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『オーレリ・デュポン 輝ける一瞬に』(セドリック・クラピッシュ監督) [映像(バレエ)]

 パリ・オペラ座のエトワール、オーレリ・デュポンの姿を三年間に渡って撮影したドキュメンタリーフィルム。2009年制作です。

 本人へのインタビューを軸にして、レッスン風景、リハーサル(『白鳥の湖』のオデット、『椿姫』のマルグリット)、マニュエル・ルグリとのパートナーシップ、という具合に進んでゆきます。後半は、出産によるブランク、復帰公演に向けた練習と本番舞台(『ライモンダ』のタイトルロール)、そしてルグリ引退へ。ドラマチックに展開してゆきます。

 芸術監督ルフェーヴルとデュポンが会話しているシーンで、背後でマッツ・エック振付『ベルナルダの家』の練習が行われているところから、撮影期間は一部『パリ・オペラ座のすべて』(フレデリック・ワイズマン監督)と重なっているようです。

 もちろんデュポンのファンは必見。バレエ学校時代の幼い少女オーレリ(すげえ美少女!)の映像、出産間近のゆっさゆっさデュポン、復帰公演の舞台裏でブランクから生ずる不安に押しつぶされそうな表情を浮かべるデュポン。カメラの前でカッコ良く煙草をふかすデュポン。そしてルグリとの共演の練習シーン。オーレリ・デュポンの魅力が満載です。ファン感涙ものです。

 デュポンにはさほど興味がないという方も、ルグリの姿をたっぷり拝めますし、二人の練習風景と会話には興味深いものがあります。またインタビューの際には隣にマリ・アニエス・ジロ姐さんが立っていらして、デュポンと一緒に煙草などふかし、とってもふてぶてしい威光など放ってらっしゃいますので、彼女のファンも観る価値ありますよ。

 というか私この映像を見てジロ姐さんとデュポンがよく似ているということに気づきました。ジロ姐さんをちょっと小柄にして、いかり肩を緩やかにして、知性の輝きを加えれば、まさにそれがオーレリ・デュポン。はっ、今私、両方のファンを敵に回してしまいましたか。

 ドキュメンタリー本篇は一時間ほどですが、特典映像として付いてくる映像が凄い。デュポンとルグリのパ・ド・ドゥが二本も収録されているのです。合計で20分。

 一つはプレルジョカージュ振付『ル・パルク』第三幕のパ・ド・ドゥ。キスしたまま、男性が手放しで高速回転して女性をプロペラのように振り回す、いつもより多めに回しております、のシーンです。

 もう一つはノイマイヤー振付『椿姫』第三幕のパ・ド・ドゥ。いわゆる「黒衣のパ・ド・ドゥ」です。これが凄い名演。観ていて鳥肌がたつほどの感動で、個人的にはこの映像のためにだけでも本作を購入する価値があると思いました。


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