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『Drop Dead Chaos』(H・アール・カオス) [舞台(コンテンポラリーダンス)]

 『クラリモンド』『ダフネ』と立て続けに成功させ、ダンス界以外からも一躍注目を集めた大島早紀子さん。彼女が振り付けたH・アール・カオスの新作公演です。

 白河直子さんが、新上裕也、群青という二人のゲストダンサーと共演するとのことで、大いに期待しつつ夫婦で世田谷パブリックシアターまで駆けつけました。

 まず舞台美術が凄い。床に魔方陣のように描いた三角形、空間を切り取るように張ったワイヤー、といった簡単な造形で、いきなり舞台上に人外魔境を創り出すのはさすが。女性3人がモズのはやにえ状態で逆さ吊りになってたりしますが、いつものことです。

 白河直子さんのダンスは例によって気味が悪いくらいのレベル。今回は吊りは無し。代わりに新上裕也さんが超高速回転をやらされていました。

 個人的に面白いと思ったのは、H・アール・カオス風にブレイキング(ブレイクダンス)という無理難題に挑んだ群青さんのパフォーマンスです。

 ちょろっと人間離れした動きをしてはピタッと止まる。地面に伏せたままスルスル移動して尻尾(に見立てた足)を振る。爬虫類、具体的にはトカゲっぽく見えて、大島早紀子だとブレイキングのテクニックをこういう風に活かすのかと感心。

 爬虫類といえば、白河直子ら女性ダンサーも蛇っぽい踊りだし、すその長いドレスを“脱皮”するし、何だか集団交尾してるようにも思えてくるし。

 そう思うと舞台美術まで「藪の中」っぽく見えてきます。蛇の巣をうっかり覗いてしまったような不安感。

 ゲストダンサー(しかも男性)を使いこなしたことで、全体的に、ますますメジャー感が増したような気がします。今後も他の追随を許さないメジャーな(しかし観ると「やばいものを観てしまった」と軽く後悔するような)コンテンポラリーダンスを作り続けてほしいと思います。

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