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『マイヤリング(うたかたの恋)』(ケネス・マクミラン振付、タマラ・ロホ、カルロス・アコスタ、英国ロイヤルバレエ) [舞台(バレエ)]

 英国ロイヤルバレエ来日公演、タマラ・ロホ(Tamara Rojo)とカルロス・アコスタ(Carlos Acosta)が踊る『マイヤリング(うたかたの恋)』を観るために、夫婦で東京文化会館へ行ってきました。

 もう、とにかく圧巻の舞台でした。先日、予習のために同作品の舞台映像を見たばかりなんですが、映像と実際に舞台を観るのでは大違い。今そこで、アコスタが、ロホが、まさにすぐそこで同じ空気の中で踊っている、という体験は、筆舌に尽くしがたいものがあります。

 舞台から、緊迫感や、刺々しい雰囲気や、寒々とした情感や、血を流すような寂寥感や、苦悶や絶望といった感情が生々しく伝わってきます。タマラ・ロホも印象的でしたが、何といってもカルロス・アコスタが凄い。マクミランの難しい振付をその驚異的なテクニックで軽々と踊りこなして、今にも叫び声が聞こえてきそうな、鬼気せまる心理表現をやってのけます。身震いが出ます。

 場面転換の巧みさ、豪華な衣装など、実際に観るとやはり感動的です。マクミランの演出は凄みを感じさせるほどの高密度で、一瞬たりとも緊張感が途切れません。見終わったときはぐったり疲れていました。

[キャスト]

ルドルフ皇太子:カルロス・アコスタ
マリー・ヴェッツェラ:タマラ・ロホ
ステファニー王女:イオーナ・ルーツ
ミッツィ・カスパー:ラウラ・モレーラ


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