『ウィキペディアで何が起こっているのか』(山本まさき、古田雄介) [読書(教養)]
ちょっとした調べものに便利なのがウィキペディア日本語版。私も重宝しています。
ただ、どうもこう、悪意に満ちているとしか思えない記述を目にしたり、あからさまな間違いからちょっと首をかしげる表現まで、以前に比べて情報源としての質がどうも下がってきているのではないか、という印象を受けます。
あるいは、官公庁からアクセスして都合の悪い記述を削除していたとか、特定の項目が荒らしにあったとか、一時期どうも不穏なニュースが多く流れたことがありました。編集合戦により「保護」されているページも増えているように感じます。
まあボランティアが協力して作っているのだから多少のことは仕方ない、などと軽く考えつつ、好奇心から本書を読んでみました。
というわけで、ウィキペディア日本語版の使い方とか活用方法といった本は他にもありますが、本書はその管理体制について突っ込んで書いた珍しい一冊。
全体は5つの章に分かれていて、1章と2章で基礎知識を説明し、3章と4章でウィキペディア日本語版がガバナンス上の深刻な問題を抱えていることを明らかにし、様々な立場から批評します。5章は、この事例を元に、「本当にソーシャルメディアの将来は漠然と信じられているように明るいのか」という問題提起をしています。副題に「変わり始めるソーシャルメディア信仰」とありますが、これは5章で扱われる話題です。
今までほとんど考えたことのなかった「ウィキペディア日本語版の責任者は誰なのか、管理体制はどうなっているのか、もし社会的な問題を引き起こしたらどう対処することになっているのか、そして百科事典としての質が保証される仕組みは機能しているのか」といったこと、またその慢性的かつ構造的な人手不足の実態、といった生々しい話を知ることが出来て、けっこう驚かされました。
ウィキペディア日本語版を利用している人には、その背後でどんな問題が起きているのか知っておくためにも、本書をお勧めします。ただ2000円近くするので、まずは3章をパラパラと読んでみて、興味が持てるようなら購入する、というのがよいかと思います。
ただ、どうもこう、悪意に満ちているとしか思えない記述を目にしたり、あからさまな間違いからちょっと首をかしげる表現まで、以前に比べて情報源としての質がどうも下がってきているのではないか、という印象を受けます。
あるいは、官公庁からアクセスして都合の悪い記述を削除していたとか、特定の項目が荒らしにあったとか、一時期どうも不穏なニュースが多く流れたことがありました。編集合戦により「保護」されているページも増えているように感じます。
まあボランティアが協力して作っているのだから多少のことは仕方ない、などと軽く考えつつ、好奇心から本書を読んでみました。
というわけで、ウィキペディア日本語版の使い方とか活用方法といった本は他にもありますが、本書はその管理体制について突っ込んで書いた珍しい一冊。
全体は5つの章に分かれていて、1章と2章で基礎知識を説明し、3章と4章でウィキペディア日本語版がガバナンス上の深刻な問題を抱えていることを明らかにし、様々な立場から批評します。5章は、この事例を元に、「本当にソーシャルメディアの将来は漠然と信じられているように明るいのか」という問題提起をしています。副題に「変わり始めるソーシャルメディア信仰」とありますが、これは5章で扱われる話題です。
今までほとんど考えたことのなかった「ウィキペディア日本語版の責任者は誰なのか、管理体制はどうなっているのか、もし社会的な問題を引き起こしたらどう対処することになっているのか、そして百科事典としての質が保証される仕組みは機能しているのか」といったこと、またその慢性的かつ構造的な人手不足の実態、といった生々しい話を知ることが出来て、けっこう驚かされました。
ウィキペディア日本語版を利用している人には、その背後でどんな問題が起きているのか知っておくためにも、本書をお勧めします。ただ2000円近くするので、まずは3章をパラパラと読んでみて、興味が持てるようなら購入する、というのがよいかと思います。
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