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『バラ肉のバラって何? 誰かに教えたくてたまらなくなる“あの言葉”の本当の意味』(金澤信幸) [読書(教養)]

 「へのかっぱ」は河童とは無関係? 「長いものには巻かれろ」の“長いもの”とは? 「セピア色」って何の色? 「ポン酢」はオランダ語? 日本になぜ「中国地方」があるの?

 日常生活でよく見かける様々な言葉の意外な語源を教えてくれる言葉の雑学読本。文庫版(講談社)出版は、2013年06月です。

 「金字塔」って、ピラミッドのことだったのか!

 あの言葉、あの名前は、いったい何が起源なのか。知っていそうで意外と知らない、あるいは誤解している、語源に関する豆知識を集めた本です。

 全体は11の章に分かれています。最初の「第1章 日常の言葉」からして、知らなかった雑学がいっぱい。

・「おじゃんになる」の語源は、江戸時代の火消し。
・「へのかっぱ」は、河童とは無関係。
・「四六時中」は、明治以前には「二六時中」だった。
・「お茶目」は、茶とも、目とも関係ない。
・「ケチを付ける」の“ケチ”は、金に細かいという意味ではない。
・「ビビる」という言葉は、平安時代にすでに使われていた。
・「ぐれる」の“ぐれ”は、蛤(はまぐり)の逆さ言葉に由来する。
・「長いものには巻かれろ」の“長いもの”とは、象の鼻のこと。

 へー、知りませんでした。こんな感じの項目がずらずらと並ぶ様は壮観です。

 「第2章 外来語に由来する言葉」と「第3章 名前に関する言葉」は、それぞれ外来語や様々な名前についての雑学集です。

・「超弩級」は、「超ドレッドノート級」の略語。“弩”は当て字。
・「セピア色」の“セピア”はラテン語で「甲イカ」のこと。色あせするのはイカスミ。
・「大学ノート」や「大学イモ」の“大学”とは、東京帝国大学のこと。
・「段ボール」の“ボール”は、「ボード(板)」の間違い。
・「ピーポくん」の名前は、パトカーのサイレンとは関係ない。

 何だかいい加減というか、間違いや誤解が定着してしまった言葉というのが意外に多いことが分かります。こういう例は本書全体を通じて頻出します。

 「第4章 食に関する言葉」と「第5章 動物・植物・天候に関する言葉」では、食事の場などで持ち出すのに最適なネタの宝庫と言えるでしょう。

・「ポン酢」はオランダ語で柑橘類のこと。“酢”は当て字。
・「バラ肉」とは、“あばら骨に付いている肉”のこと。
・「ショートケーキ」の“ショート”は、短いという意味ではない。
・「シュークリーム」の“シュー”は、フランス語で“キャベツ”のこと。
・「松ぼっくり」の“ぼっくり”は、ふぐり(金玉)のこと。
・「サニーレタス」の“サニー”は、日産の自動車の名前。

 6章以降では、芸能、スポーツ、ギャンブル、ファッション、文学・歴史・地理、人名、というテーマが続きます。

・「どさくさ」や「どさまわり」の“どさ”は、“佐渡”の逆さ言葉。
・「ため口」の“ため”は、サイコロのゾロ目のこと。
・「ワイシャツ」の「ワイ」は、ホワイト(白)の聞き間違い。
・「ルビをふる」の“ルビ”は、宝石の「ルビー」が語源。
・「金字塔」とは、ピラミッドのこと。
・「中国地方」は、律令制で「近国」と「遠国」の間にあった地域を示す。
・「銀ブラ」とは、「銀座の喫茶店「カフェーパウリスタ」にブラジルコーヒーを飲みに行く」の略。

 こんな語源ネタが350個ほど詰まっています。

 会話のなかでどんな話題になっても、これならさらりと語源ネタを披露できますね。きっと相手はあなたの教養に感心してくれるし、異性の場合など好意を抱いてくれる可能性だって、というようなことはまあ妄想で、実際には「うざっ」と思われるだけですから、あまり実用性など考えず読んで楽しむにとどめておいた方が賢明です。


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