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『SF本の雑誌(別冊本の雑誌15)』(本の雑誌編集部) [読書(SF)]

 『本の雑誌』から、SFまみれの別冊が出ました。

 「本の雑誌が選ぶ SFオールタイムベスト100」だの「SFサブジャンル・こだわりベストテン」といったSF入門的な記事。(今や「老人SF」ってのは立派なサブジャンルなんですね)

 「この10年のSFはみんなクズだ!」をはじめとして『本の雑誌』に掲載され話題になったSF関連記事の再掲、書店員POP推薦、翻訳SF担当編集者座談会、といった真面目なSFファン向け記事。

 そして、「SFセンター試験精選問題集」、「SF者用語辞典」、グレッグ・イーガン+SF定義論争史という大変にアレでナニなネタが炸裂する『SF大将特別編 万物理論』(とり・みき)まで、不真面目なSF者向け記事。

 などなど、いまひとつターゲット読者層が曖昧というか、とりあえずこれまで『本の雑誌』が手を染めたSF的なナニを後先考えずぶち込んだら出来てしまったという感が強い一冊ですが、けっこうファンジン的なノリで楽しめます。

 小説は2本。椎名誠さんが「37年前にぼくがはじめて書いた小説」とおっしゃる『アドバタイジング・バード』(名作『アド・バード』の原型となった同人誌掲載作)というあまりにも渋い原稿、そして円城塔の新作書き下ろし『バナナ剥きには最適の日々』。

 宇宙人とのコンタクトを求めて永遠の旅を続ける探査機を語り手にした『バナナ剥きには最適の日々』(円城塔)は、SFファンなら思わずニヤニヤするようなネタをあちこちにまき散らした短編ですが、その気取ったユーモアがけっこういい感じになっています。失われた友人「チャッキー」って、伊藤計劃さんなのかなあ。


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