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『ネコのI.Q.テスト』(E・M・バード) [読書(教養)]

 あなたの飼い猫の知能指数をテストしてみようという一冊。出版は2009年4月です。

 タイトルがタイトルだし、巻末に付いている「優秀成績猫のための表彰状」なんてのも愚かしいし、最初は何かの冗談かお遊び(動物占いの類)かと思っていたのです。が、ちらちらと読んでみると、これが大真面目なテストなんですよ。

 猫の能力(知的な発達)を次の4つの分野について測定してゆきます。

 最初は「1. 総合的な調整能力」で、これは筋肉の使い方、反射神経、身体バランスやコントロールなどを図ります。この分野の能力が不足していると、うちの「ゆうきち」のように、本棚の上で昼寝していて、寝返りを打った拍子に床に落下することになります。

 続いて「2. コミュニケーション(意思伝達)の能力」。自分の存在を周囲に知らせ、他者の注意を引きつける能力を図ります。この分野の能力が不足していると、うちの「いでさん」のように、うっかり洗面所に何時間も閉じ込められ、しかも飼い主も他の猫もそのことに気付かない、ということになります。

 次は「3. 推理能力」。周囲の環境への対応、問題解決、集中力などを図ります。この分野の能力が不足していると、うちの「みねこ」のように、お客さんとしばらく遊んでいて、ふと我に返って、それまで一緒に遊んでいた人が見知らぬ他人であることにようやく気付いて、無意味に「しゃぁーっ」とか威嚇して笑われることになります。

 最後は「4. 社会的な行動能力」。まわりの人間や他の動物とうまくやってゆく能力を図ります。この分野の能力が不足していると、うちの「みくに」のように、特定の相手(彼女の場合は、ゆうきち)を見ると「みゅみゅみゅみゅみゅ」と意味不明な奇声を発して、他の猫を突き飛ばしながら突進し、その相手を押し倒して腹に頭を乗せる、という意味不明な非道を繰り返した挙げ句、皆から嫌われて孤独な引きこもり猫になってしまいます。

 お分かりの通り、本書では人間でいう「知力」だけでなく、もっと広く「うまく生きてゆく能力」を総合的にI.Q.ととらえているようです。

 テストはこんな感じです。それぞれの項目について、その頻度によって点数を付けます。全然しないなら1点、いつもやるなら5点という具合です。点数にテストの種類によってウエイトをかけて(例えば、いくつかのテストの点数を2倍にする)、最後に集計。合計点によって猫のI.Q.が分かるというわけです。

・与えられた食べ物が、気に入らないという意思表示ができる。
・自分の食事を用意する音をききわけられる。
・目を覚ましているとき、少なくとも120秒は完全にじっとしていられる。
・必要に応じて、さまざまな鳴き声を使い分ける。
・時間の感覚を持っている。飼い主が帰ってくるのを予知する等。
・天気の変化を、向こう一週間、予知できる。
・求められれば、座ったり、立ったり、転げ回ったりできる。
・前足でモノを片方からもう片方に投げ上げる「お手玉」が出来る。  
・人間のトイレで用足しをする。
・後ろ足で立って、少なくとも5秒はちゃんと立っていられる。
・後ろ足で立って、少なくとも5歩、歩ける。

 実際に点数をつけないまでも、どのような行動が猫にとって「優れた素質」を示しているのか、知るだけでも興味深いと思います。

 というわけで、うちの猫についてはあえてテストしませんが、猫の飼い主は挑戦してみても面白いかも知れません。結果の正確さについては保証の限りではありませんが。というか、ペットなんだから別にI.Q.が低くても問題ない、というかむしろその方が愛嬌があって可愛いと思いませんか。ですよね。ですよね。


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