『岩石と宝石の大図鑑』（青木正博翻訳）

　副題に「岩石・鉱物・宝石・化石の決定版ガイドブック」とありますが、ハッタリではありません。

　子供の頃に夢中になって眺めた「図鑑」の楽しさ・美しさと、体系的な知識が得られる優れた科学解説書、その両方を兼ね備えた良書です。

　全ページに惜しげもなく様々な鉱物（宝石や化石を含む）や結晶の美麗カラー写真が掲載されており、パラパラめくるだけでうっとりしてしまいます。

　しかも解説が素晴らしい。何しろビッグバンから始まって、銀河系、恒星、惑星と解説して、地球の成り立ち、それを構成している鉱物がどのような過程で生成されたのか、プレートテクトニクスの基礎、地殻と大陸、という具合に順を追って最新の科学的知見を教えてくれるんです。

　さらには、岩石収集や化石収集のやり方、使う道具など、これまたカラー写真で説明されていて、思わずハンマーつかんで山に登りたくなってきます。

　先日読んだ『プラネットアース』（書籍版）といい、ビジュアル面と内容の両方が充実した科学解説書を見ると、本当に嬉しい。ぜひ、あらゆる中学校、高校の図書室に置いて欲しいと思います。

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