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『シッコ』(マイケル・ムーア) [映像(映画・ドキュメンタリー)]

 『ボウリング・フォー・コロンバイン』で銃規制問題、『華氏911』でイラク戦争、という具合に常に米国が抱える社会病理を厳しく告発するドキュメンタリー映画を撮ってきたマイケル・ムーア監督の最新作。米国の医療制度の惨状を告発する作品です。

 旧作は『ボウリング』と『911』しか観てませんが、この監督のドキュメンタリー映画は、基本的に非常に真面目な問題意識をベースにしているのに、どうも悪ノリや下品な当てこすりや監督自身のパフォーマンスが強烈すぎて、いま一つ心から共感するのが難しいという印象を持っていました。

 しかし、本作は一味違います。悪ノリやら当てこすりは適度に抑制されており、監督パフォーマンスも極めて効果的に使われています。ドキュメンタリー映画監督としてひとまわり成長したという感じです。

 米国のふざけた医療制度のもとで、保険会社と病院が結託し、貧しい人々、というか普通の人々をどんなにひどいめにあわせているか、静かな怒りをこめて丹念に描いてゆきます。心を揺さぶられます。入院費が払えない患者が路上に捨てられ、茫然自失でさまよい歩いているシーン(監視カメラに写っていた映像)には涙しました。

 医療問題の前に、利益確保のために人間を見殺しに(というかほとんど積極的な殺害に関与)していると自覚していながら続けている人々の存在に衝撃を受けます。手当てしないと死ぬと分かっているのに、保険会社の許可がない限り治療しない医師、申請を平然と却下する保険会社スタッフ、全額個人負担になるので前払いしない限り手術はしませんと言う病院。相手が死ぬ(あるいは破産する)と知っていながら、門前払いにする仕事。

 「とてもこんな仕事は続けられない」と泣く女性や「何千人も殺してしまったが、とにかく止められてよかった。」とつぶやく男性など、保険会社の元社員の姿もあり、暗い気持ちになりました。ここにも犠牲者がいるわけです。

 どうしてこんな制度が、こんな社会が成り立つのか。日本もこうなってしまうのでしょうか?

 米国型の医療制度を目指しているらしい日本も、ひとごとではありません。医療改革について論じる前に、まずは観ておくべき作品だと思います。

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『北極のナヌー』(アダム・ラヴェッチ、サラ・ロバートソン) [映像(映画・ドキュメンタリー)]

 ナショナル・ジオグラフィック社の自然ドキュメンタリー映画です。

 『アース(プラネット・アース)』の撮影スタッフが監督し、『皇帝ペンギン』のスタッフも参加したナショナル・ジオグラフィック初の劇場公開長編映画ということで、けっこう気合が入っています。

 北極を舞台に、一頭の白熊(ホッキョクグマ)が懸命に生き抜く姿を描くというストーリー。もちろん、地球温暖化による北極圏の環境変動を訴えています。

 ひょっとして途中で退屈するのではないか、強引なナレーションに白けるのではないか、など危惧しつつ観てみましたが、いやいや予想よりずっと面白く、最後まで楽しめました。

 さすがに最高のスタッフが撮影していますから映像素材は文句無しに素晴らしく、しかも編集というか見せ方が巧みです。観客が退屈する直前に、さっとカメラを切り換えて他の動物に話題を移すリズムとか。

 氷面の減少により捕食が出来なくなり飢える白熊の姿には胸が痛みます。あまりお説教臭くならずに地球環境問題をアピールすることに成功していると思います。

 余談ですが、完全な脇役ながらけっこう何度も出てくるホッキョクギツネの映像が大いに気に入りました。

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『アニミュージック2』 [映像(映画・ドキュメンタリー)]

 これは凄い!

 CGで描かれた仮想楽器、というか変なメカが、音楽と完全シンクロして動くことで、あたかもそのメカが音楽を演奏しているように見える、それがアニミュージック。

 私はこのDVDで初めて観たんですが、衝撃を受けました。ご存じない方は、まずは次のプロモーション映像を観て下さい。

http://www.animusic.jp/demo/demo_pipe.html

http://www.animusic.jp/demo/demo_starship.html

 その他のプロモーション映像は次のページにあります。各画像右上にある"Demo Movie"というリンクから観ることが出来ます。

http://www.animusic.jp/product.html

 えー、「見る音楽」としての完成度が極めて高く、繰り返し観ても飽きません。映像も美しく、また全作品を無限ループで再生できるので、環境ビデオとしても有用でしょう。

 とにかく、このシリーズの日本版が今後も継続的に発売されるように、気に入った方は是非DVDを購入してやって欲しいと思うのであります。

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『プラネットアース Episode11 青い砂漠 外洋と深海』 [映像(映画・ドキュメンタリー)]

 英国BBCと日本のNHKが共同製作した自然ドキュメンタリーシリーズ『プラネットアース』DVDを鑑賞。ボックスセット最後の1枚です。

 えー、『深海生物』とかあそこら辺のDVDを何枚も観てきたせいで、深海の映像はなじみ深いものばかり。特に新鮮な驚きは感じませんでした。

 むしろ感銘を受けたのは外洋パート。特にジンベイザメが小魚の群れを捕食するシーンが迫力満点です。

 バショウカジキの群れが狩りをするシーンも素晴らしい。この撮影はかなり危険だったんじゃないかと心配になります。

 ただ、他に特筆すべき映像はなく、何だか盛り下がったまま終わってしまったのが残念です。

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『プラネットアース Episode10 森林 命めぐる四季』 [映像(映画・ドキュメンタリー)]

 英国BBCと日本のNHKが共同製作した自然ドキュメンタリーシリーズ『プラネットアース』DVDを鑑賞。第10集『森林 命めぐる四季』です。

 今巻の映像では、時間を急速に進める特殊撮影が印象的でした。

 まるで水に注いだ赤インクがざざーっと広がってゆくかのように紅葉してゆく広葉樹林や、積もった雪がするすると溶け、地面から草が飛び出し、木々が葉を吹き出す、森の季節の移り変わりを、数秒間に圧縮して見せてくれます。

 凄いのは常に視点がスムーズに移動している(ように見える)ところで、撮影方法を知らなければCGかと思うような見事な出来ばえです。

 撮影技術の進歩によって、自然ドキュメンタリーの手法もどんどん変化しているなぁと感心。

 今回の対決映像は、トラvsハヌマンラングール。もちろんトラの圧勝、というか瞬殺です。

 動物同士の戦いの映像を見るとき、私はいつも種として自分に近い方を応援することにしているので、今回は“負け”です。悔しい。

 今回の鳥肌映像は、数兆匹の17年ゼミが一斉に地面から這い出してきて羽化する映像。

 だと思っていたら、その後の「森の木々に、数億羽の蝶が、まるで雪が降り積もっているように、びっしりとまっている映像」に息を飲み、その直後「くす玉が割れたように蝶が一斉に飛び立つシーン」でマジに顔から血の気が引きました。

 そもそも虫が沢山いる映像が苦手な上に、私は蝶が嫌いなんです。セミの方がずっとマシ。

 他に印象的だったのは、バオバブの開花シーン。これはすごいですよ。あの変な木が、真夜中に、色鮮やかな南国風の花をぱぱーっと咲かせるんです。

 というわけで、今回はかなり感動しました。いよいよ次回が最終回かと思うと寂しいです。

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