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『ホントの時間』(振付:伊藤千枝、珍しいキノコ舞踊団) [舞台(コンテンポラリーダンス)]

 先週末の土曜日(2012年02月25日)は、夫婦で世田谷パブリックシアターに行って、伊藤千枝さんひきいるコンテンポラリーダンスカンパニー「珍しいキノコ舞踊団」の新作公演を観てきました。

 ものすっごく楽しい公演でした。

 開演前からそこらを着ぐるみ動物が歩き回り、指名された観客が場内アナウンスを読み上げ、公演中しばしばダンサーたちが客席の間を踊り歩く。観客も巻き込まれ、何だかディスコにいるような気分になります。

 公演が始まるや、舞台上にのこのこ出てきた伊藤千枝さんが、無音のなか、天才バカボンのテーマ曲を口ずさみながら滑稽なダンスを披露するだけで、元祖天才バカボンのパパだから、いきなりホール全体が和やかな雰囲気に。これでいいのだ。

 懐かしのヒット曲が次々と流れ、それに合わせて数名のダンサーが踊っては曲が変わる度に交替してゆくという、この上なくシンプルな構成ですが、どのダンスも心をぐっとつかむ吸引力があります。

 リズミカルで、力強く、踊る喜びが全身から伝わってくるよう。個人的には「嗚咽しながら泣き崩れる」動作を振付にして踊る、という演目が強く印象に残っています。あと、薬師丸ひろ子でコンテンポラリーダンス、というのも凄い。しかも忘れた頃を見計らってもう一度やるし。

 全体的に、伊藤千枝さんのとぼけたユーモアのセンスが強烈に効いていて、嬉しいことこの上なし。

 最後は総出演。舞台上にはネオンの輝き、ミラーボールが出血大サービスで五つもぶら下がり、ノンストップ無休憩で全メンバーが何曲も続けざまに踊り(すごい体力)、観客も盛り上がりまくりの興奮状態に。

 子供の頃、ラジオで聞いたヒット曲など歌詞もでたらめに口ずさみつつ、わけのわからない衝動に駆られて自室で踊りまくり、物を壊したり、親に叱られたりした、そんな記憶がまざまざと蘇ってくるあまりにも楽しい75分でした。

『ホントの時間』(珍しいキノコ舞踊団)
2012年2月25日、世田谷パブリックシアター

振付・構成・演出: 伊藤千枝
演出補: 小山洋子
出演: 山田郷美、篠崎芽美、茶木真由美、梶原未由、大穂綾子、白石明世、伊藤千枝


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