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『マノン』(タマラ・ロホ、カルロス・アコスタ、英国ロイヤルバレエ) [映像(バレエ)]

 2009年5月8日深夜のNHK教育「芸術劇場」では、英国ロイヤルバレエ団によるケネス・マクミランの代表作『マノン』最新公演をカーテンコールまで含めて全幕放映してくれました。2008年11月にロイヤル・オペラハウスで収録された映像です。

 主役マノンを踊ったのはタマラ・ロホ。ちっちゃくてぽっちゃりで微妙にコケティッシュなところが彼女の魅力だと思うのですが、それが深く物事を考えない享楽的なマノンにぴったりはまって、とても説得力がありました。さほど好きなダンサーではなかったのですが、この映像を観て、ロホけっこういいかも、などと思い始めたり。

 相手役デ・グリューを踊ったのは、カルロス・アコスタ。個人的に大好きなダンサーです。今回も伸び伸びと広がってゆくようなスケール感と品のよさをあわせ持った情熱的なバレエを堂々と踊ってくれました。劇的表現と超絶的テクニックが見事にかみ合っていたと思います。

 それぞれスペイン出身とキューバ出身ということで文化的に親和性が高いのか、二人の相性もばっちり。このペアはもっと観たいものです。

 マノンの兄レスコーを踊ったホセ・マルタンがまた印象的で、クールな踊りはすごくカッコイイし、ユーモラスな踊りは本当に吹き出してしまうほど。愛人役を踊ったラウラ・モレラとのパ・ド・ドゥは必見でしょう。ラウラ・モレラも素晴らしい。

 英国ロイヤルバレエにしては群舞のレベルも高く、当然ながら重厚な舞台美術と衣装はやりすぎ感が漂うほど気合が入っています。あの華麗な衣装で踊らされるダンサーたちお気の毒さま。

 というわけで、何となく英国ロイヤルバレエは最近ぱっとしないなあと、公演をろくに観もしないで勝手にそんな印象を持っていたのですが、これを観て反省しました。今の英国ロイヤルバレエは何だかすごく気合が入っているようです。とりあえずアコスタの踊りをもっと観たいです。


英国ロイヤルバレエ『マノン』(ケネス・マクミラン振付)
2008年11月ロイヤル・オペラハウス(ロンドン)で収録

[出演]

マノン:タマラ・ロホ
デ・グリュー:カルロス・アコスタ
レスコー:ホセ・マルタン
ムッシューG.M.:クリストファー・サンダース
レスコーの愛人:ラウラ・モレラ
看守:トマス・ホワイトヘッド
マダム:ジェネシア・ロサート


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