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『異人遭遇録』(北見隆) [読書(オカルト)]

 本やCDのカバーイラストでおなじみ北見隆さんのグラフィック作品。『SFマガジン』2008年10月号に掲載されています。短い紹介文のついたイラストが、トビラ絵を含めて5枚、1ページに1枚ずつ。奇妙で不可解ながらどこか懐かしい印象を受ける独特の世界を創り上げています。

 で、その異人遭遇録というのが何かと言うとですね、4つのイラストがそれぞれ次の実際にあった(とされている)事件のシーンを描いているんです。


「チェンニーナ事件」(イタリア、1954年)

 着陸した小型宇宙船から、マントをまとった陽気な小人2人が現れて、通り掛かった女性からストッキングとカーネーションの花束をひったくって逃げたという事件。


「ソスペル事件」(フランス、1983年)

 部屋に侵入してきた4人の男たちが、勝手に戦争ドキュメンタリー映画を上映して見せた後、宇宙船に乗り込んで飛んでいってしまったという事件。


「イーグルリバー事件」(アメリカ、1961年)

 シモントン事件あるいはパンケーキ事件とも呼ばれる。着陸した宇宙船から降りてきた小人が水をくれと言うので渡したら、お礼にパンケーキ(クッキー)をくれた。食べてみるとまずくてダンボール紙のような味がしたという事件。


「ブルーストンウォーク事件」(イギリス、1979年)

 ヒングリィ夫人事件とも呼ばれる。背中に水玉模様の羽を生やし透明カプセルをかぶった小人たちが部屋の中を飛び回り、文句を言うと謎の怪光線を発射し、クリスマスツリーの飾り物をくすねて逃げていったという事件。


 うわーっ、もろにSp事例。各国のSp事例を代表するような、というか『Spファイル』のシンボルのような事件を的確に選んでますよ。

 しかも北見隆さん、雑誌巻末の執筆者近況には、

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 宇宙人に遭ったと言う人の体験談を読むと、以前は体験者が百人いれば、百通りの宇宙人が存在したものでしたが、最近はグレイタイプの拉致宇宙人が多いようです。宇宙人界に何があったのか知りませんが、昔は良かった。
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と書いていて、もうこれは間違いなしです(何がどう“間違いなし”なのかはともかくとして)。宇宙人界には、まあ、その後に色々あったんです。昔は良かった。

 というわけで、『Spファイル』の読者とか、上に挙げた事件に心ひかれる方は、ちょっと書店でSFマガジンの今月号をのぞいてみて下さい。真ん中へんのカラーページ最初なのですぐ見つけられると思います。

北見隆
http://www.ne.jp/asahi/takashi/kitami/

タグ:SFマガジン
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