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『私が踊るとき』(伊藤千枝、珍しいキノコ舞踊団) [舞台(コンテンポラリーダンス)]

 伊藤千枝ひきいるコンテンポラリーダンスカンパニー「珍しいキノコ舞踊団」の新作公演を観るために、夫婦で世田谷パブリックシアターに行ってきました。

 前作『The Rainy Table』と同じく、伊藤千枝さんを含む6名のダンサーが踊る1時間ほどの短い舞台です。出演メンバーもほぼ同じ(井出雅子さんが梶原未由さんに交替したのみ)。

 とにかく楽しい舞台でした。あまりの楽しさに頭がぼーっとなって何を書いていいか分からないのですが、あるときは絵本のような、あるときは昭和歌謡ショーのような、あるときはコンテンポラリーダンスのような、というかコンテンポラリーダンスですが、伊藤千枝さんの振付と演出、それに素晴らしい舞台美術が渾然一体となって、観客は肩の力を抜いて桃源郷にいるような心地に。

 超スローテンポのダンスで幕が開いた後は、楽しい踊り、微笑ましい踊り、脱力するような踊り、観客席に乱入する踊り、ガールズトークしながらの踊り、様々なダンスが入念で緻密な構成の下で展開してゆきます。背景映像の使い方は前作よりはるかに洗練されているようです。でも、観ている間はあまり構成とか何とか気にならず、ひたすら楽しい気分。

 何だかあっという間に1時間が過ぎてしまい、最後は観客総立ちで一緒に踊るというライブコンサートのノリに。キノコにはやはり中毒性および幻覚性があるようです。また観たい、すぐに観たい。

『私が踊るとき』

出演:山田郷美、篠崎芽美、茶木真由美、中川麻央、梶原未由、伊藤千枝
振付・構成・演出:伊藤千枝(珍しいキノコ舞踊団)


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