『文学的商品学』(斎藤美奈子) [読書(随筆)]
いつも意外というか突拍子もない切り口で書いてくる斎藤美奈子さんの文芸評論集です。
今回は、ストーリーだのテーマだの登場人物だの一切無視して、文学作品に出てくる「モノ、商品」だけに注目して読んでみよう、という「おおっ、そういう読み方があったか」と感心するような手口で、「川端康成から、村上春樹まで、のべ70人の82作品」(帯のアオリより)を評論しています。
というわけで、「リアリティを出すために」「同時代性を感じさせるべく」「オシャレな作品にしたくて」など様々な動機で作家が自分の作品に取り入れたファッションやら流行りものやら、そこだけ取り出して並べてみるわけですが・・・。
こうして「解体」してみると、何だか馬鹿馬鹿しくなってくるんですよ。特にバブルの頃に書かれた青春小説とか、哀しみすら漂ってしまいます。いや、もちろんそこは斎藤美奈子さんですから、面白おかしくツッコミを入れる芸風が巧みなので、読んでいる間は楽しいんですが。
本書は「平成不況下の貧乏小説」の分析で終わっていますが、ぜひ続編を書いて、その後に登場した「新自由主義体制下のプレカリアート文学」分析とかやってほしいと思いました。
今回は、ストーリーだのテーマだの登場人物だの一切無視して、文学作品に出てくる「モノ、商品」だけに注目して読んでみよう、という「おおっ、そういう読み方があったか」と感心するような手口で、「川端康成から、村上春樹まで、のべ70人の82作品」(帯のアオリより)を評論しています。
というわけで、「リアリティを出すために」「同時代性を感じさせるべく」「オシャレな作品にしたくて」など様々な動機で作家が自分の作品に取り入れたファッションやら流行りものやら、そこだけ取り出して並べてみるわけですが・・・。
こうして「解体」してみると、何だか馬鹿馬鹿しくなってくるんですよ。特にバブルの頃に書かれた青春小説とか、哀しみすら漂ってしまいます。いや、もちろんそこは斎藤美奈子さんですから、面白おかしくツッコミを入れる芸風が巧みなので、読んでいる間は楽しいんですが。
本書は「平成不況下の貧乏小説」の分析で終わっていますが、ぜひ続編を書いて、その後に登場した「新自由主義体制下のプレカリアート文学」分析とかやってほしいと思いました。
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