパターンが見えてくるような気がしてくる。あの感覚を見事に再現してみせる印象的な作品。


『太陽の側の島』
――――
 私はといえば、ただ部屋で考えているのです。無為に生きることが衝突を生む我々と、長く生きるために、できるだけ無為な生活をしようとしているこの島の人々は、生き物としての根本が違うのではないか。我々がもし、なんらかの方法でこの島の人々のような命の使い方を学んだとして、果たして同じように生きていかれるのだろうかと、風が響く屋根の下、悶々としているのです。
――――
単行本p.143


 太平洋戦争末期。南の島に流され、そこに基地を作るべく農作業に精を出す兵士と、密かに「外国人」の少年をかくまうその妻。二人の手紙によるやり取りから、次第にこの世とは異なる条理の世界が見えてくる。一読するや大きな感動に包まれる傑作。


『L.H.O.O.Q.』
――――
 これは、比喩でもなんでもないのですが、妻は生前、本当に光っていたのです。普段から弱々しく光をはなってはいましたが、それは本当に暗闇のときにうっすらとわかる程度で、薄暗がりでもわかるほど強く発光するのは、性的な興奮をしているときでした。ひどいときには、私の体が照らされるほど明るくなることさえありました。訊くと妻の母親もそうであったというし、健康上問題があいことから気にしたことなどなかったそうです。
――――
単行本p.164


 妻に先立たれ飼い犬まで失踪してしまった哀れな男が、犬を探しているうちに女に出会う。ちなみにタイトルはマルセル・デュシャンの作品名で、フランス語風に発音すると「性的に興奮した女」といった意味になるそうです。



タグ:高山羽根子
nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:

『UFO手帖 3.0』(Spファイル友の会) [その他]

――――
UFOは宇宙からやって来るそうです
でも、なぜ宇宙に限定されているのでしょう
地底や海、はたまた異次元からやって来ていたとしても
いいじゃないですか
というわけで、地球外来訪説の影に隠れがちな
宇宙<そら>から来ないUFO を
穴うさぎと共に探っていきましょう
――――


 私も参加している「Spファイル友の会」の新刊について、宣伝を兼ねてご紹介。伝説の超常同人誌『Spファイル』の伝統を受け継ぐ『UFO手帖』、その第三号です。


[最新情報](2019年2月4日 更新)

  通販が再開されました。また、今後の予定が公表されました。

  Spファイル友の会ホームページより
  【UFO手帖3.0増刷のお知らせ】と、
  Spファイル友の会の今後の活動について
  http://sp-file.oops.jp/spf2/?p=1574

[詳しい内容はこちら](2018年11月20日 リンク先を変更)

  Spファイル友の会ホームページより
  【新刊】『UFO手帖3.0』
  http://sp-file.oops.jp/spf2/?p=1391


[感想、紹介など](2019年1月11日 追加)

  2019年1月11日
  月刊『ムー』2019年2月号で紹介されました。
  「UFOは地底からも来る! UFO手帖3.0発刊」


  2018年12月23日
  「映画秘宝」2019年2月号に、田野辺尚人さんによる
  紹介記事が掲載されました。

  「いま、最も面白いZINEは『UFO手帖 3.0』だ!」

  「『UFO手帖』が面白いのは、単にいる(ビリーバー)
  いない(スケプティク)で「よくあること」をまとめたり
  デッチあげたりせず、不思議な出来事をしっかり愛でて
  いる点にある」

  「UFOにまつわるサブカルチャー情報も充実していて、
  本当に頭の下がる1冊」


  2018年11月26日
  「UFO手帖3.0」(又人にかけ抜かれけり秋の暮)
  花田英次郎
  http://macht.blog.jp/archives/1073043290.html


  2018年11月30日~12月5日
  「UFO手帖3.0―宇宙<そら>から来ないUFO 刊行記念」(金色髑髏)
  その1 地底編
  http://www.golden-skull.net/article/462986043.html
  その2 水の底から編
  http://www.golden-skull.net/article/463000757.html
  その3 その他の世界からきました編
  http://www.golden-skull.net/article/463014402.html
  その4 音楽と漫画編
  http://www.golden-skull.net/article/463029738.html
  その5 UFOと本と
  http://www.golden-skull.net/article/463049961.html
  その6 UFOと乗り物と機関と帰らざる人と俳句と
  http://www.golden-skull.net/article/463065727.html


[ちなみにバックナンバーの紹介はこちら]

  2016年11月24日の日記
  『UFO手帖 創刊号』
  https://babahide.blog.so-net.ne.jp/2016-11-24

  2017年11月15日の日記
  『UFO手帖2.0』
  https://babahide.blog.so-net.ne.jp/2017-11-15


『UFO手帖 3.0』 目次
――――
[特集]宇宙<そら>から来ない UFO

【地球内部からきたUFO】
  「惑星とプラムプディング
   ――地球空洞説をめぐる論争史」
   (馬場秀和)
  「明治26年のシムズ地球空洞説
   ――新聞紙『國會』に連載された「地心探検」をめぐって」
   (藤元直樹)
  コラム
  「ESSA-7 の写真について」
   (雅)
  「「来るべき種族」に似た世界」
   (星野勝之)
  「エドワード・スノーデンさんは地底人なの?
   逮捕歴は?恋人は?カップは?調べてみました」
   (ペンパル募集)

【海のUFOと、水の子供たち】
  「海底からこんにちは
   ――「アビス完全版」は未知との遭遇の出来損ないなのか」
   (星野勝之)
  「USOから出たマコト」
   (ものぐさ太郎α)
  「水の子供たち」
   (秋月朗芳)
  コラム
  「マツコとマルシア」
   (ペンパル募集)

【別世界からきたUFO】
  「マゴニア異聞の逆襲―UFO現象理論の現在」
   (礒部剛喜)
  コラム
  「若手芸人が見たUFO」
   (新田五郎)

Rotation Essays

【UFOと音】
  邦楽とUFO(~1987年)
  J-POPとUFO(1988年~)
  洋楽とUFO
   (ペンパル募集 / 雅 / 中根ユウサク / 金色髑髏)

【UFOと漫画】
  第3回(渚のいん / ペンパル募集)

【この円盤がすごい!】
  第3回『この円盤がすごい! 1972 年度版』
   (ものぐさ太郎α)

【アダムスキーみたいな人たち】
  第3回(島村ゆに)

【UFOと文学】
  第2回「J.G. バラード『ヴィーナスの狩人』」
  (馬場秀和)

Series Essay

【古書探訪】
  第3回
  「R・E・ディクホフ著『アガルタ―虹の都―』」
   (中根ユウサク)

【シリーズ 超常読本へのいざない】
  第4回
  「バンヴァードの阿房宮―世界を変えなかった十三人」
   (馬場秀和)

【乗り物とUFO】
  第3回「UAVとUFO」(ものぐさ太郎α)

【ブルーブックもつらいよ】
  第3回「ルッペルト ライトパターソン慕情」(雅)

Oneshot Essays

 「フラモンさん」
   (めなぞ~る♪)
 「読書感想文『ノー・リターン』を読んで」
   (花田英次郎)
 「古代中国のUFO―アジア圏の奇妙な飛行物体」
   (金色髑髏)
 「新編・日本初期UFO 図書総目録稿(1975-1979)」
   (有江富夫)
 「新興宗教俳句の頃」
   (濱口腎虚(横山茂雄))
――――




特集「宇宙(そら)から来ないUFO」の内容を一部ご紹介


「惑星とプラムプディング
 ――地球空洞説をめぐる論争史」
   (馬場秀和)
――――
地球空洞説をめぐる最も熾烈な論争は、常にその支持者たちの間で繰り広げられてきたのである。本稿では、二つの地球空洞モデルをめぐる論争を中心に、400年にわたる地球空洞説の歴史をひもといてゆく。
――――

 ドイツの天文学者ヨハネス・ケプラーによって地球が空洞である可能性がはじめて指摘されてから400年。今なお論争が続く地球空洞説の歴史を振り返ります。


「明治26年のシムズ地球空洞説
 ――新聞紙『國會』に連載された「地心探検」をめぐって」
   (藤元直樹)
――――
驚くべきことに、1893(明治26)年の新聞に、シムズ説を纏まった形で紹介する記事が存在することが判明した。(中略)地球空洞説移入史上の重要な文献であることは間違いなく、こうして翻刻紹介の機会を得られたことを喜びたい。
――――

 シムズの地球空洞説は戦前日本にどのように伝えられたのか。日本における地球空洞説受容史を探ってゆきます。


「海底からこんにちは
 ――「アビス完全版」は未知との遭遇の出来損ないなのか」
   (星野勝之)
――――
深海を舞台にSF やオカルトをプラスした映画「リバイアサン」「ザ・デプス」「ビロウ」「スフィア」など、いくつかある中ではやはり第一級の作品であると断言出来る。たしかに夫婦再生、冷戦、未知との遭遇と要素を詰め込みすぎなのだが、特撮とVFX のいいとこ取りの映像と渋い俳優たちの演技が鬼気迫る感動をもたらしてくれる。
――――

 深海における未知との遭遇を描いた映画「アビス 完全版」(ジェームズ・キャメロン監督)およびそのメイキングビデオについて熱く語ります。


「USOから出たマコト」
   (ものぐさ太郎α)
――――
地球の表面上かなりの割合をしめる水面の向こうに、宇宙空間の向こうと同様、我々の知らない何者かが住んでいると考える人がいるのは自然である。これもまた最近はあまり聞かれないが、なかなかにぶったまげた話の目撃談が存在するのである。
――――

 海中で目撃された謎の潜水物体、海や湖に出入りするのを目撃された謎の飛行物体など、水属性の強いUFO事件の数々を紹介。


「水の子供たち」
   (秋月朗芳)
――――
淡水系UFO 事件は案外UFOコンテクストの重要な部分に関わっているような気がしてくる。最近ではアメリカのエリー湖がウェーブってるらしい。エリー湖には昔から数々の超常奇譚が残っており、最近それが1冊の本にまとめられている。
――――

 沼や湖や川などで起きるUFO事件には、どのような意味があるのだろうか。淡水系UFO事件をいくつかとりあげて考察します。


「マゴニア異聞の逆襲―UFO現象理論の現在」
   (礒部剛喜)
――――
UFO現象の起源理論のすべてには当時見逃されていた特性があった。そもそも地球外起源仮説自体がそうであったように、いずれの仮説もユダヤ・キリスト教社会の世界観に矛盾なく受け入れられるという点である。ユダヤ・キリスト教社会の価値観のなかでは、実はそれぞれの仮説が相互に補完しあって成立していたというのが真相ではないだろうか?
――――

 超古代文明起源仮説、秘密兵器仮説、超心理投影仮説という三つのUFO起源仮説について分析し、その背後にある世界観を読み解いてゆきます。



タグ:同人誌
nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:

『すばらしきあいまいな世界』(プロジェクト大山、古家優里) [ダンス]

 2018年11月11日は、夫婦でシアタートラムに行って古家優里さん率いるプロジェクト大山の新作公演を鑑賞しました。古家優里さんを含む四人のメンバー(と子供たち)が踊る70分の舞台です。


振付・演出: 古家優里
出演: 田上和佳奈、長谷川風立子、三輪亜希子、古家優里


 今回の出演者は四名だけですが、それを補うかのように子供たちが舞台狭しとはしゃぎ回ります。舞台の上で勝手に遊び出したり、うんち! おっぱい! と叫びながら跳びはねたり。子供パワーすごい。

 作品としては短いスケッチのようなシーンを並べてゆく構成で、ひとつひとつのシーンは意味不明というかそれこそあいまいな世界ですが、冒頭の子供パワーのおかげでこちらも子供心になっているので特に気にはなりません。

 個人的に感動したのは、傘降り(雨じゃなくて傘が次々と降ってくる)を背景として、赤い花を手に踊る美しいシーン。

 やがて長い長いラストダンスが始まるのですが、これが素晴らしい。四名で同じ振付を繰り返し繰り返し踊っているうちに変な高揚感に包まれてゆき、やがて各人がそれぞれのダンスを披露して個性を前面に出してゆく。盛り上がる盛り上がる。

 ここ数年、プロジェクト大山の公演は見逃していたのですが、かなり後悔。とりあえず前回公演のDVDを購入しました。



nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:演劇