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『青ノ鳥』(矢内原美邦、ミクニヤナイハラプロジェクト) [映像(コンテンポラリーダンス)]

 2009年5月1日深夜のNHK教育「芸術劇場」では、「NHKシアター・コレクション‘09」で上演された演劇作品を放映してくれました。私は特に気にしてなかったのですが、配偶者が「このミクニヤナイハラプロジェクトの公演は、コンテンポラリーダンスである可能性が高い」と言い出したので、慌てて録画を確認してみたところ、これがまさしくコンテンポラリーダンスの舞台。危うく見逃すところでした。危ない危ない。

 森林調査に来た研究者集団という設定で、出演者はほぼ全員が白衣を着て、訳の分からないセリフを早口でしゃべりまくり、かみ合ってない会話を延々と続け、その間も全員が手足を激しく動かし、奇妙なダンスを踊るという、そんな変な舞台です。最初から最後までやたらハイテンション。

 セリフには特に意味はなく、やたらと感情過多で早口で、同じ言葉を執拗に繰り返したり、不意に絶叫したり、意味なくささやき声になったり。要するにセリフがノイズミュージックとして使われているわけです。

 そのノイズに乗せて、跳んだり跳ねたりコンテンポラリーダンスを踊るわけですが、振付が非常にカッコイイというか、観客のテンションをきりきり高めてゆくような鋭い動きの連続で、これは凄い。

 ときどき群舞のシーンが入ります。これは実に爽快。「コンドルズ」のダンスシーンを連想させるような群舞ですが、フォーメーションがより緻密に組み立てられており、個人的にはこちらの方が好みです。

 というわけで、テンション高すぎて観ているだけでぐったり疲れる舞台ですが、すごく気に入りました。

 振付・演出を行なった矢内原美邦さんは、コンテンポラリーダンスカンパニー(正確にはパフォーミング・アート・カンパニー)「ニブロール」を主催するダンサーですが、今回の作品は新たに立ち上げた「ミクニヤナイハラプロジェクト」による公演とのこと。

 『コンテンポラリーダンス徹底ガイドHYPER』(乗越たかお)によると、前作であるニブロールの『3年2組』は「一昔前の叫ぶ系&早口のセリフ回しと、ハイテンションの動きが意外な高さで融合」(p.201)とのことで、これは今回の『青ノ鳥』にもそのまま当てはまる特徴です。

 実際に舞台『3年2組』を観た配偶者の話でも、方向性は同じだが、『青ノ鳥』の方が良くなっているとのことで、今後とも「絶叫+早口セリフ回し+ハイテンションダンス」の可能性を拓いていって欲しいと思います。次は実際の舞台を観たいものです。

ミクニヤナイハラプロジェクト公演『青ノ鳥』
2009年2月22日、NHKふれあいホールで収録
作・演出・振付:矢内原美邦


タグ:矢内原美邦
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