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『椿姫 La Dame Aux Camelias』(ジョン・ノイマイヤー、パリ・オペラ座、アニエス・ルテステュ) [映像(コンテンポラリーダンス)]

 現代を代表する振付家ジョン・ノイマイヤーの『椿姫』、パリ・オペラ座による2008年7月の公演を収録した映像です。主役を踊ったのはアニエス・ルテステュ。

 これは素晴らしい映像です。この演出過剰でベタベタのメロドラマが、アニエス・ルテステュが踊ることで生き生きとした感動的な舞台になっています。画質が良いこともあって、ノイマイヤーの色彩マジック冴え渡り、思わず引き込まれます。特に「青」の効果はため息が出るほど綺麗。

 最初から最後までアニエス・ルテステュの凄さを見せつけられる舞台です。テクニックの素晴らしさは当然として、なにしろ演技力が凄い。なにげない表情や仕種の一つ一つが完璧なまでに決まっています。油断すると魂を持ってかれそうな存在感。

 相手役をつとめたステファン・ビュヨンは、どうも急な代役だったそうで、ちょっと気の毒な感じです。演技もダンスもひま一つ精彩を欠くというか、終始ルテステュに押されまくってあたふたしているというか。特にリフトはかなり無理しているのが伝わってきて、ああルテステュは重いんだろうなあ、腰は大丈夫かしらん、というかマジで怪我してるんじゃ、などと雑念がわいてきて集中できなかったり。

 脇も文句言わせない配役で固めており、なにしろ劇中劇『マノン』にデルフィーヌ・ムッサンとジョゼ・マルティネスというエトワールを2人投入するという気合の入れよう。とにかく豪華です。

 マリシア・ハイデがマルグリットを踊ったオリジナル・キャスト版の映像と比べても、こちら方がお勧めです。これからノイマイヤー作品を観てみようという方は、まずこの一枚からスタートするとよいかと思います。

 それにしてもアニエス・ルテステュの『ジゼル』を観たいと思いました。あとノイマイヤーの『人魚姫』を映像化してほしい。うう。


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