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『in-i (イン・アイ)』(ジュリエット・ビノシュ、アクラム・カーン) [舞台(コンテンポラリーダンス)]

 かつてシェルカウイと組んだ公演『ゼロ度』で度肝を抜いてくれたアクラム・カーンが、今度はフランスの女優ジュリエット・ビノシュと組んで公演をやるというので、夫婦で渋谷Bunkamuraシアターコクーンまで行ってきました。

 ジュリエット・ビノシュとアクラム・カーンが恋人同士の色々を演じる、というかほとんどは痴話喧嘩なんですが、とにかくそういう演劇色が強い公演でした。異文化衝突と和解がテーマの一つとなっているためか、二人の文化的背景がそのまま役柄にも投影されているようです。

 で、私が期待したのは、『ゼロ度』で衝撃を受けた(今でもときどき夢に出てくる)アクラム・カーンの旋回。重心を低くして手を振りながら片足のかかとを軸に目にも止まらぬ高速で連続的に旋回するという、後で調べてみたらどうも北インド地方の古典舞踊である「カタック」の型らしいのですが、それがもう印象的で印象的で。

 今回もその旋回は、「苦悩」を表現するために使われていました。愛し合っていてもすれ違う悩み、分かり合えない苦しみ、まあそんなことはどうでもいいから旋回、旋回。もっと旋回して下さい。

 ジュリエット・ビノシュもけっこう頑張って踊ってました。あと移動壁や照明の使い方が非常に効果的で、色合いには思わずはっとするような緊張感が満ちています。

 出演者は二人だけ、舞台装置も壁と椅子二脚のみという簡素な舞台で、上演時間も1時間10分と比較的短いのですが、観客に集中を強いるのでけっこう疲れます。

 私は特に好きでも何でもないのでふーんですが、ジュリエット・ビノシュのファンなら彼女が1時間以上ほとんど出ずっぱりで踊る舞台というのは卒倒ものなんでしょうね。そういう方々には申し訳ないのですが、出来ればもっとアクラム・カーンがソロで踊るシーンを多くして欲しかったと、まあ個人的にはそう思いました。

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